「ちょっと洋風」にハマっていて、何でもちょっと洋風にしたくなる昨今。
オリーブオイルとにんにくがベースで、酒とオイスターソースでコクをつけ、あとは塩、それに粗挽きコショウで味つけするというもので、オイスターソースを使うから完全に洋風ではなく、ちょっと洋風。
オリーブオイルとオイスターソースの組み合わせは「バターしょうゆ」と似たような感じで黄金で、やさしい、まろやかな味になってウマイのだ。
冷蔵庫に買って2週間ほどたち、発酵が進んでほどよく酸っぱくなったキムチがあることを思い出し、キムチチゲを作ることにしたのだが、だからこれも、当然ちょっと洋風。
キムチチゲは通常豚肉を使うのだが、ちょっと洋風だからここはベーコン。
ブテチゲにスパムやソーセージを入れることから分かるように、韓国系のピリ辛味は洋風・豚肉加工食品とよく合うのである。
もちろんオリーブオイルも、キムチによく合う。
バターは韓国で、キムチチゲの隠し味として代表的なものの一つである。
コショウはキムチチゲが辛ラーメン的な味になってもちろん合うし、さらに加えて最後に粉チーズをかける。
ブテチゲにとろけるチーズを入れることがある通り、チーズも韓国系の味とは相性が抜群なのだ。
キムチチゲは、いいキムチを使うなら、シンプルに作ったほうがいい。
でもスーパーなどで売っている普及品を使う場合は、こうしてちょっと洋風にしてコクをつけたほうが、断然うまい。
作る場合のコツは、まずベーコンとにんにく、つづいてキムチをじっくりと炒めること。
うまみが溶け込みまくった油が、この料理では味の中核になるのである。
小鍋に、
- オリーブオイル 大さじ1
- にんにく 1かけ(みじん切り)
- 豆板醤 小さじ1
- ベーコン 80グラムとか
を入れて弱火にかけ5分ほど、ベーコンとにんにくに軽く焼き色がつくくらいまでじっくり炒める。
- キムチ 150グラムほど
を入れ、煮詰まって焦げ付かないようにフタをして、ときどき混ぜながら5分くらい、じっくり炒める(蒸し焼きにする)。
- 水 300cc
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- オイスターソース 小さじ1
- 塩 少々
を加えて味をみて、このあと豆腐が入って水が出るからちょっと塩から目に味を決めたら、
- 豆腐 200グラムとか
- メンマ 好きな量(メンマは冷蔵庫に余っていたから。タケノコとかでもおいしいし、なければべつに無理に入れなくてもいい)
を入れて5分くらいコトコト煮込む。
- ネギ 3分の1本とか(ななめ切り)
- 小松菜 1株(ざく切り)
と、これも冷蔵庫に余っていたから使ったまでで、好きな野菜を入れればいいわけなのだが、を入れ、さらに3分ほど、野菜がしんなりするまで煮たら、火を止めてテーブルに出す。
食べながら、まず粗挽きコショウ、さらに粉チーズを振りかけて、味を変化させていく。
これはタマラン……。
キムチのコクに、オリーブオイルやらオイスターソースやらチーズやらのコクが加わり、まさにめくるめく百花繚乱のコクの世界。
そのコクがたっぷりの汁が豆腐にしみ込み、これは10,227回は死ねる。
そして言うまでもなく、このちょっと洋風のキムチチゲ、50,000回は死ねるほど酒に合うわけである。
これで「飲みすぎるな」と言うのなら、僕はスクワットを124回やった方がよっぽどマシだ。
「124回スクワットして」
そうだよな。