飲み屋は義理もあるのがいいのである。

京子 京都・大阪の飲食店

 
京都大宮「Kaju」と「京子」で酒を飲んだ。

京子

飲み屋は義理もあるのがいいのである。

 

 

フェイスブックを見ていたら、ダイニングバー「Kaju」のマスターが、

「お祝い品をありがとうございます、また気持ちを新たにして頑張ります」

という趣旨のコメントと、お祝い品の写真を投稿している。

「そうか、Kajuは周年だ・・・」

うっかり忘れていたのである。

 

Kajuは京都へ越してきて、初めに馴染みになった店だ。マスターはぼくとほぼおない年、色々相談に乗ってもらったりもし、お世話になっている。

日ごろの感謝は、新年会やら忘年会、それにこういう周年やらで示す必要があるわけで、忘れてはいけないことだ。

それで翌日早速、お祝いの品を買いに走った。

お祝い品

Kajuにはこのところ、ちょっとばかしご無沙汰もしていたから、これを持参方々、飲みに行くことにした。

 

Kajuは路地裏の目立たない場所にある。しかも分厚い木のドアで閉ざされていて、飛び込みのお客さんは、まず期待できそうにない。

Kaju

そのような店を、11年前、まだ今のようには賑わっていなかった大宮で、マスターは始めたわけである。

それは自分が創り出したい世界を、よほどはっきり思い描いていない限り、なかなかできないことだろう。マスターのその腹の座り方に、ぼくは尊敬の念を抱き、Kajuに通い出したのだ。

 

11年経ち、大宮は今、大きな賑わいを見せている。Kajuに多くの常連さんが、入れ替り立ち替り現れるのはもちろんのこと、新しい店もたくさん出来、お客さんはそこを「屋台村」のように行き来している。

マスターは、新しい店をライバル視することは決してない。自分が行ったり、お客さんを紹介したりしながら、陰に陽に応援する。

大宮の賑わいは、マスターの力によるところも小さくないのではないだろうか。

 

Kajuでは、まず水キムチを注文する。

Kaju

キムチ同様マスターの特製で、夏になると出てくるメニューだ。

 

ギョウザ。

Kaju

さっぱりと爽やかでありながら、しっかりとしたコクがある。

 

生ピーマン。

Kaju

マヨネーズと醤油、一味で食べる。

 

たこ焼き。

Kaju

だしが加えられていて、何も付けなくてもそのままでうまい。

 

飲んでいたら、知り合いの女性が現れた。

Kaju

話が弾み、酒がさらに進むのである。

 

Kajuを出て、次に酒房「京子」へ向かう。

京子

京子へも、ちょっとご無沙汰していたから、そろそろ顔を出す必要がある。

 

飲み屋はもちろん、お客さんはお金を払うわけだから、好きなところで飲めばいいのは言うまでもないことだ。しかしそれでも、人と人との付き合いだから、それなりの義理もできてくる。

特にぼくのような、ひとりで暮らす者にとっては、飲み屋の人は、「家族」にも近い存在となる。あまり顔を出さないと、「どうしたのだろう」と心配してくれることにもなる。

折々に訪れて、元気な顔を見せるのは、やはり必要なのである。

 

京子では、注文は特別せず、女将が出してくれるものを食べるようになっている。ところがこの女将が出すものが、まず外れることがない。

コースなどを決めているのではないそうだ。仕込みは色々するだろうが、基本的に、お客さんの顔を見て、それから出すものを決めるという。

女将は作るのが早く、あっという間に、あれこれのおいしいものが出されてくることになる。

 

もうKajuで食べてきたから、「少なめでいい」とお願いする。

すると出てくるのは、まず煮魚。

京子

煮魚は前日などに煮上げられ、それから時間をかけ、味がしみさせられている。

 

それからラーメンサラダ。

京子

お客が「お腹が膨れている」と見ると、女将がこういうサラダ系のものを出してくるのは、つくづく「よく分かっている」と思うところだ。

 

やがてカラオケタイムに突入する。

京子

京子ではだいたい、酒が回ってくるとカラオケだ。

 

カラオケは、若い人とかの場合だと、カラオケボックスへ行くことも多いのだろう。しかしカラオケは、飲み屋でやるのが、カラオケボックスよりはるかに楽しい。

カラオケボックスに行くとなれば、一緒に行くのは、見知った仲間ばかりだろう。それに対して飲み屋では、初めて顔を合わせるお客さんがいる。

自分が歌うのを聞いてもらったり、相手の歌に手拍子を合わせたりするうちに、それら初めてのお客さんとやり取りが生まれるのだ。

 

カウンターの反対側には、ぼくとほぼ同世代と覚しき男性客が二人いる。堅い感じと思ったら、意外にも、矢沢永吉「時間よ止まれ」を、いかにも達者に歌うのだ。

そこでぼくが、キャロル「涙のテディーボーイ」を歌うと、相手も「夏の終わり」を入れてくる。

そんなこんなでお互いに呼応しながら盛り上がり、あっという間に2時間以上が経っていた。

もう2時も過ぎたから、お開きにして帰ることにした。

 

もう一軒、行くつもりにしていた店があったが、もう時間も遅かったから、そのまま真っすぐ家に帰った。

ツイッターを見ながら水をコップに2~3杯、ガブ飲みし、布団に入った。

 

寝る前に水を飲むのは、脚がつるのを防ぐためだ。

明け方に脚がつるのは、「脱水症状」が原因だそうである。

 

「みんないい人でありがたいね。」

京子

ほんとだよ。

 

 

 

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