スタミナをつけるならキムチ味。鶏肉と大根のキムチ汁

鶏肉と大根のキムチ汁 鶏肉

きのうは鶏肉を買ってあって、炊き込みご飯にでもしようと思っていた。鶏肉の炊き込みご飯が、またうまいのだ。

でも夜になり、改めて何を食べるか考えると、サッパリとした炊き込みご飯などでなく、もっとガッツリとしたものが食べたくなった。

これはおおととい、和風の魚料理を食べたため、体が「栄養が足りていない」と言っているのだ。

 

日本の料理は伝統的には、魚を主体に、わりとサッパリとした味付けにする。これが日本人にとって「文句なくうまい」のは疑いないし、また世界的にも、いま和食がブームであることからも分かる通り、ほかの料理とはまったく違う、非常に独特の特徴を持っている。

 

日本食が成立してきた背景として、歴史的に、2つのことがあるだろう。

まずは奈良時代に、肉食が禁止されたこと。

1000年以上にわたって肉を食べなかった国など、日本くらいではないのだろうか。おかげで魚料理が、世界に類を見ないくらい発展したわけである。

 

それから鎌倉時代に、五葷(ごくん:ねぎ、ラッキョウ、ニンニク、玉ねぎ、ニラ)が禁止されたこと。料理にニンニクを使わないのも、世界の主だった料理を見ても、日本だけではないのかと思うのだ。

 

日本の料理は、この世界に類を見ない禁止事項が、1つならず2つもあったため、類を見ない進化を遂げたということだろう。

いいか悪いかは別として、これが日本の料理の特徴を形作っているといえると思う。

 

日本の料理は、健康の側面から考えても、プラスに働いているところは多いだろう。魚には、魚独自の豊富な栄養素が含まれているわけだし、動物性脂肪をあまり取らないから、生活習慣病も起こりにくい。

でも逆に、非常に欠けているところもあり、「スタミナ」が不足するわけだ。

 

肉、とくに豚肉やレバーなどには、豊富にビタミンB1が含まれる。またニンニクやねぎ・ニラなどには、硫化アリルが含まれる。

このビタミンB1と硫化アリルを同時に取ると、体内のエネルギー生産がとても活発になり、疲れが取れ、元気が出るとのことである。

 

日本では伝統的に、肉やニンニクを食べないために、日常の食事だけだとこれらの栄養が不足しがちだ。だからそれを補うために、意識的にならないといけないわけだ。

 

そこで夏場には、ビタミンB1不足を解消するため、うなぎを食べる。

また江戸時代、白米を食べるようになり、玄米に豊富に含まれるビタミンB1が不足するようになって、脚気が大流行したために、やはりビタミンB1が豊富に含まれる「そば」を食べるようになったと聞いたこともある。

 

きのうおれが「ガッツリしたものが食べたい」と思ったのも、そういう事情だったと思う。スタミナがつくものを、体が欲していたのである。

 

となれば、「キムチ」なのだ。

鶏肉と大根のキムチ汁

そこできのうは、玉ねぎと青ねぎをたっぷり入れた、鶏肉と大根のキムチ汁を作った。

 

キムチは、まず単体で、ビタミンB1と硫化アリルを両方含んでいるそうだ。硫化アリルは、キムチにニンニクが含まれるからだし、ビタミンB1は、キムチが発酵する過程で生成されものらしい。

さらにキムチは、ビタミンB1がすべての食品の中でトップレベルで含まれる豚肉、および硫化アリルが豊富なニンニク・ねぎ・ニラなどとの相性も抜群。

これらを材料に加えれば、スタミナはさらにアップすることになる。

 

豚肉の料理でなくても、和食の汁物と煮物はすべて、キムチ味に変換することができる。和食にカレー粉を入れるとおいしいのとおなじ話で、「味つけ」のバラエティーとして考えることができるのだ。

