きのうはあさりご飯と豚汁、キムチ。土井善晴の「一汁一菜」は、特に一人暮らしの人は、試してみるべき。
このところ、献立は土井善晴提唱の「一汁一菜」がつづいている。何しろラク。
これまで何となく、「日本人としては皿数が多くないと寂しいかな」と思って、一汁三菜、ご飯を入れれば5品を作っていたのだけれど、品数が減れば、その分もちろん、調理時間は短縮する。
それにご飯以外に4品を作るとなると、やはり頭が混乱する。特におれの場合は酒を飲みながら料理するから、酔っ払うと、何をどういう順番でやったらいいか分からなくなりがちだ。
一汁一菜なら、そのようなこともない。
それで食卓が寂しいかといえば、全くそんなことはない。
むしろ一品一品にきちんと手をかけられるから、食卓が充実するのである。
一汁一菜は、「主菜を作らない」という考え方だ。主菜があると、どうしても副菜を考えたくなり、さらにお新香は必要だから、どうしても一汁三菜になってしまう。
しかもそうして主菜・副菜を作ってしまうと、それで手一杯になり、ご飯はただの白ご飯、みそ汁も適当なあり合わせになったりする。
それならば、主菜・副菜はやめてしまい、ご飯とみそ汁、それにお新香そのものを充実させたらどうか、というのが、一汁一菜の考え方。ご飯とみそ汁はどうせ作るわけだから、それはとても正しいと思える。
それでいて、かなりのバラエティーが作れるのだ。
まずご飯は、炊き込みご飯やチャーハンにする手がある。そうすれば、ほとんど主菜と変わらない、立派なものにすることもできる。
またみそ汁も、具だくさんにする。みそ汁の延長には「鍋物」もあるわけで、そうすればこれも、完全に主菜と同等だし、お新香は、和物やサラダにしてもいい。
といって、毎日すべてを充実させることもない。
どれか1つ、または2つにポイントを絞るようにすれば、献立自体のバラエティーも広がる。
特に一人暮らしは、「品数が少ない」と誰かに文句を言われる心配もないわけだから、一汁一菜は打ってつけ。
ぜひ試してみるべきである。
きのうはスーパーで、まずあさりを食べることに決め、炊き込みご飯にすることにした。あさりご飯はあさりの食べ方として、「最もおいしいものの一つ」といえる。
ただしそれだけだと、スタミナ的にちょっと足りない。
それで、ネギをたっぷりと入れた豚汁を添えることにした。
ちなみにあさりご飯は、土鍋で炊くのがおすすめだ。
炊飯器よりおいしく出来る上、そのまま食卓に出せるから、見栄えがいい。
あさりご飯は、まずあさり200グラムくらいを、1カップの水に小さじ1の塩を溶かし込んだところに30分~1時間ほどひたし、砂抜きする。
ただしスーパーなどで売っているあさりは、すでに砂抜きされているから、これは「念のため」というくらいの話だ。
むしろあさりは、よく洗うことが大切。
水を4~5回替えながら、両手で擦り合わせるようにして洗い、殻の表面についた汚れを落とす。
土鍋に、
- だし昆布 5センチ大くらい
- 研いでザルに15分くらい上げておいた米 1カップ
- ショウガの細切り 2センチ大くらい
- 砂出しして洗ったあさり
を入れ、水をいれるのだけれど、あさりからけっこうな量の水が出るから、その分を減らしておく必要がある。
そこで水の量は、「1カップ-大さじ1」。
さらに、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ1
を加える。
土鍋にフタをして中火にかけ、湯気が勢いよく吹き出してきたら弱火にして10分炊き、火を止めて10分蒸らす。
豚汁は、鍋にゴマ油・大さじ2と、細切りのショウガ・1センチ大を入れ、食べやすい大きさに切った豚こま肉・100グラムを、じっくりと弱火で炒める。
弱火でやれば、豚肉は鍋にくっつかないし、硬くなることもない。
豚肉に火が通ったら、水・2+2分の1カップを入れて中火にし、煮立ったら弱火にして、これもできるだけ煮立たせないようにしながら10分煮て、だしを取る。
酒・大さじ2、みりん・小さじ2を加え、味を見ながら八丁赤だし味噌・たぶん大さじ3~4くらいを溶き入れて、食べやすい大きさに手でちぎった木綿豆腐・2分の1丁を入れて、弱火で5分くらい煮る。
豆腐は、手でちぎると味がしみやすい。
ほぐしたシメジ・2分の1袋と、ざく切りにしたたっぷりのネギを加え、サッと煮て火を止める。
あさりご飯は、たっぷりのネギとひねり潰したゴマを振る。
豚汁には、一味。
それに、キムチ。
「これは、うまい、、」
アッサリとしたあさりご飯と、コッテリとした豚汁は、味のバランスもとてもいい。
酒は、冷や酒。
料理は、よく考えてていねいに作ると、非常にうまい。一汁一菜は品数が少ないから、その分、一品一品にきちんと手をかけられるのがいいところなのである。
でもそうやって料理がうまくなると、つい酒を飲み過ぎてしまうのは、仕方がないことだろう。
「だらしない生活だね。」
そうだよな。
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