麻婆ナスにもトマトを入れるとうまい。
ガッツリといけながら、さわやかな味になるのである。
きのうはナスが2本あったから、麻婆ナスにすることにしたのだが、これにももちろん、トマトを入れるのである。
このところ何にでもトマトを入れていて、「どうなのか?」と思う向きもあるかと思うけれども、これは本当にうまいのだ。コツはトマトの形をくずしてしまわない程度に火を通すことで、そうすると全体が「トマトトマト」してしまうことなく、さわやかな酸味がついて、色目も鮮やかになる。
ナスとトマトは品種が近縁とのことで、ナスミートが定番メニューであることからも分かる通り、相性がいい。麻婆ナスも、トマトを入れるとまた一味違う、さわやかな味になるのである。
作り方は、普通に麻婆ナスを作り、最後にトマトを加えるというだけの話だ。麻婆ナスは、最後に酢を入れると思うけれど、それをトマトで置き換えるという話でもある。
麻婆ナスの「普通」の作り方にも色々あると思うけれど、甜麺醤を入れるレシピが多いだろう。甜麺醤は、入れたらうまいに違いないが、これを使うのは麻婆ナスか回鍋肉くらいしかないわけで、使い切れずに冷蔵庫の肥やしになりがちだ。
でも甜麺醤は、要は「甘辛みそ」なのだから、これはみそと砂糖を使えば済むのである。
ナスは揚げるのが普通だけれど、そうすると油の処理は面倒だし、ナスは大量の油を吸うからカロリー的にも過大になるから、炒めるようにするのがいい。
炒めても、香ばしさは多少欠けるが、問題は何もない。
まずナス2本を大きめに切り、5分くらい水に浸してアク抜きしてから、サラダ油とゴマ油それぞれ大さじ1くらいの油で炒める。
中火くらいでじっくりやり、ナスがしんなりとなりかけたあたりで火から上げる。
ナスは後から煮るのだから、ここで完全に火を通してしまわなくていいのである。
ナスは皿に取っておいて、改めてゴマ油少々をフライパンに引き、豚ひき肉150グラムくらいを強火で炒める。
ほぐしながらしっかり炒め、肉汁をきちんと飛ばした方がよく、そうでないと味がボケる。
豚肉に火が通ったら、2センチ大のショウガ、2分の1本のねぎをみじん切りしたのを入れ、さらに炒める。
豆板醤小さじ1~2を入れて炒め、酒と砂糖、みりん、みそそれぞれ大さじ1、しょうゆとオイスターソース小さじ1を入れてさらに炒める。
火はこのあいだ、一貫して強火である。
水カップ1を加え、ナスを戻す。
味を見て塩を加え、弱火で4~5分煮る。
火を強め、ナスと同じくらいの大きさに切ったトマト1個を入れ、サッと煮る。
1~2分煮て、片栗粉大さじ1弱、水大さじ2弱の水溶き片栗粉を、混ぜてトロミ加減を見ながら少しずつ入れる。
麻婆ナスは、やはりご飯にかけないといけない。好みで粉山椒をふる。
ガッツリと行けながら、さわやかな味である。
さらにここに、カレー粉を入れるとまたうまい。
これはきょうの昼に食べたのだけれど、「おいしいカレー」とすら言えそうだ。
それからきのうは、さらにあれこれ、ちょっと変わったものを作った。
キュウリの吸物。
キュウリを吸物に入れるのは、聞いたことがない人も多いと思うけれど、京都では、シーズンの終わりかけに出てくる極太のキュウリを吸物に入れたりもする。瓜や冬瓜とおなじ話で、コックリと味がしみ、冷やしてもうまい。
キュウリもこれからシーズンで、毎日のように食べるようになるだろう。生や酢の物、漬物などばかりでなく、火を通して食べるやり方を知っていると、また献立の幅も広がるわけだ。
キュウリは、煮るにはちょっと皮が硬い。全部むいてしまってもいいのだけれど、そうすると「キュウリらしさがなくなる」と思う場合は、半分だけ、「虎刈り」状態にむく。
2センチ幅くらいの輪切りにし、水で下ゆでする。
5分くらい、串がスッと通るまで十分やわらかくする。
その上で、鍋に下ゆでしたキュウリ、食べやすい大きさに切った油あげ、とろろ昆布、かつお節のミニパック1袋、水2カップを入れて、火にかける。
煮立ったら、酒と淡口しょうゆ大さじ2、みりん小さじ2を加え、弱火でコトコト5分ほど煮て、さらにそのまま冷やして味をしみさせる。
お椀によそい、おろしショウガを盛って食べる。
さらに塩もみ玉ねぎのツナマヨ。
玉ねぎの塩もみは初めてやったが、辛みがなくなり、やわらかくはなるのだが甘くはならず、大変うまい。
うす切りにし、塩で揉んで5分ほどおき、水で洗ってよく絞った玉ねぎを、ツナとマヨネーズ、塩コショウで和える。
あとはおとといの酢ダコ。
酢の物は、水気を抜いてから和えるから、翌日への持ち越しはまったくの、余裕のよっちゃんでアリである。
酒は冷や酒。
飯で飲むには、日本酒がとにかくうまい。
「酔って暴言吐くのはやめてよね。」
そうだよな。
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