トマトの入った豚ジャガを肴にした。
豚ジャガは、煮時間は10分で肉は最後に入れるのである。
このところ、ツイッターで肉ジャガの話題を立てつづけに見たから、自分でも作りたくなったのだけれど、肉ジャガとなれば、関東人だからだろう、「豚」なのだ。豚肉はとにかく好きで、もし地球最後の日が来るとなったら、前日には豚肉をサッと塩で炒めたのが食べたい。
豚肉は、しょうゆとの相性が今一つよくない。とんかつにもしょうゆを掛けるのではあまりおいしくないから、しょうゆに代わるものとしてウスターソースが作られたと思うのだが、簡単にやろうと思えば、塩かみそで味を付けるのが一番だ。
今回の豚ジャガは、塩ベースで行くことにした。
玉ねぎは入れるとして、あと肉ジャガに入れるのは、ニンジンが定番となるだろう。でもニンジンは、どうも使い方があまり思い付かず、いつも余してしまうことになるから、できれば買いたくない。
そこで冷蔵庫にあるトマトを入れることにした。トマトが豚肉、ジャガイモとの相性がいいのは、洋風料理のことを思い出せば言うまでもなく、サッと煮て形を残したのが器に散っているのは色合いとしてもよさそうだ。
肉ジャガには、味を吸わせるものとして糸コンニャクを入れるのが普通だと思うけれど、どうも糸コンニャクにもそれほど魅力を感じない。そこで油あげを入れることにした。
青みには、インゲンを使おうかとも思ったが、これは別に使うことにして、青ねぎを振ることに決めた。
あと考えないといけないのは、煮汁の量である。肉ジャガは、少なめの煮汁で煮て、煮詰めるようにしてもうまい。
でも塩味なら、煮詰めるより、たっぷりの煮汁の方がよさそうだ。
30分ほどをかけ、構想は固まった。
あとは作るだけである。
鍋に大きめに切ったジャガイモ、きのうはサイズが小さめのを4つ使ったが、それにくし切りにした玉ねぎ1個、食べやすい大きさに切った油あげ2分の1枚と、5センチ角ほどのだし昆布、水2カップを入れて火にかける。
酒大さじ2、みりん小さじ2、おろしショウガ小さじ1を入れ、弱火で2~3分煮て、塩と淡口しょうゆ、オイスターソースをそれぞれ小さじ1ずつ入れて、さらに煮る。
ここで煮時間は重要だ。
煮汁がシャバっとしている場合、一口大に切ったジャガイモは、煮立ってからきっかり8分で火が通る。味をしみさせることを考えてちょっと長めに煮たとしても、10分が限界で、それ以上煮ると煮くずれする。
この「8分」というのはマジックナンバーで、米が炊けるのも8分だ。炭水化物がでんぷんに変化するのに必要な時間ではないかと思う。
それから肉は最後に入れるのも、非常に大きなポイントだ。
肉は色が変わってから、さらに火を通すと硬くなる。これを再びやわらかくするには、豚肉なら1~2時間、牛肉の場合は4~5時間が必要になるわけで、色が変わったらすぐに火を止めると考えるようにする。
煮立ってからの時間を計り、7分たったら、豚こま肉200グラムとくし切りにしたトマト1個分くらいを入れる。
3分たつころ、豚肉の色も変わると思うから、そうしたら火を止める。トマトは半生加減でかまわない。
青ねぎと、粗びきコショウをふって食べる
豚肉はやわらかく、ジャガイモはほっくりし、トマトの酸味も利いていて、これは豚肉好きにはたまらない味である。
あとは厚揚げととろろ昆布の吸物。
鍋にとろろ昆布と削りぶし、食べやすい大きさに切った厚揚げ、水、淡口しょうゆを入れて煮立て、弱火で5分ほど煮る。
インゲンのツナマヨ。
塩ゆでし、水で冷やしたインゲンを、ツナとマヨネーズで和えて一味をかける。
塩もみナスのからし酢醤油。
塩もみし、水洗いしてよく絞ったナスをからし酢醤油で和え、すりゴマを振る。
酒は冷や酒。
きのうもいつも通り飲み過ぎた。
「ツイッターの料理写真は楽しいね。」
そうなんだよな。
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