スルメイカとトマトのオイスターソース炒めで酒を飲んだ。
これは抜群の味なのである。
スルメイカを買ってあったから、どうやって食べようか、考えるわけである。これは酒を飲みながらやるのがオススメで、アルコールで脳が解放されるからだろう、名案が次々うかぶ。
さらに酒を飲んでいると、腹も減ってくる。食べるものを考えるには、好条件が揃いに揃っているのである。
イカはまずは、ワタと一緒に炒めるのがうまい。檀一雄流にオリーブオイルとにんにくで味付けするのはまさに「必殺」だし、味噌で甘辛く味付けするのもいい。
でもきのうは、ワタの気分ではあまりなかった。もう少し、アッサリとしたものが食べたい。
となれば、オイスターソース炒めが定番だろう。ねぎやニラと合わせるのは王道だし、ブロッコリーやセロリなど香りが強い野菜と合わせるのもまたうまい。
ちょうど伏見とうがらしが買ってある。細長い伏見とうがらしに合わせ、イカも輪切りでなく、両側を開いてまっすぐ切れば見た目もよさそうだ。
それで「悪くない」とは思ったのだが、もう一ひねり欲しい気もする。
何かないかと、酔った頭でぼんやり考えていると・・・。
思い付いたのである。
「トマトだ!」
イカは「トマト煮」にもするのだから、トマトとの相性はいい。とうがらしがトマトとよく合うのも、言うまでもないことである。
白いイカ、緑のとうがらし、それに赤いトマトは、色目もよさそうだ。
これは間違いないだろう。
とうがらしは食べやすい大きさに切り、サラダ油少々で炒めておく。
とうがらしは、ししとうやピーマンなどでも、もちろんいい。
とうがらしに火が通ったら皿に取り出し、さばいて細長く切ったイカ、くし切りにしたトマトも一緒に皿に待機させる。
酒とオイスターソースを大さじ1ずつ、砂糖とおろしショウガを小さじ1ずつ、塩小さじ4分の1、それに片栗粉小さじ1の合わせ調味料も用意しておく。
あとは一気である。
フライパンにゴマ油少々と赤唐辛子を入れ、強火にかける。
煙が上がり、唐辛子が焦げてくるまで待ったところで、イカととうがらし、トマトを全部入れる。
30秒ほど炒め、イカがピンクに色付いてきたら、すかさず合わせ調味料を入れ、サッと混ぜてトロミがついたら火を止める。
予想通り、抜群の味である。
トマトのさわやかな酸味がイカに実によく合い、ほろ苦いとうがらしもまた絶好のアクセントとなっている。
あとはオクラととろろ昆布の吸物。
お椀に、板ずりをし、サッとゆでて小口切りにしたオクラ2本、とろろ昆布少々、削りぶしをミニパック1袋、淡口しょうゆ大さじ1くらいを入れ、お湯を注ぐ。
ナスのおひたしカラシ酢味噌。
ナスはトラ刈りに皮をむき、2センチ幅くらいの輪切りにして、塩一つまみを振った水で3~4分ゆで、水で冷やしてやさしく絞る。
白味噌(西京みそ)と酢を大さじ1ずつ、砂糖とカラシ小さじ2分の1ずつのカラシ酢味噌で和え、削りぶしを盛る。
これはナスのゆで加減が大切で、箸でつまみ、「弾力が出てきた」と思ったら、すぐに火から上げる。
厚揚げの焼いたん。
フライパンでもグリルでもいいから焼き、おろしショウガとねぎ、味ぽん酢をかける。
酒は、冷や酒。
イカがまた酒によく合い、きのうは絶好調になり、ツイッターでべらべらつぶやいた。
「グズグズしないで早く寝ればいいのに。」
そうなんだよな。
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