ホタテご飯を食べようと思ったが、それだとあっさりし過ぎと思った。
それでコッテリとしたナスの赤出しを作ったのである。
魚屋でホタテのゆでたのを買い、これで炊き込みご飯をしようと思った。
ゆでホタテもわりと使い出があり、冷凍して置いておけば、こうして炊き込みご飯にも、あとは酢の物にも、ちょっと贅沢な感じがする具材になる。
一緒に炊き込むのはゴボウと油あげ、それにホタテだけだとちょっと味が足りないから、ちくわも入れることにする。わさびを乗せて食べれば気の利いた一品になるだろう。
でもこれだけだと、ちょっとアッサリし過ぎている。卵でも炒めようかと思ったが、あいにく卵は切らしていた。
おかずはいつも4~5品作ることにしていて、メインのほかは、まずは汁物、そのほか小さなおかずを一つ一つと漬物など、がパターンになる。メインのほかは、できるだけ火を使わないものを作るようにしていたのは、コンロが一つしかなかったからだ。
それで汁物は、とろろ昆布の吸物が頻出していたわけなのだが、今はコンロが2つある。汁物で何かちょっとコッテリしたものができないかと考えて、思い付いたのはツナのみそ汁。
ツナはみそ汁の味出しに入れると、ほかにだしの具材を何も使わなくても足りないところのない味になる。さらに一緒に入っている油も入れれば、ちょっと豚汁にも似たコクが出るのである。
みそ汁に入れるのは、まず冷蔵庫に入っているナスにした。ナスをゴマ油で炒めてから入れ、さらにみそも赤出しみそにすれば、「麻婆ナス」的になるだろう。
さらに冷蔵庫に入っているものを思い出しながら考えてみると、トマトも入っている。これも入れることにした。ナスとトマトは相性がいい。
オクラもある。これも入れよう。「夏野菜の赤出し」だ。
油あげも入れたくなったが、それは今回はガマンした。油あげは、炊き込みご飯に使う予定だからである。
炊き込みご飯を炊いているあいだに、空いているコンロでみそ汁を作る。
まずナスはやや大きめの乱切りにし、水にさらしてアク抜きをした後に、ゴマ油少々でサッと炒める。
ナスは皮を縞にむくと、食べ応えがやわらかくなる。
つづいてツナを油ごと入れ、さらに炒める。
ツナの油も、ナスに吸わせるわけである。
水を2杯分、2カップ入れ、赤出しみそ大さじ2くらい、みりんとおろしショウガ小さじ1ほどを入れ、ナスがしんなりするまで5分ほど煮る。
くし切りにしたトマトと小口に切ったオクラを入れ、2~3分煮てトマトがしんなりしてきたあたりで火を止める。
一味をふって食べる。
コックリと味を吸ったやわらかなナス、さわやかな酸味のトマト、それにねっとりオクラはたまらない取り合わせである。
それからご飯。
土鍋に5センチ角ほどのだし昆布を敷き、研いで水をよく切った米1カップを入れる。
ささがきにして水にさらしたゴボウ2分の1本、細く刻んだ油あげ2分の1枚、うす切りにしたちくわ、それにホタテを順に乗せ、水1カップ、酒とみりん、淡口しょうゆを大さじ1ずつ、塩小さじ2分の1を入れてフタをする。
中火にかけ、湯気が勢いよく噴き出してきたら弱火にする。
弱火にしてから10分炊き、火を止めて10分蒸らす。
炊き込みご飯は、ふたを開ける時がたのしみだ。
ゴボウの香りがぷんとする。
わさびを乗せて食べる。
炊き込みご飯は、つくづくうまい。
今日の昼は、氷水を入れて食べた。
これがまたいいのである。
あとはホタテを流用して酢の物。
キュウリはうすい輪切りにし、塩一つまみで揉んで5分ほど置き、水で洗って水気を拭きとる。ホタテ、わかめ、うす切りのミョウガと合わせ、砂糖小さじ3、酢大さじ3、塩少々で和える。
それに冷奴と・・・、
おばさんの古漬。
酒は冷や酒。
飲み過ぎはしたものの、わりとサックリ、早めに寝れた。
「コンロが2口になってよかったね。」
ほんとだな。
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