きのうはハモのご飯を肴にした。
魚の炊込みご飯は、簡単にでき、うまいのである。
炊込みご飯に魚を入れるというと、意外な感じがする人もいるかもしれない。炊込みご飯といえば、たしかにまず、鶏肉を入れたものが思い浮かぶ。
それがなぜだか、よく解らないのだが、炊込みご飯は、実は魚を入れても大変うまい。要は「塩焼きして入れる」だけの話で、作るのはごくごく簡単だし、土鍋ごと食卓に出せば、ごちそう感もあり、さらにきのうのハモなどのようにやや値が張る魚なら、ごはんや具でかさ増しされ、財布にも優しい。
入れる魚は、本当に何でもいいと思えるのであり、鯛やアナゴ、スズキなど白身系の魚はもちろんうまいし、
カキやアサリ、イカ、タコなどの魚介系は、定番とも言えるだろう。
- あさりご飯は簡単にでき、しかも最もうまいものの一つである。
- ホタテご飯があっさりし過ぎと思ったので、コッテリしたナスの赤出しを作ったのである。
- 何を食べるか考えあぐね、タコめしに鶏肉の吸物とようやく決まったのである。
サバやサンマなどの青身の魚を入れてみたこともあるのだが、
これも臭みなどは特になく、問題なくうまかった。
ハモのご飯は、酒房京子で初めて食べ、
それ以来、家でも時々やる。
上品なハモの風味がなんともうまく、「いかにも京都」という味だ。
京都では、スーパーなどでも、骨切りしたハモが売っている。
生のやつをそのまま買ってくればいいし、落としにしたものでもいい。
一緒に入れる具は、香り出しのごぼう、味を吸う油あげとコンニャク、それにハモのうまみを補う竹輪とした。
ハモはていねいにやるのなら、サッと焼いてから入れるのだが、丸まってしまうから串を打たないといけなくて面倒だし、大して臭みがある魚でもないから、生のまま入れてしまうので、問題ない。
一人用の土鍋に5センチ角ほどのだし昆布を敷き、研いだ米1カップを入れる。
ささがきにし、5分ほど水に晒したゴボウ、うすく切り、サッと下ゆでしたコンニャク、お湯をかけて油抜きし、細く刻んだ油あげ、うす切りにした竹輪、そして食べやすい大きさに切ったハモを重ねていく。
土鍋で炊込みご飯を作る場合、水加減と調味料の量を、よくよく考える必要がある。途中で味見ができないから、火にかける前に、全てを決めてしまわないといけない。
まず白めしを炊く場合なら、水の量は、米の1.2倍が標準だ。炊込みご飯の場合にも、これと同じでいいのだが、ちょっと考えないといけないことがある。
まず水の量は、「酒やしょうゆなど水気の調味料と合計した水分の量」ということになる。だから純粋に水の量は、炊込みご飯の場合には、米の1.2倍から、調味料の量を引かないといけない。
また具に、水気を吸うものを入れた場合、その分、水の量も増やさないといけない。
きのうは調味料を酒を大さじ1(15cc)、みりんと淡口しょうゆを大さじ2分の1ずつ、塩小さじ2分の1を入れることにしたから、油あげとコンニャクが水気を吸うことを考え、水気が1カップの1.2杯(240cc)よりやや多くなる、水1カップ+大さじ1を入れることにした。
ちなみに、油あげやコンニャクを、米の上に重ねるのでなく、米に混ぜ込んで入れる場合は、さらに水の量を増やす必要がある。
米と同じ高さにあると、煮汁に浸ったままになるから、油あげやコンニャクは、余計に水気を吸うからだ。
フタをして、土鍋を中火にかける。
湯気が勢いよく吹き出してきたところで弱火にし、10分炊いて、そのあと火を止め、10分蒸らす。
炊込みご飯は、出来上がるまで中が見えないから、フタを取るのが楽しみだ。
ハモとゴボウの、いい香りがする。
茶碗によそい、わさびを天盛して食べる。
ハモの優しいうまみが、しみじみうまい。
それから炊込みご飯は、お湯や氷水を入れ、水漬け、湯漬けにすると、またうまい。
きのうの晩は、水漬けにし、
さらにきょうの昼には湯漬けにした。
あとは、オクラととろろ昆布の吸物。
お椀にとろろ昆布と削りぶし、淡口しょうゆ、細い小口切りにしたオクラを入れ、お湯をそそぐ。
たたきキュウリのツナラー油。
すりこ木でたたき、指でちぎって塩もみし、5分ほど置いて水洗い、水気を拭き取ったキュウリと、ツナ、少量のしょうゆ、たっぷりのラー油とレモン汁で和える。
それにナスの味ポン酢。
5ミリ幅くらいに切り、塩もみして5分ほど置き、水洗いしてよく絞ったナスを、おろしショウガ、味ポン酢、すりゴマと一味で和える。
酒は、焼酎水割り。
きのうはご飯物があったから、いつもよりは飲み過ぎなかった。
「鶏の炊込みご飯もおいしいけどね。」
あれも黄金の味だよな。
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