スルメイカと大根の煮付けで酒を飲んだ。
イカは煮過ぎないのがコツなのである。
カフェで仕事を終え、何を食べるか考えるに、どうもそれほど腹が減っていない。昼はいつもとおなじ、うどんを一杯食べただけだったから、
「おとといまでの食べ過ぎがまだ後を引いているのか」
と思う。肉は食べる気がしないから魚、しかもできるだけアッサリしたものの煮付けがいいな・・・。そう考えながらスーパーへ行き、鮮魚売り場をのぞいてみると、スルメイカが目に入った。
「これにしよう。」
スルメイカなら、アッサリしていることにかけては引けを取らない。家にある大根と煮付ければ、申し分ない一品になるだろう。
スルメイカを買い、家に帰った。
家で例のごとく食前酒をしていたら、つい飲み過ぎて、食事の支度にとりかかるのが遅くなった。さらにカセットコンロのボンベを買い忘れたのに気がついて、スーパーへ行って帰ってきたら12時近く。
大根を煮付けに入れる場合、本当なら煮付けの汁を別鍋にとり、それをうすめて、煮付けとは別に大根を煮た方がおいしくできる。煮付けはコッテリ、大根はアッサリと煮て、出来上がったのを合わせるわけだ。
でも12時からそんな手間がかかることはしていられないから、一緒に煮てしまうことにした。
イカは「煮時間」が重要で、煮過ぎると固くなる。最大でも5分以内に抑えるようにしないといけない。
スルメイカは小さめなのが2本入っていた。ワタをどうしようかと思ったが、時間も遅いし、今回は捨てることにした。
胴から中身を引き抜いて、胴はタテに入っている軟骨を引き出し、1センチ幅くらいの輪切りにする。中身は目の下で切り、足の根元にあるクチバシを取った上、ぶつ切りにする。
大根は、5ミリ~1センチ厚さくらいの半月切りにする。皮はむかずにそのまま煮る。
フライパンに5センチ角ほどのだし昆布を敷き、大根とイカ、それに水1.5カップ、酒とみりんを大さじ3ずつ、砂糖大さじ2を入れる。
強火にかけ、煮立ったら中火にし、アクを取る。
アクが取れたらしょうゆ大さじ2を入れて、落としブタをして2~3分煮る。
アクを取っているあいだに1~2分は経つわけで、これで煮時間5分弱という話になる。
イカを煮たら、一旦火を止め、イカだけをすべて取り出す。
煮汁も少し入れておき、味がしみるようにする。
あらためて、それから10分くらい、落としブタをして、弱めの中火で大根を煮る。
大根がやわらかくなったところで、しょうゆ大さじ1を入れ、イカを戻してひと煮立ちさせ、火を止める。
フタをして、そのまましばらく置いておき、味をしみさせるようにする。
器に盛り、青ねぎをかけた。
大根にも、しっかり味がしみている。
あとは、とろろ昆布の吸物。
残り物の和風ナスミート。
一味ポン酢の冷奴。
おばさんの古漬。
酒は冷や酒。
飲み始めたのが遅かったから、自然、寝るのも遅くなった。
「ダラダラし過ぎなんだよね。」
そうだよな。
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