あまり味の分からない人に食べさせたら、絶対クリームシチューかと思う、鶏肉団子の白味噌汁。白味噌は、常備すべき。
土井善晴流・一汁一菜、きのうは味噌汁に、西京・白味噌を使うことにした。
西京・白味噌はいうまでもなく京都の味噌で、京都のお雑煮はこの白味噌が使われるし、酢味噌を作ったり、魚を漬けたりするにも適している。
おれも5年前に京都に来て、初めて使うようになったのだが、「普通の味噌とはまったく違う」と思っていい。
塩分濃度が低いから、味噌汁にするときには普通の味噌より多めに入れる。すると汁にやさしいトロミと甘みが出て、ちょうどクリームシチューのような味になるのである。
だから鶏肉や、あとはクラムチャウダーのようにハマグリなどが、とてもよく合う。じゃがいもやニンジン、玉ねぎなど、洋風料理で使われることが多い野菜の相性も、申し分ない。
きのう作った鶏肉団子の白味噌汁も、あまり味の分からない人に「クリームシチューだ」といって食べさせたら、あっさり信じるはずである。
ちなみに八丁・赤だし味噌は、コッテリ煮込むとドミグラスソースのような味になり、牛肉やハンバーグなどを煮込むと非常にうまい。
八丁・赤だし味噌と西京・白味噌を料理に使えるようになると、味つけの幅が飛躍的に広がるから、腐るものでもないわけだし、ぜひこれらは常備すべきだ。
白味噌汁をつくる場合は、まずだし昆布をたっぷりと使うのがコツとなる。
それから白味噌を入れる量は、非常にたっぷり、普通の味噌の1.5倍くらいにしないときちんとした味にならないから、注意が必要。
まず鍋に3カップ半の水を入れ、15センチくらいのだし昆布をひたしておく。
その間に鶏肉団子のタネを作る。
器に、
- 鶏ひき肉 200グラム
- 玉ねぎみじん切り 4分の1個
- ニンジンみじん切り 尻尾の細いところ4~5センチ
- 溶き卵 2分の1個分
- おろしショウガ 1~2センチ大くらい
- 塩 小さじ2分の1
- 砂糖 小さじ2分の1
- 淡口醤油 小さじ2分の1
- 片栗粉 大さじ1
を入れ、粘り気が出てくるまでよくこねる。
昆布をひたしておいた鍋に、(昆布は入れたまま)、
- 2センチ大ほどに切ったじゃがいも 1個
- 6~8等分程度のくし切りにした玉ねぎ 肉団子で使った残り
- 1センチ幅くらいの半月入りにしたニンジン 肉団子で使った残り
を入れて中火にかけ、煮立ってきたら、肉団子のタネをスプーンで2~3センチ大にまとめて入れ、弱火にして4~5分煮る。
4~5分煮て、鍋からいい匂いがしてきたら、酒・大さじ3を入れ、西京白味噌・大さじ5~6くらいを、味を見ながら溶き入れる。
10分くらい、じゃがいもが柔らかくなるまで煮たら、練り辛子・少々を溶き入れて、食べやすい大きさに切って塩ゆでした十六ささげ(インゲン)を入れ、ひと煮立ちさせて火を止める。
器によそい、粗引きコショウをふる。
「こ、これは、たまらない、、」
コックリとした、やさしい味だ。
あとは、冷やしトマトの青じそがけ。
食べやすい大きさに切った冷やしトマトに、
- 削りぶし
- 味ポン酢
- せん切りの青じそ
- ひねり潰したゴマ
それぞれ少々をかける。
酒は、冷や酒。
シメは、ご飯。
きのうも、酒はうまかった。おれは「うまい酒を飲んでいる人コンテスト」があれば、全国で100位には入るのではないかと、自分で思う。
何しろおれが作る酒の肴は、死ぬかと思うほどウマイのだ。
これだけ酒がうまければ、飲み過ぎてしまうのも仕方がないというものである。
「自己満足で幸せだね。」
ほんとだな。
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