きのうの晩飯は、ナスの鶏そぼろあんかけ。これに素麺を添えると、しみじみとウマイ。
さらに今朝、冷蔵庫でキンキンに冷やして冷たい素麺に添えた。これは、まさに必殺の味である。
京都マルイ前での街宣アピールが終わり、飲んで帰ろうかと思わなくもなかったが、結局まっすぐ家に帰った。マルイは家から近所だし、だいたいおれは、家で自分で作った料理を肴に酒を飲むのが、一番癒やされるのだ。
「一人で飲むのは寂しい」と思う奴もいるかもしれない。しかしそいつは、単に自炊の楽しみを知らない愚か者なのである。
帰り道に、スーパーへ寄って鶏のひき肉を買った。家にナスがあったから、これを鶏そぼろあんかけにするつもりだったのだ。
ナスや冬瓜、カブや大根、やわらかく煮える野菜には、鶏そぼろあんかけは定番中の定番だ。やわらかいもの同士で、食べていてやさしい気持ちになる。
さて鶏そぼろあんかけを作るのに、考えどころはまず、「だし」をどうするかなのである。
鶏のひき肉を煮るわけだから、当然そのだしは出る。ひき肉の量が十分なら、きちんと煮れば、それなりに濃厚になるだろう。
「それでいいではないか」と思うかもしれないが、問題は、この鶏のだしが、醤油との相性がイマイチなことなのだ。
鶏のスープに醤油味をつけた食べ物の代表に、「ラーメン」がある。ラーメンは、大量の化学調味料を入れることで、初めて味が落ち着くわけで、動物性のだしと醤油は、何かを加えないときちんとした味にならないのだ。
化学調味料は魚介由来の成分だから、この「何か」は、一つは魚介だしである。だから鶏そぼろあんかけも、昆布と削りぶしのだしを使って作るのが、王道であるのは間違いない。
ただ、せっかく鶏のだしがあるのだから、それを活かしたいものだ。
その場合、「オイスターソース」を使うのがおすすめなのだ。
オイスターソースは、要はカキのエキスである。動物性のだしと醤油の仲を、強力に橋渡ししてくれる。
だしの問題は、それでクリアしたのだが、出来上がりの図を頭で思い浮かべてみるに、今一つ物足りないような気がした。何かもう一ひねりしたいところだ。
そこで閃いたのが、「素麺」だ。
ナスの鶏そぼろあんかけに素麺を添えれば、それはウマイに決まっているわけである。
作るのは、難しいことは何もない。ただあえて言えば、ナスはすぐに火が通るから、煮過ぎないようにするのがコツといえばコツになる。
ナス2本は、味のしみ込みを良くするために皮をタテに縞に剥き、横半分に切ってから、4等分のくし切りにする。
これを水に5分くらいひたしておいて、アクを抜く。
鍋に水・1カップと鶏ひき肉・200グラムを入れて中火にかけ、スプーンで押し潰してほぐしながら、軽く火を通す。
肉の色が変わり、ひき肉がきちんとバラバラになったところで、さらに水・1+2分の1カップを注ぐ。
水を分けて入れるのは、水の量が多いとひき肉がほぐしにくいからである。
煮立ったら弱火にし、アクを取りながら10分煮ると、2カップほどの鶏のだしが取れていることになる。
このだしに、
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 淡口醤油 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- おろしたショウガ 1~2センチ大
で味つけし、水にさらしたナスを、落としブタをして弱火で煮る。
5分ほどで火が通るから、箸でつまんで「やわらかくなった」と思ったら、すぐに食べてみて煮え加減を確認し、火を止める。
この段階で、20~30分置いて冷ますと、ナスに味がしみていく。要はナスを煮るのを調理の一番初めにやり、冷ましているあいだに他のことをやればいいわけだ。
冷ましたナスを温めなおし、
- 片栗粉 大さじ2
- 水 大さじ2
の水溶き片栗粉を、スプーンで少しずつ、入れては混ぜしながらトロミをつける。
素麺は、ゆで時間は30~40秒、まだ完全に芯が残っている状態でザルに取り、水をサッとかけて粗熱を取る。
器に素麺を盛り、ナス鶏そぼろあんをかけて、青ねぎと一味を振る。
これは、たまらない、、、
素麺に、やさしい味のナス鶏そぼろあんは、最高の相性だ。
それからこれは、冷蔵庫でキンキンに冷やし、冷たい素麺にかけておろしショウガを天盛すると、またウマイのだ。
これは、まさに「必殺」の味である。
あとは、たたきキュウリの梅カツオ。
キュウリは皮をタテに縞に剥き、すりこ木で叩いて手でちぎり、塩一つまみで揉んで10分置いて、水洗いして水気をふき取る。
梅肉と、見た目同量の削りぶしを包丁でよく叩いてペースト状にし、みりん少々、淡口醤油ほんの少々で和える。
厚揚げの焼いたの。
厚揚げはフライパンで表裏をこんがり焼き、おろしショウガと青ねぎ、味ポン酢をかける。
それに冷やしトマト。
酒は、冷や酒。
きのうもまた、うまいものを作ってしまったわけである。
これだけうまいと、外で食べる気がしなくなるのも無理もない話というものだ。
「節約するのはいいことだね。」
そうだよな。
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