きのうの晩飯は、「イカと万願寺の和風ピラフ(トマト入り)」。
スルメイカと万願寺とうがらしの黄金のトリオを、トマトが入って洋風なところもあるし、中華っぽくもあるけれど、しかし「和風」なピラフに仕立てたもので、しみじみうまいのである。
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イカ飯がうまいのは知れた話で、胴にもち米を入れて炊くのが定番だし、ふつうに炊き込みご飯にしてもいい。
イカのだしが、またしみじみとした素朴な味がするわけで、それがご飯にしみたのは、いかにも日本の、「庶民の味」ではないだろうか。
きのうはこれを、万願寺とうがらし、それにトマトと合わせてピラフにした。
イカと万願寺、トマトの相性が抜群なのは、すでに検証済みである。ピラフは油で炒めるから、ただ炊き込むよりガッツリ感が増すことになる。
ここに鶏肉を加えると、「パエリア」などでよくある組み合わせとなり、さらにリッチな味わいとなるのだが、それはきのうはやめておいた。
材料をある程度しぼり、それぞれの「偏り」や「個性」を味わうことも、食事の大きな楽しみだろう。
トマトを使うのだから、これをオリーブオイルで炒め、ニンニクを入れてしまえば、あとは塩だけで味を付ければ、文句のない味になる。
でもニンニクを使ってしまうと、他の和風メニューが、全く味がしなくなるから、ぼくはいつもニンニクは使わず、和風調味料をあれこれ使いまわしてコクを付けることにしている。
酒とみりん、淡口しょうゆに加え、「オイスターソースとショウガ」を入れる。
さらにレモンの代わりに「スダチ」を絞れば、「和風ピラフの出来上がり」となるのである。
スルメイカは、捌いてあるのを買ってきても、悪くはない。
でもイカを捌くのは、サンマを捌くよりもはるかに簡単。自分でやるのがオススメだ。
それにイカを自分で捌けば、「ワタ」を使えるようになるのもいい。
イカワタは、本体と一緒に使うのも、濃厚な味になってまた大変うまい。
しかし今回は、イカを「しみじみ」味わうため、ワタは別に使うことにした。
イカは、胴と中身が、胴の内部でつながっているところがあるから、これを指を中に入れ、届くかぎり外しておく。
その上で、胴と中身を両手に持って引っ張れば、わりとすんなり抜けてくれる。
胴の中に、タテに軟骨が入っているから、それを折らないように気を付けながら引き抜く。
胴を5ミリ幅くらいの輪切りにし、和風ピラフにはこれだけ使う。
フライパンに、オリーブオイル・大さじ2くらいを入れて中火にかけ、玉ねぎ・4分の1個分、ショウガ・2センチ大くらいのみじん切りを、じっくり炒める。
2~3分炒めたら、輪切りにしたイカ、それにヘタと種を取り、食べやすい大きさに切った万願寺とうがらし(またはピーマン、パプリカなど)を、サッと炒める。
生米・1カップを加え、さらに2~3分、じっくり炒める。
- 熱湯・1カップ
- 酒・大さじ1
- みりん・大さじ1
- 淡口しょうゆ・小さじ1
- オイスターソース・小さじ1
を加え、全体を混ぜながら1~2分煮立たせたら、くし切りにしたトマトを並べる。
フタをして、弱火で25分炊く。
フタを開けると、イカのいい香りがする。
皿に盛り、たっぷりと、スダチを絞る。
洋風に作りながらも、この素朴な味は、あくまで「和風」なのである。
イカワタは、ゲソと一緒に甘辛いみそ炒めにする。
これがまた、酒もご飯も何杯でもイケてしまう代物だ。
ワタは、ワタ袋に包丁で切れ目を入れ、器に絞り出す。
ゲソは目の下のところで切り、根元にあるクチバシを外してぶつ切りにしする。
ワタに、
- みそ・大さじ1
- 砂糖・大さじ1
