豚肉と豆腐は黄金の組み合わせ。一緒に煮ると、ほっこりとやさしい味になる。
きのうは豆腐を、よく焼き付けてから煮た。こうすると味がよくしみ、またウマイ。
本当は、甘長とうがらしと炒めようと思って豚こま肉を買ってあったのだ。でもつくり始める直前になり、気が変わった。
「ほっこりとした優しいものが食べたい、、、」
こういうことは、よくあるのである。だいたい買い物の時は、何をどのように作るかは、大体のところで考える。
実際に作るにあたって詳しく考え始めると、作り方が考えていたのと変わるのはいつものことだし、作るものが大幅に変わってしまうことも時々ある。
おれは料理の味は、作る前に考える、その量に比例すると思っている。自分が食べたいと思っていた、その通りのものを食べるからこそ、うまいのだ。
それには、何を食べたいのかをあらかじめ、できる限りハッキリさせておく必要がある。
そうすると、考えているあいだにも酒を飲むから、どうしても飲み過ぎる結果に終わってしまうわけなのだが、うまいものを食べようと思えばそのくらいのことは仕方ないのだ。
きのうは豆腐も買ってあったのだ。「ほっこりとやさしい味」となれば、豚肉に合わせるのは、とうがらしよりこちらだろう。
たっぷりのうす味のだしで煮る「肉豆腐」が、まずはすぐに思い付くわけなのだが、たっぷりのだしは、冬ならともかく、夏にはちょっと暑すぎる。汁は少なめにして、あんで閉じることにした。
さらに豆腐は、よく焼き付けるようにする。
そうすると味がよくしみ、これがまたウマイのだ。
肉豆腐には昆布と削りぶしのだしを使うのが王道だが、それは今回は省略し、オイスターソースを使う。これできちんとコクが出るし、といってべつにエスニックな味になることもない。
入れる野菜は玉ねぎと青ねぎ。シメジがあれば入れたところなのだが、なければないでもいいのである。
まずはフライパンにサラダ油・大さじ2を入れて弱めの中火にかけ、1~2センチ厚さに切った木綿豆腐・2分の1丁をじっくり焼く。
焼けば水は抜けるから、事前に水切りなどはしなくていい。
くっつかないように時々フライパンを動かして、5分くらいかかると思うがこんがりと焼き色が付いたらひっくり返す。
ひっくり返したら、豚こま肉・200グラムを入れ、ほぐしながら一緒に炒める。
豚肉の色が変わったら、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- おろしショウガ 1~2センチ大
を、肉の上からかける。
調味料を肉となじませたら、水・1カップを入れ、くし切りの玉ねぎを加えて落としブタをし、弱火で10分くらい、コトコト煮る。
味をみて塩加減し、一旦火を止めてそのまま置くと、豆腐にさらに味がしみる。
温めなおして青ねぎを入れ、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
の水溶き片栗粉を、スプーンで少しずつ入れては混ぜし、トロミをつける。
皿に盛り、一味をかける。
ほっこりと、やさしい味。
予想通りで、実にうまい。
あとは、塩もみキュウリのおかかポン酢。
皮をタテに縞に剥き、3ミリ幅くらいに切ったキュウリを一つまみの塩で揉み、20分くらい置いて水洗いし、水気をふき取る。
おろしショウガと削りぶし、味ポン酢で和え、一味をかける。
それに冷やしトマト。
キムチ。
酒は、冷や酒。
きのうも、夜寝た時のことをあまり覚えていないのだ。何を食べたかすら、写真を見てはじめて思い出すことがあるくらいだから、これはけっこう重症だ。
「おれはアホの子になりつつあるのか」と思わなくもないのだが、酒が楽しみで生きているおれなのだから、それも仕方がないのである。
「もう十分アホだから大丈夫。」
そうだよな。
◎関連記事
えんどう豆と高野豆腐の卵とじ/「ああ、うまい」と思えることが幸せの第一なのだ