きのうは、鶏肉の洋風炊き込みご飯。炊き込みご飯は、「洋風」を覚えるべき。
おれは炊き込みご飯好きなのだ。
まず何より「うまい」ことがある。
魚や肉に火を通すことによって出るうま味は、それを吸わせる相手を作ることが、料理の一つのポイントとなる。肉じゃがも、じゃがいもに肉のうま味を吸わせるわけだし、豆腐や焼麩を煮物に入れるのおなじこと。
この味を吸わせる相手として、実はご飯は「最適」といえるのだ。
ご飯は日本人の主食になっているくらいなわけで、日本人にとっては最高のうまみと甘みがある。ここに魚や肉のうまみがしみ込んだのが「たまらない」のは、誰でも同意するだろう。
しかも炊き込みご飯は、ご飯にただ汁をぶっかけたのとは違う。煮汁の量を適度に調整することにより、ほんわりと乾いた状態に仕上げるわけだ。
これがうまくなければ、他にうまいものなどないのである。
さらに炊き込みご飯は、「酒に合う」のだ。これは寿司とおなじ話で、そのままでは酒に合わない白飯が、味を入れることで最高の酒の肴になる。
おまけに作るのも、基本的に具を全部たたき込み、火をつけて止めるだけ。簡単にできるうえ、土鍋で作ってそのまま食卓に出せば、見栄えもいい。
このように炊き込みご飯は、いいこと尽くし。
自炊で多投してしまうのも、やむを得ない話である。
炊き込みご飯は、バリエーションは非常に広い。
まず魚介類なら、鯛やハモ、牡蠣、あさり、タコ、イカ、それにサバやさんまに至るまで、すべて合う。
肉なら、鶏肉。
鶏肉と魚介を組み合わせてもいいわけだし、合わせる野菜もあれこれ変えられるわけだから、「無限のバリエーション」といえるだろう。
そして、ここに「洋風」を加えると、炊き込みご飯のバリエーションはさらに広がるわけである。
「洋風」とは、一言でいえば生米を油で炒めてから炊くことで、パエリアやピラフなどがそれに当たる。
油を使うことにより、肉や魚介、香味野菜のうまみが、ただ和風に炊くだけとは、また違った形で米に入る。
使う野菜も洋風のものを使えるし、炊き込みご飯のバリエーションは、一挙に倍になるといっても言い過ぎではない。
しかもこの洋風炊き込みご飯、作るのも簡単なのだ。
むしろ、生米を給水させず、直接炒めてしまうから、調理時間は短縮されるといってもいい。
具だくさんにして彩り鮮やかに仕上げれば、それ一品で、十分満足できる一食にもなる。
自炊するには、洋風炊き込みご飯はぜひ覚えるべきなのだ。
洋風炊き込みご飯を作るには、ポイントは2つ。
まず水分の量は、和風の炊き込みご飯の場合は米の1.2倍が基本のところ、洋風の場合は「1.4倍」。油で炒められた米が、水を吸うのに時間がかかるからである。
言うまでもなく炊き時間も長くなり、和風の場合は弱火で10分炊き、10分蒸らすのが基本だが、洋風の場合は「弱火で25分」炊くと、少し芯が残った、丁度よいアルデンテの状態になる。(蒸らしはいらない)
鍋やレンジの火の強さがそれぞれの家で違うから、レシピ通りにやっても、初めはうまくいかない場合もあるかもしれない。
でも2~3回、水加減や火加減を変えながら試してみれば、あとは失敗しなくなるはずだと思う。
洋風炊き込みご飯を一人分作るには、20センチの小さめのフライパンを使うのがやりやすい。
オリーブオイル・大さじ2を引き、
- みじん切りの玉ねぎ 4分の1個
- みじん切りのショウガ 1~2センチ大(これは、みじん切りのニンニク・1かけでもいい)
- 表と裏に小さじ2分の1ずつの塩をすり込み、食べやすい大きさに切った鶏もも肉 1枚
を、鶏肉は皮を下にして入れる。
やや強い目くらいの弱火にかけ、5分ほど、鶏肉は皮を下にしたままじっくり炒める。(鶏皮の脂を出すため)
洗っていない生米・4分の3カップ(150cc)を加え、米が油をしっかり吸うまで、さらに2~3分炒める。
- お湯 1カップ(洋風の場合は水ではなく、お湯を入れる)
- 酒 小さじ1
- みりん 小さじ1
- 淡口醤油 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1
を加えて中火にし、フタはせず、フライパンを揺すりながら、1~2分煮立てる。(混ぜると粘り気が出るので注意)
プチトマトとヘタを取ったししとうを散らし、フタをして、弱火で25分炊く。
炊き上がったらフタを開け、青ねぎを散らして、レモン汁(ポッカレモン100)と粗挽きコショウをかけて食べる。
「これは、うまい、、」
コッテリとした鶏のうま味に、トマトの酸味がまた、たまらない。
あとは、ツナ缶のみそ汁。
ツナ缶は、みそ汁のだしとして、とてもいいのだ。ただ入れるだけだから簡単だし、油漬けのやつを使うと、コッテリとするのもいい。
みそは、きのうは八丁・赤出しみそを使ったが、普通のみそでも問題はまったくない。
鍋に水・2カップとツナ缶を入れて火にかけ、煮立ってきたら、好きな具材を適当に煮る。(きのうはじゃがいもとシメジ)
最後にみそを溶き入れて、きのうは生卵を割り落とした。
ナスの塩もみ。
ナスは、いまが一番おいしい季節だ。
3ミリ厚さくらいに切ったナスを、塩1つまみで揉み、5分ほど置いたら水洗いし、よく絞る。
ちりめんじゃこ・少々と、うす切りにしたみょうが、味ポン酢・少々で和え、ひねり潰したゴマを振る。
酒は、冷や酒。
酒は、「一人で飲むのは寂しい」と思う人もいるかもしれない。でもそれは間違いで、肴を自分で作りさえすれば、最高にうまい酒を、誰に気兼ねすることもなく飲めるのだ。
でもおかげで、どうしても飲み過ぎることになるわけだが、一人だと、止める人もいないから、それは仕方がないのである。
「単に意思が弱いんでしょ。」
そうだよな。
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