きのう作ったのも、簡単に言ってしまえば、鶏肉と大根の和風の煮物に、キムチとゴマ油、それにおれはニンニクは使わないから、玉ねぎと青ねぎをたっぷりと入れたもの。

ブリ大根などもおなじようにキムチなどを入れ、さらにコチュジャンを少し加えると、実においしい、韓国っぽい煮物になる。

 

みそ汁なども、同じようにしてキムチ味に変換できる。

スタミナをつけたいと思ったら、キムチ味にすべきである。

 

ただしきのうは、ただの和風の煮物にキムチなどを加えたのでなく、だしは使わず、たっぷりのキムチを使い、それと鶏肉をゴマ油で初めに炒めた。

たっぷりのキムチを使えばそれ自体がだしになるし、これを炒めることで、さらにコクが出るのである。

 

 

鶏肉と大根のキムチ汁 作り方

鍋にゴマ油・大さじ2を引き、食べやすい大きさに切った鶏もも肉を、皮を下にしてならべ、その上にキムチを乗せて、キムチの汁をあるだけかける。

キムチの量は、今回のようにだしを使わない場合には、入れる水1カップにたいして100グラムくらいが目安。きのうは水は3カップ入れるから、キムチもだいたい300グラム。

このまま10分くらい置き、鶏肉にキムチの味をつける。

 

鶏肉と大根のキムチ汁 作り方

下味をつけている間に、2センチ大くらいに切った大根・6センチ長さほどを下ゆでする。

火加減は弱めの中火くらい、しっかり沸騰させるようにして、竹串がすっと刺さるようになるまでゆでる。ゆで時間は、やわらかい冬の大根なら15分くらいだが、夏の大根だと20~30分かかると思う。

ちなみに大根の皮は、剥く必要はまったくない。

 

鶏肉と大根のキムチ汁 作り方

鶏肉とキムチは10分置いたら、そのままフタをして、強めの弱火くらいの火加減で、10分ほど蒸し焼きにする。

こうすることで、キムチのうま味の汁がしみ出して、鶏肉にさらに味をつけ、またうま味がゴマ油と鶏皮の脂と反応することで、コクが出る。

 

鶏肉と大根のキムチ汁 作り方

蒸し焼きが終わったら、水・3カップを加え、

  • 酒 大さじ1
  • みりん 大さじ1
  • 淡口醤油 大さじ1
  • おろしショウガ 大さじ1
  • 塩 少々

を、味を見ながら加える。

さらに、

  • 下ゆでした大根
  • 6等分くらいのくし切りにした玉ねぎ 1個
  • 食べやすい大きさに切った油あげ 1枚

を加え、弱火で10分くらい煮る。

10分煮たら、一旦火を止めて置いておけば、大根に味がしみる。

 

鶏肉と大根のキムチ汁 作り方

最後にざく切りにしたたっぷりの青ねぎ(またはニラ)を加え、さっと煮て火を止める。

 

 

器によそう。

鶏肉と大根のキムチ汁

 

「こ、これは、、うまい、、」

おれ

 

キムチの味が、大根にしみたのは、たまらない。

鶏肉と大根のキムチ汁

 

 

あとは、ナスときゅうりなどの塩もみ。

ナスときゅうりなどの塩もみ

ナスは3~4ミリ厚さ、キュウリは1~2ミリ厚さに切り、塩1~2つまみを振って塩もみする。10分くらい置いたら水洗いし、よく絞る。

細く刻んだ青じそとみょうがを混ぜ、おろしショウガと味ポン酢それぞれ少々で和えて器に盛り、ひねり潰したゴマをかける。

 

酒は、冷や酒。

冷や酒

 

そしてもちろん、シメはご飯。

ご飯

 

 

きのうも飯は、うまかった。これほどうまいものを毎日食べている奴は、そう多くないのではないかと、おれは思う。

おかげで、きのうも飲み過ぎた。

しかし酒を飲むと、飯がさらにうまくなるのだから、それも仕方がないのである。

 

「ご飯を食べてもお酒を飲まない人だっているよ。」

チェブ夫

そうだよな。

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