きのうは、鶏すき。
肝もいれると、ウマイっすよ!
確定申告の準備をはじめているのである。
ふつう、確定申告ができるのは2月15日からなのだが、ぼくの場合は還付金をうけとることが目的で、その場合はもう申告できる。
確定申告をするためには、収入と支出をすべて仕分けし、計算しないといけない。
収入は、すべて銀行振込だから、その履歴をダウンロードしてしまえば、エクセルでちょいちょいと、すぐに計算できるのだが、支出はそういうわけにはいかない。
ため込んで、一度も整理していない領収書をすべて仕分けし、ホッチキスでとめて、金額をいちいち一つずつ、電卓で計算していかなくてはならないわけだ。
山のような領収書を前にしばし呆然とするも、気をとり直して作業にとりかかる。
領収書は、内容はもちろんのこと、大きさも色々あるから、仕分けは複雑。とくに財布に入れるのに二つ折りにした大判の領収書は、いちいち開いていかなくてはならず、それだけで莫大な時間がかかる。
数時間の作業の末、なんとか1年分の領収書の仕分けはおわった。
しかしこれから、すべての金額を電卓でたたかないといけないとおもうと、気は、月ほど遠くなるわけである。
作業がおわったのは、8時半。近所のスーパー「西友」は、9時までだ。
まだ晩飯をどうするか、なにも考えていなかった。
一瞬、
「外食してしまおうか、、、」
気弱な考えも、頭にうかぶ。
しかし飯は、へたに外食するよりは、自分でつくった方がうまい。
食べたい、その通りのものを、好みの味付でつくることができるのだから、それは知れた話だろう。
神の助けか、数分の検討の末、食べるものはあっさり決まった。
「鶏すきにしよう、、、」
鶏すきは、酒房「京子」でときどき食べる。「京都名物」ではないだろうとおもうけれど、京子さんは好きなようだ。
この冬も、何度か「つくろうか」とおもったころもあったのだが、あまりに寒くて、汁が飲めない鶏すきは、家では食べる気がしなかった。
しかしこの頃、たしょうは寒さにも慣れ、また日も少しずつ長くなってきて、春の気配を感じられるようになってきたから、ようやく食べる気になったのである。
京子では、一度、肝まで入った鶏すきが出てきたことがあり、これがたいへんうまかった。
京子で出てきた、卵まで入った上等な肝はむりとしても、心臓とレバーだけなら、スーパーでも手に入るだろう。
いれる具は、鶏のほかには焼き豆腐、白菜、しめじ、しらたき、青ねぎ。
青ねぎは、2分の1把のこっていたから十分かとおもったが、おもったよりペシャっとしたから、1把全部いれてもいいとおもった。
買い物から帰ってきて、つくりはじめるにあたり、まず酒をのむ。
これが非常にいいのであって、酒は、飯づくりをたのしくしてくれるのである。
しかしこれまで、飯づくりの最中の酒の肴は、前日のあまりものやら、だし殻にぽん酢と一味をかけたものやら、あとは味見と称するつまみぐいやら、ハンパなものばかりだった。
考えてみたら、ここで飯づくりの酒専用の肴を、つくってもよかったのだ。
そこできのうは、まず飯づくりの冒頭に、救出しなければいけなかったほうれん草をつかい、ポパイ炒めをつくった。
オリーブオイルに塩をふり、ほうれん草をさっと炒めて、火が通ったころに真ん中をあけ、卵を割り落とす。
フタをしめ、弱火で2~3分蒸して、白身が固まってきたあたりで皿にとりだす。
これで一段と、飯づくりがたのしくなった。
さて鶏すきにとりかかるわけだが、最初に肝の下処理をする。
肝は、このように左の心臓、右のレバーがくっついて売られているはずだ。これを切り離し、レバーは食べやすい大きさに切る。
心臓は、ついている脂肪を包丁でこそげとり、タテ半分に割る。
それから、水洗い。
肝には血の塊がつまっていて、これが臭みのもとになる。
血の塊は、手で押し出すようにすれば、すぐとれる。
ひと通りとりのぞいたら、さらに10分くらいでも、水にさらしておくようにする。
肝は水にさらしたままにし、つづいて食べやすい大きさに切った鶏もも肉を、弱火で焼く。
炒めるのは、火を通すためではなく、皮をパリッとさせるのと、皮の脂をだしてコクをつけるためだから、焼くのは皮目だけでいい。
テフロンなら、サラダ油少々をひくだけでいいけれど、ふつうの鍋の場合なら、小さく切ったねぎをまず焼き、そこに鶏肉をいれるようにするのがいい。
そうすればくっつかないし、ねぎの風味が油につくことにもなる。
5分くらい焼いたところで、酒をドボドボ、2分の1~1カップくらい、それに砂糖大さじ3をいれ、水を切った肝もくわえて1分くらい煮る。
さらにしょうゆ・大さじ3をくわえたら、焼き豆腐、白菜、しらたきをいれ、5分くらい、白菜がやらかくなるまで煮る。
最後にしめじと、ななめに切った青ねぎをいれ、サッと煮て火をよわめる。
溶き卵をいれた器によそい、七味をふる。
いやこれは、ウマかった。
水をまったく使わずに、酒だけだから、うまいのは決まっている。
それにやっぱり、肝をいれたのがよかった。
肝のほろ苦さで、味の奥行きが一気にひろがり、またそこに甘辛い味と鶏のうまみが、コックリとしみているのは、たまらない。
酒は、熱燗。
もちろんこれで、体は十分あたたまる。
さらに「レバーとねぎ」は、疲労回復効果も高いのだ。
今朝は体がポカポカとして、しゃっきりと目がさめた。
「申告もガンバって。」
そうだよな。
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