きのうは、鶏肉とナスのトマト煮丼。トマト煮は、ゴマ油とオイスターソースを使い、和風に作るべきなのだ。
おれは、調味料にこだわる奴が嫌いなのだ。
いやもちろん、あまり安いのを使ってしまうのは、さすがにダメだ。しかし中の上くらいのを使っておけば、飲食店などならともかく、家で食べる分には不足はない。
さらに、どこかの国の料理を作るのに、いちいち調味料を買い揃える奴。
いや何を隠そう、実はこれは、おれもやったことがある。レシピに書いてある調味料を料理を作るたびに買い、中国、韓国、地中海、、、一時は山のような調味料を抱えていた。
でもそうして買った調味料を、使いきった試しはない。
冷蔵庫や戸棚の肥やしになり、あるとき全部捨ててしまってからは、調味料はできる限り買わないことにした。
本場の味は、本場の調味料を使わなければ出せないのは、その通り。でも世界の料理を、イチイチ本場の味にしなければいけない理由はないだろう。
どの国の料理でも、大もとと枝葉末節との両面がある。大もとさえ抑えれば、調味料など枝葉末節はどうでもいいのだ。
なので今は、外国の料理は基本的に和風に置き換えることにしている。
本場の味が食べたければ、現地なり、飲食店なりに行けばよく、まったく問題はないのである。
トマトソースも同じである。
トマトソースを本場のやり方で作るには、まずオリーブオイルとにんにく、それからローリエやオレガノなどのハーブ、チリペッパー、それにパセリなどが必要だ。
オリーブオイルとにんにく(おれはにんにくも使わないのだが)は仕方がないとして、あとの調味料は買ってもまず使い切れない。そこでこれらを、和風の調味料で置き換えようということになる。
ところがこれが、意外に難しいのである。
パセリは青ねぎ、チリペッパーは豆板醤(おれはこれを「和風」にカウントしている)で問題がないとして、ローリエとオレガノやタイムなどのハーブは、ただ省いてしまうと、トマトのエグみが出てしまう。
それでは醤油やみそなどを使えばいのかといえば、それもダメなのだ。トマトソースに醤油やみそを使うレシピも時折見かけるが、おれはこれを徹底的に試した結果、「合わない」と結論した。
煮込んだトマトと醤油やみそは、どういうわけか知らないが、ケンカしたようになってしまって味が一つにならないのだ。
そして、数年におよぶ試行錯誤のすえ、見つけたのが、
「ゴマ油とオイスターソース」。
(これらもおれは「和風」にカウントしている)
この2つを使うことで、ハーブ類を使わずして、トマトのエグミは抑えられる。実にまろやかな味になるのである。
きのうはそうして作った、鶏肉とナスのトマト煮。
これはご飯にとてもよく合うから、ガッツリとどんぶりにするのがオススメだ。
ナスは別に炒めておいて、後から合わせてもおいしいが、きのうは一緒に炒め、そのまま煮込むようにした。ホロホロにやわらかくなったナスも、またうまいものである。
それからチキントマト煮は、ほんとはソーセージを入れるとうまいのだ。
きのう入れようと思っていたのに、泥酔していたため忘れたが、レシピには加えておいた。
フライパンに、
- オリーブオイル 大さじ2
- ゴマ油 大さじ1
- みじん切りの玉ねぎ 4分の1個分
- みじん切りのショウガ 1~2センチ大(これは「みじん切りのニンニク 1かけ」でもいい)
- 豆板醤 小さじ1
- 両面にそれぞれ塩・小さじ2分の1、コショウ・少々を振り、食べやすい大きさに切った鶏もも肉 1枚
- 食べやすい大きさに切ったウインナーソーセージ 3本
を、鶏肉は皮を下にして入れ、強めの弱火にかける。
鶏肉はひっくり返さず皮だけを、じっくりと5分ほど炒める。
1センチ厚さくらいに切ったナス・2本を加え、さらに2~3分、ナスが脂となじむまで炒める。
ナスの皮は、たて縞に剥いておくと、味がしみやすい。
- カットトマト 1缶(400グラム)
- 水 1カップ
- オイスターソース 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1
を加え、やはり強めの弱火くらいの火加減で20~30分、ナスがやわらかくなるまで煮る。
(加えた1カップの水を、煮終わった時点でちょうど煮詰めるよう、ナスの硬さを見ながら火加減を調節する)
最後に味をみて、必要なら塩を加え、コショウ・少々をふる。
ご飯を盛ったどんぶりによそい、青ねぎとひねり潰したゴマをかける。
これは、ウマイ、、
ナスと鶏肉、それにトマトが黄金の相性なのは、言わずと知れた話である。
添えるのは、やはりトマトとの相性がよいキムチが合う。
あとは、うす味のみそ汁。
信州みそなど普通のみそを使う場合、みそと淡口醤油を半々にすると、みそ臭さがなくなりスッキリとした味になる。
2カップ半の水に、頭とワタを取りのぞいた煮干し・1つまみと、好きな具を入れて煮る。
(きのうは油あげと玉ねぎを煮て、でき上がる寸前に、板ずりしてサッとゆでたオクラと、タテのうす切りにしたみょうがを加えた)
- 酒 大さじ2
- みそ 大さじ1強
- 淡口醤油 大さじ1
- 塩 少々
で味つけする。
酒は、冷やした日本酒。
きのうは、料理を作り始める時点で、ほぼ泥酔状態だった。料理を作ればさらに飲むから、食べ始めるころには完全にベロベロ。
それでも料理が作れるのは、料理が本能ととても近いところにあるからだろう。仕事だったら、こんなに酔ったらとてもできない。
食べればまた飲むわけで、食べ終わった頃には記憶がほぼなくなるわけだが、家で飲めば帰る必要もなく、そのまま寝ればいいのだから、それでいいのだ。
「彼女は永遠にできないね。」
そうだよな。
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