きのうは、イカのわた味噌バター焼。
これが、思わず涙ぐむほどウマイのだ。
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「スルメイカ」がお助け食材の一つであるのはまちがいなく、何しろ一パイ200円ほど、それで一人分なら十分お腹が一杯になり、しかもまた、酒によく合う。
スルメイカの酒への合い方といったら尋常ではないわけで、それは酒のつまみの代表選手が「スルメ」であることによっても証明済みだ。
料理法も、じつに多彩。
新鮮なやつならお造りももちろんいけるし、煮ても焼いても炒めても、「だし」があまり出ない欠点はあるものの、しみじみとおいしく食べられる。
イカを料理する場合、「わた」をどう扱うかが大きなポイントだ。
新鮮なイカをまるごと買えば、わたはもちろん食べられる。
きのうも、魚屋で買った立派なイカを前にして、どう料理しようか考えた。
イカの身があんなにサッパリしているのに、わたは「凶悪」ともいえるコクがあるから、身はあっさり、わたはこってり、別々に料理するのも一つとなる。
でもきのうは、身とわたを一緒に料理することにした。
もとは、檀一雄『檀流クッキング』に載っている、「イカのスペイン風」。
わたごとぶつ切りにしたイカを、オリーブオイルとニンニク、鷹の爪、それにバターで炒めたもので、これをお世話になっているバー「スピナーズ」のマスターに食べさせたら、
「オレが今まで食べたすべてのものの中で、これが一番うまいかも」
と言わしめたほど、うまい。
ただ、残念ながら、ニンニクを使うのだ。
ニンニクを使った料理を和食の献立にいれてしまうと、他のおかずの微妙な味が、完全にふき飛んでしまう。
そこで味噌をつかい、和風にアレンジしたものが、この「イカのわた味噌バター焼」なのである。
甘辛い味噌バターのこってりとした味が、イカのわたに、またよく合う。
それからこれは、うどんを添えるのがポイントで、
「うどんは、この料理のために作られたのではないか」
と思うくらい、うまいのだ。
スルメイカは、できるだけ新鮮なものを使う必要がある。
スーパーでも、その日に市場から仕入れたものなら問題なく、確かめるには、
「塩辛にできますか?」
と、鮮魚担当者に聞くのがまちがいない。
はじめに、調味料を合わせておく。
- 赤だし味噌(八丁味噌) 大さじ3
- 砂糖 大さじ3
- 酒 大さじ3
- おろしたショウガ 2~3センチ大
それからイカをさっと洗って水気をふき取り、胴の内側にタテに入っている軟骨をぬく。
軟骨は折れやすいから、真横に引っぱるようにする。
足の根元にあるクチバシも取る。
あとはわたごと、ハシからぶつ切り。
ぶつ切りにしたイカは、調味料の器にいれて、よく混ぜる。
10分でも30分でも、時間のかぎり、漬け込むようにすれば、味がしみてなおさらうまい。
フライパンに、サラダ油少々と、鷹の爪、それにバターをいれ、強火にかける。
フライパンが熱くなり、バターがすべて溶けたくらいのところで、漬け込んだイカをいれて炒める。
炒め時間は1分ほど。
イカは火を通しすぎると硬くなるから、あくまでサッと炒めるのが肝心だ。
斜め切りにしたネギと、ほぐしたシメジでも加え、さらにサッと炒めて火を止める。
ゆがいてよく湯切りしたうどんの上に盛る。
思わず、涙ぐみそうになるウマさである。
ジャージャー麺のように、うどんとよく混ぜて食べるのがおすすめだ。
あとは、とろろ昆布のぬく奴。
とろろ昆布と削りぶし、ネギをいれたお椀に、温めた豆腐をお湯ごといれ、淡口しょうゆで味付する。
もやしの酢の物。
サッとゆでて水に取り、よく絞ったもやしと、わかめ、竹輪、ちりめんじゃこを合わせ、
- 砂糖 小さじ3
- 酢 大さじ3
- 塩 少々
で和える。
それに、すぐき。
酒は、熱燗。
きのうも、
「うめーなー、うめーなー」
と、何度もつぶやきながら、めしを食った。
うまいものを食べるのは、つくづく幸せだ。
「お気楽な人生だね。」
ほんとにな。
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