きのうは、お腹にやさしいうどんすき。
「だし」をきかすとうまいんすよ、これがまた。
昼飯に、とんこつラーメンを食ったのだ。
スープは、臭みがでる寸前の極限まで、たぶんかなりの時間をかけ、煮出したもので、広島にいたころは、この手のラーメンはよく食べた。
なつかしさもあり、大変満足したのだけれど、食べたあと、腹がもたれた。
以前はラーメンを食べ、腹がもたれることなどなかったから、それだけ「年をとった」ということだろう。
食後の昼寝からさめても、腹はまだもたれている。おかげで仕事をする気にならなかったが、それはなんとか、頑張った。
仕事を終えた9時になり、ようやくもたれが治ってきた。すると食欲も、わいてくる。
「なにかお腹にやさしいものが食べたい、、、」
そうおもった瞬間、脳裏にうかんだのは「うどんすき」。
「お腹にやさしいもの」といえば、たしかにうどんすきに違いない。
うどんすきは、酒房「京子」でときどき食べる。
だしのきいた、ほっこりと癒やされる味。
頭にうかんだのは、これである。
さっそく白菜、それにきのうは鶏肉を買ってかえった。
うどんすきは、味はうす味、具も白菜などだから、味にメリハリがなくなりがちだ。
やはり「だし」を、しっかりきかすのがポイントとなる。
だしを取ってしまえば、あとは味をつけて、具を煮るだけ。
やることはないのだから、だしに時間をかけるくらいは、何のことはないのである。
おいしいだしを取るには、まず「昆布をしっかり煮出す」ことが大切。
ここでちゃんと時間をかけると、味が、おどろくほど変わる。
鍋に5カップの水と、10センチくらいの昆布をいれて火にかけ、沸いてきたら、煮立たないくらいの弱火にする。
友人は、
「京都の料理屋で『2~3時間かけてもいい』ときいた」
そうだが、さすがにそこまでは無理としても、20分くらいはかける。
酒をチビチビのみながら、昆布の風味が香りたってくるのを待つ。
こういう静かな時をすごすのも、料理の大きなたのしみだ。
昆布のだしが取れたら、削りぶしをいれる。
削りぶしの量は、1カップの水にたいして「ミニパック2袋分」、5グラムくらいが標準だ。
しかしこれも、多めであるのに越したことはない。
煮立てないよう5分ほど煮出して、削りぶしは絞ってとりだし、昆布はそのままいれておく。
4カップほどのだしが取れることになるのだが、ここに、
- 酒 大さじ4
- みりん 大さじ2
- 淡口しょうゆ 大さじ4
で味をつける。
これは「うどんだし」の味付で、みりんを「大さじ4」にすれば、「おでんだし」になる。
あとは、好きな具とうどんをコトコト煮るだけ。
きのうは鶏もも肉と、豆腐にしめじ、白菜、白ねぎ。
器によそい、一味をかける。
昆布と削りぶしの強めのだしに、鶏のうま味もくわわって、これはもう、「たまらない」わけですよ。
酒は、熱燗。
熱燗も、お腹にやさしいのは知れた話だ。
先日、「ちびニャン」がやってきた。
するとあとから、「黒いの」もあらわれた。
ちびニャンは、ほかのネコがいると、すぐにうなり声をあげて威嚇する。
どうなることかと、固唾をのんで見守った。
黒いのは、ちびニャンの横に、まわり込む。
ちょっと離れた場所にすわるが、ちびニャンは、なぜか気にせず、そのままエサを食べている。
じっとすわり、ちびニャンが食べおわるのを待つ、黒いの。
ちびニャンが食べおわったら、今度は黒いのが食べるのかとおもったら、、、
ちびニャンが立ち去るのを追いかけて、黒いのも、エサを食べずに出ていった。
二人は「なかよし」だったらしい。
「つき合っているのかな?」
そうかもな。
◎関連記事
おでんにうどんを入れると強烈な幸せに見舞われるのである(鶏と大根の一人おどん)
死を怖れるとロクなことはないのである(豚肉と厚揚げのおどん)