きのう食べたのは、焼きイカのサラダ・オリーブオイルとレモン汁の温ドレッシング。
「役割分担」とか言う男はダメなのだ。
料理しない男が、つくづく嫌いなのだ。
まず一人暮らしなら、牛丼とか、コンビニ弁当とかを食べる機会が多いだろう。あんなクソまずいものを毎日食べられる、その神経が分からない。
それから料理しない男は、「男は料理しなくていい」と思っているはずである。それは世の中の役割分担で、「料理は女がするものと決まっているから」だ。
もちろん、役割分担自体は決して悪いことではない。人間、全てのことができるはずはないのだから、役割は分担されていかなくてはならない。
しかし料理しない男が言う「役割分担」は、役割分担にならないのである。
奥さんの料理を食べたとする。料理しない男に限って、あとで文句を言うはずだ。
その文句が正当であり得るのは、奥さんが、分担された役割をきちんと果たしていない時だけである。だから、もし奥さんの役割を「料理する」と決めたのなら、何であれ料理をすれば、仮にそれがどんなに不味かったとしても、文句を言う資格はない。
「うまいものを料理する」というのは、役割の定義にならない。何をうまいと思うかは、個人の好みによって違うし、日によっても変わるからだ。
だからもし、うまいものを食べたいと思ったら、あらかじめ奥さんと、何の料理を作るかを打ち合わせしないといけない。しかしこれが、料理をしない男にはできないはずだ。
料理しない男は、「自分が何を食べたいか」を考える訓練をしていない。
だから自分が食べたいものをあらかじめ思い付くなど、できようはずがないのである。
そこで料理を食べて初めて、「これは自分が食べたいものではなかった」と言うわけだ。それは役割分担ではなく、「丸投げ」だ。
男なら、ダメな上司や依頼先から丸投げで仕事を依頼され、不愉快な思いをしたことがあるだろう。
それを奥さんに強いようとしている時点で、料理しない男は「ダメ男」に確定だ。
料理しないダメな男は、奥さんに離婚されるか、浮気されるか、どちらかになるのは間違いない。
今からでも遅くはないから、精々料理に励むのが身のためだ。
さてきのう作ったのは、焼きイカのサラダ。
肉や魚をサラダに乗せるのがうまいのは知れた話で、イカももちろん、例外ではないのである。イカはちょっと淡白だから、ご飯のおかずにはなりにくいかも知れないが、酒には最高の肴になる。
ドレッシングはオリーブオイルにレモン汁で、オイスターソースをコク出しとして使う。
オリーブオイルとオイスターソースの組み合わせは、ちょうど「バター醤油」のようになり、これがまた、イカによく合う。
サラダには、スルメイカの胴だけ使う。
中身を引きぬき、内側にタテに入っている軟骨を、折らないように気を付けながらひっぱり出す。
フライパンを中火で熱し、オリーブオイル少々を引く。
イカを入れ、表と裏を1~2分ずつ、フタをして焼く。
イカは焼き過ぎないようにするのが最大のポイントだ。
焼けたらとり出し、輪切りにしておく。
つづいてフライパンに、
- オリーブオイル 大さじ2
- レモン汁 大さじ1
- オイスターソース 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1
を入れて、温める。
好きな野菜、きのうはレタスと玉ねぎ、トマトの上にイカをのせ、青ねぎを振り、温めたドレッシングをかける。
温められたドレッシングで、野菜がちょっとしんなりするのが、またウマイ。
イカのわたと下足は、キムチと炒める。
こちらは、最高のご飯のおかずになる。
わた袋に包丁を入れ、わたを器にしごき出す。
下足もぶつ切りにして入れ、
- 酒 小さじ1
- みりん 小さじ1
- 醤油 小さじ1
- おろしたショウガ 1~2センチ大
- キムチの汁 少々
を加えてしばらく漬け込んでおく。
フライパンを中火にかけ、ゴマ油少々を引いて、まずキムチ少々をじっくり炒める。
つづいて漬け込んでおいたわた下足を入れ、モッチリとしてくるまで炒め、最後に青ねぎ少々を加えてひと混ぜする。
あとは、とろろ昆布の吸物。
お椀にとろろ昆布、削りぶし、水にひたしてよく絞った焼麩、青ねぎを入れ、お湯をそそいで淡口醤油で味付けする。
それに、わさび醤油の冷奴。
酒は、冷や酒。
イカが酒に合うせいで、きのうはいつもより余分に飲んだ。
しかし肴がうまければ、飲み過ぎてしまうのも仕方がないのだ。
「毎日飲みすぎる神経が分からないよ。」
そうだよな。
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