農家のおばさんから買ったキュウリ古漬けがあったから、これを豚肉と炒め合わせた。
豚肉とキュウリ古漬けの塩炒めは、抜群の肴になるのである。
上賀茂の農家のおばさんが漬けた、キュウリの古漬けがあったのである。これを豚肉と炒め合わせたら、うまいに違いないと思い立った。
味がいかにも合いそうだ。コッテリとした豚肉に、あのひなびたぬか漬けは、ただ普通に食べ合わせてもうまいだろう。
豚肉と古漬けというと、ちょっと意外に感じるかもしれないけれど、豚肉と漬物を炒め合わせること自体は、別に珍しいことではない。豚キムチが代表だし、中華料理ではザーサイも炒め物に入れるだろう。
京都には、「贅沢煮」という、これは大根なのだけれど、やはり古漬を煮物に使う料理がある。
キュウリを炒めることも、日本ではあまりしないが中国では普通だし、瓜や冬瓜などキュウリの仲間は、日本でも煮物で火を通して料理する。
古漬けには塩があるから、きのうはそれほどでもなかったのでそのまま使ったが、塩辛い場合には切ってから水にひたし、塩抜きした方がいいだろう。一方豚肉にも、炒める前に軽く塩をして塩辛さをそろえておく方が、あとで味付けがやりやすい。
ナスを一緒に入れようかとも考えたのだが、キュウリがかなり大きかったから、今回は単品で行くことにした。
ただし油あげを、味を吸わせるために加えることにする。
味付けは、古漬けの味を活かすためにも、塩ベースがいいだろう。
ただし炒め油にはゴマ油を使い、酒もたっぷり入れ、さらにショウガとオイスターソース、砂糖を少しずつ加えてコクを出す。
フライパンにゴマ油少々を引き、一つまみの塩を振った豚コマ肉200グラムと、5ミリ厚さくらいに切り、塩抜きするならしたキュウリ古漬け、きのうのは、普通のやつなら2本分はあったと思う、それに食べやすい大きさに切った油あげ1枚を入れて、強火にかける。
キュウリも油あげも、火は大して通す必要はなく、味をしみさせることが目的だから、豚肉に火が通り過ぎないようにするためにも、初めから一緒に入れてしまってかまわないのだ。
豚肉の色が変わったら、一旦火を止め、酒大さじ2、塩小さじ2分の1くらい、オイスターソースとおろしショウガ、砂糖小さじ1ずつを入れ、改めて強火にして炒める。
1~2分炒めて汁気がなくなってきたら味を見て、塩気が足りなければ塩を加えて火を止める。
一味を振って食べる。
予想通り、豚肉のうまみを吸った古漬けは抜群の酒の肴になり、きのうはずいぶんな量だったから、少し残すつもりだったのが、けっきょく全部食べ切ってしまった。
あとはナスとトマトの赤出し。
トマトの赤出しは大変うまいのだが、きのうはナスと厚揚げと合わせた。
ナスは5ミリ厚さくらいに切り、アクを抜くため、水で1分ほど下ゆでする。
鍋にそのナスと、やはり5ミリ厚さくらいに切った厚揚げ、とろろ昆布少々、削り節のミニパック1袋、水2カップ、酒大さじ2、みりん小さじ2を入れて火にかけ、赤出し味噌大さじ2くらいを味を見ながら溶かし入れ、3~4分、ナスがやわらかくなるまで煮る。
最後に8等分のくし切りにしたトマトを入れ、ひと煮立ちさせて火を止める。
青ねぎと一味をかけて食べる。
酢ダコ。
酢ダコは、酢の物の中でも定番中の定番である。
キュウリは薄い輪切りにし、塩一つまみを振って揉み、5分くらい置いたら、水で洗って水気を拭きとる。
キュウリと、ゆでわかめ、ぶつ切りにしたゆでダコを、酢大さじ3、砂糖小さじ3、それに味を見ながら塩少々を加えて和え、器に盛ってすりゴマをかける。
わさび醤油の冷奴。
豆腐にわさびは、非常に合う。
酒は、冷や酒。
食べながら飲むのなら、やはり酒は日本酒だ。
「キュウリのおいしい季節だね。」
ほんとだな。
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