マーボー万願寺で酒を飲んだ。
万願寺とうがらしは、マーボー味でクッタリと煮ると、またうまいのである。
新サンマが出回りだし、いよいよ秋が到来したわけで、これから連打に次ぐ連打の魚攻撃に立ち向かうに際し、やはり夏野菜に別れを告げておかないといけない。
今はナスにしてもキュウリやトマトにしても、1年中手に入るけれど、夏の、ビニールハウスでなく、露地で育ったナスやキュウリは、瑞々しく、アクなどもなく、他の季節のものとは全くちがうのである。
万願寺とうがらしも夏野菜の一つで、今年もあれこれ、よく食べた。
肉厚だから、シャッキリと歯応えを残して炒めるのもうまいのだが、
やはり万願寺の真骨頂は、焼いたり煮たりして、やわらかくなったのを食べるところにある。
皮がしっかりしているから、万願寺はクッタリさせてもヘタってしまわず、むっちりとした食べ応えが残る。これを苦味とともに味わうのが、何とも言えないわけである。
万願寺は、京都ではちりめんじゃこや削りぶしと、しょうゆ味で煮るのが普通だ。それももちろんうまいのだが、それだとメイン料理になりにくい。
そこで豚ひき肉とマーボー味で、厚揚げと一緒に煮込むことにした。
万願寺は、辛くなくても「とうがらし」なのだから、唐辛子のピリ辛味はとてもよく合う。
マーボーは、もちろん普通はニンニクを入れるけれど、ぼくは家では、ニンニクは使わないことにしているので、その分、ショウガをたっぷり利かせる。
調味料はオイスターソースがベースで、隠し味としてみそを使い、わりとあっさり目の味付とした。
まずはサラダ油少々を引いたフライパンを中火にかけ、ヘタを落とし、食べやすい大きさに切った万願寺とうがらしを炒める。
火が通りやすくするためで、1~2分して、軽く焦げ目が付いたところで皿に取り出しておく。
改めて、フライパンにゴマ油少々を引き、大さじ1くらいのショウガみじん切り、大さじ2~3くらいの、たっぷりの刻んだネギ、豆板醤小さじ2、それに豚ひき肉150グラムを入れ、中火にかける。
ヘラでひき肉をほぐしながら、4~5分くらいか、肉から出る水分が「ジュージュー」という音が、あまりしなくなるまでじっくり炒める。
水を1と2分の1カップ、酒とオイスターソースを大さじ1ずつ、みそと砂糖を小さじ1ずつ入れ、取り出しておいた万願寺とうがらしと、食べやすい大きさに切った厚揚げを入れる。
弱火にし、落としブタをして15分くらい煮る。
強火にし、片栗粉と水大さじ1と2分の1ずつの水溶き片栗粉を、混ぜながら少しずつ加える。
全体を混ぜ、しっかりトロミが付いたら火を止める。
味がしみた、万願寺とうがらしと厚揚げは、やはり夏の味である。
ただしこれは、どちらかといえば厚揚げが主役に見えてしまい、万願寺の存在感が正面に出てこないのが、欠点といえば欠点だ。
あとは、ナスのじゃこ炒め。
じゃこ炒めも、ナスの食べ方の代表の一つと言える。
ゴマ油とちりめんじゃこを入れたフライパンを中火にかけ、1センチ幅くらいに切ったナスと、きのうはしめじを、2~3分炒める。
しょうゆ大さじ1を鍋肌からまわし入れ、味付けし、一味を振る。
それにとろろ昆布の吸物。
わさび醤油の冷奴。
酒は、焼酎水割り。
きのうも寝たのが3時になってしまったのだが、ダラダラ飲むのが好きだから、仕方がないのである。
「仕事もちゃんとしないとね。」
そうだよな。
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