スルメイカをあっさりと食べたかった。
ならば、ゆでイカのショウガ醤油なのである。
スルメイカを買ってあり、どうやって食べるかを考えた。
「最強」と思われるのは「ワタと一緒に炒める」ことで、和風ならみそで甘辛い味をつけると抜群にうまい。酒に合うのはもちろんのことご飯にも、それからうどんなどの麺にもいい。
ただしこれはクセが強いといえば強いし、ワタは新鮮でないと使えないから、もう少し無難に甘辛いしょうゆ味やオイスターソースでコクをつけるやり方もある。これがイカの料理法としては「主流」だといえるだろう。
しかしきのうは暑かった。夏至を過ぎ、とたんに蒸すようになってきて、アッサリとしたものが食べたかった。
となれば、ゆでイカのショウガ醤油となる。
イカをサッとゆで、たっぷりのおろしショウガと青ねぎを散らしてしょうゆで食べる。イカのアッサリとした食べ方として最も手軽で、しかもうまい。
ただしイカは新鮮だから、ワタを捨ててしまうのは忍びない。
そこでゲソだけ、ワタみそバター炒めにすることにして、まずはそれから作ることにする。
イカは胴の正面内側に指をつっ込み、つながっている部分を外して中身を引き抜く。
中身は目の下で切り、ゲソはクチバシを外した上でぶつ切りにする。
ワタ袋に包丁を入れ、器にワタを絞り出し、みそと砂糖、酒、みりん大さじ1、おろしショウガ小さじ1を加えてよく混ぜる。
ここに切ったゲソを入れてさらに混ぜる。
フライパンを弱いめの中火で熱し、バターひとカケを溶かしてみそワタのゲソを流し入れる。
焦がさないよう注意しながら2~3分じっくり炒め、煮詰まってモチモチになってきたあたりで火から上げる。
青ねぎをかけ、一味を振って食べる。
みそにバターが、またよく合うのである。
次はゆでイカ。これはお茶の子だ。
イカの胴は、内側にタテに軟骨が入っているからそれを折らないように注意して引きぬき、輪切りにする。
鍋に湯を沸かして塩ひとつまみを入れ、輪切りのイカをサッとゆでる。
新鮮なイカの場合、これはほんとに「サッと」が大事で、ほんの10~20秒、イカが赤く色付いてきたら湯から上げる。
おろしショウガと青ねぎをたっぷり散らし、しょうゆをかける。
さっぱりして、またこれが酒に抜群に合うのである。
あとはゴーヤの梅肉和え。
これも夏には打ってつけのさっぱりメニューだ。
タテに割ったゴーヤ4分の1のワタをスプーンでかき出し、サッと塩ゆでして水に取り、水気をよく拭きとる。
梅肉を1個分を包丁でよくたたき、みりん大さじ1、しょうゆ小さじ2分の1で溶きのばす。
ゴーヤと梅肉、それにかつお節ひとつまみくらいを合わせ、よく和える。
それにとろろ昆布の吸物。
冷やしトマト。
酒は冷や酒。
きのうはイカのお陰で酒が進んで、定量の2杯を飲んでもまだ飲み足りなかった。
それでおかわりはする代わりに、さらにシメににゅうめんを作った。
お椀に固めにゆがいて水で洗ったそうめん、とろろ昆布、削りぶし、ちぎった梅肉、青ねぎを入れてお湯を注ぎ、淡口しょうゆで味をつける。
「ひとりで飲み過ぎるんだから世話ないね。」
そうだよな。
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