- 酒・大さじ1
- みりん・大さじ1
- おろしたショウガ・小さじ1
を加え、よく溶きのばし、ゲソを加える。
時間があれば、少し漬け込んでおくといい。
フライパンにゴマ油少々を引き、弱めの中火にかけて、「ゲソワタみそ」を流し込む。
焦がさないよう混ぜながら、5分くらいだと思うけれどもじっくり炒め、かなり煮詰まり、モチモチとしてきたところで火を止める。
器に盛り、青ねぎを一味をかける。
あとは、とろろ昆布の温く奴。
とろろ昆布と削りぶし、青ねぎ、淡口しょうゆを入れたお椀に、お湯で温めた豆腐をお湯ごと入れる。
キュウリのツナラー和え。
キュウリはすりこ木でたたき、指でちぎって、一つまみの塩で揉み、5分ほど置いたら水洗いして水気を拭きとる。
ツナとラー油、味ぽん酢で和える。
酒は熱燗。
いよいよ寒くなってきて、熱燗がほんとにうまい。
ちなみに猫だが、ぼくはおとといまで、「縄張りを荒らされて、デカイのが、ちびニャンを威嚇している」と思っていた。
しかしどうやら、それは逆だったようだ。
きのうも午前中、ちびニャンがエサを食べに来た。
ちびニャンは、育ち盛りで腹を減らしているようだ。ガツガツとすごい勢いで、かなりの量を食べる。
ところが例のごとく、ちびニャンが食べていると、背後にデカイのが現れた。
といってデカイのは、ちびニャンが食べるのを止めるわけでもなく、塀の上にじっと座り、食べるのを見つめている。
食べ終わったちびニャン、後ろにデカイのがいることに気が付いた。
距離はずいぶん離れているから、逃げようと思うのなら、余裕で逃げられるはずである。
ところがちびニャン、わざわざ、デカイのの近くへ行くのである。
ここでしばらく、両者にらみ合いの格好となる。
さらにちびニャン、そこから場所を移動して、塀の上に上がっていく。
デカイのの、上に出るわけである。
ここでちびニャンは、「ミーアーーオウ、ミーアーーオウ」と、サカリのついた猫のような鳴き声をだす。
この声は、おとといまでは、デカイのが出していると思っていたのだけれども、出していたのはちびニャンだった。
要は、あとから登場したちびニャンが、縄張りを主張して、前からいたデカイのを挑発しているわけである。
デカイのは、「それに応じている」という位置付けらしい。
ちびニャンの挑発に応じて、デカイのも上にあがる。
ちびニャンがまずは塀の向こうに飛び降り、次にデカイのも後につづく。
そのあと「ギャッ!」という声がしたから、戦いになったのだろう。
でも体の大きさも全くちがうし、どう見てもちびニャンに、勝ち目はなさそうだ。
夜も、同じことが繰り返された。
あったエサをすべて食べ切り、さらにお代わりをせがむちびニャン。
しかし食べ終わってみると、また後ろにデカイのがいた。
今度は塀の向こうではなく、家の横で戦いになったのだが、デカイのは、ちびニャンの相手はするが、手は出さないようだ。
だいぶ長いこと睨み合っていたけれど、勝負は付かず、やがて二匹は離れていった。
たぶんデカイのは、ちびニャンに、好きなだけ食べさせているのではないかと思う。
それが証拠に、ちびニャンが来るようになってから、デカイのが食べる量が、減っている。
さらに今朝は、エサの前まで来たのが、食べずに立ち去ろうとした。
ぼくが皿を手に取り、前に出して勧めたらようやく食べたが、それも少し食べて行ってしまった。
猫は猫なりに、他の猫のことを考えているのだろうか。
エサはいくらだってあるのだから、デカイのが遠慮する必要もないのだけれど、、、
「もしかしたら親子なのかも?」
そうかもな。
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