きのう7月12日、大阪なんばで市民団体「SADL(民主主義と生活を守る有志)」による戦争法案反対アピールが行われた。500~600人の人が足を止め、熱心に話を聞く中、メンバーは訥々と、法案に対する想いを語り、また民主・社民・共産の野党議員もそろい踏みで壇上に上がった。
きのうはほんとは、このなんばでのアピールへは、行かないつもりにしていた。2日前の金曜日、京都でのアピールに参加したばかりなわけで、おれもちゃんと仕事しないと、生活に差し障りが出るのである。
カウンターやデモなどに参加するのは、一応「週1回」を目安にしている。それ以上だと、酒も飲まないといけないわけで、おれの場合はちょっとキツイ。
しかし7月15日に戦争法案の強行採決が予想されるなか、多少無理をしてでも、自分の意志を示しておく必要があると思ったわけである。
国会では与党が圧倒多数を得ているから、採決は与党だけで可決することができる。しかしそれに反対するデモやアピールは、世論に訴えかけ、政権にプレッシャーをあたえる力が確実にある。
実際6月に国会前で、そして京都で、学生団体「SEALDs」「SEALDs KANSAI」が反対のアピールとデモをおこない、それに影響されて全国で、学生や若者による反対アクションが行われるようになっている。
新聞やテレビもそれらを積極的にとり上げるようになったおかげで、安倍政権の支持率は目に見えて下落して、きのうの時点で、とうとう不支持率が支持率を上回った。
デモやアピールへおれが行っても、べつにスピーチをするわけでもなし、ただ「頭数」になるだけだ。でもその頭数が集まると、「力」になる。
それにより、
「もし強行採決をすれば、その先政権は持たない」
と、与党に知らせることができるのである。
民主主義は、最終的には選挙で政策が決められる。しかしそれに先立って、こうして様々なアピールが行われ、市民が政策について自分の頭で考えることが前提となっている。
そのために、憲法で「言論の自由」が保証されているのである。
それをいま行使しなければ、憲法をいともたやすく無視する政権のこと、これからその言論の自由すら失われることになりかねないと、おれは危機感を持っている。
それできのうは、なんばまで出かけていったわけである。
到着したのはちょうど開始時刻だったから、すでにたくさんの人が集まっていた。
この時点で200~300人はいて、駅前は人で埋め尽くされていたのだが、最終的に、500~600人に膨れ上がった。フライヤーも、2000枚を用意したのがすべて捌けてしまったそうだ。
SADLのメンバーは10代~40代で、5~6人が壇上でスピーチをした。
これがいずれも、大変よかった。
特に若いメンバーは、スピーチなど慣れていないから、話し方は訥々としていて、どちらかといえば下手である。しかし戦争法案に対する想いを、自分の言葉で、まっすぐに語るから、聞く側にとってはプロの政治家などよりも、むしろ大きな説得力がある。
政治学や憲法学などの専門家も登場する。
そして特筆すべきは、民主・社民・共産の議員が、そろい踏みで壇上へ上がったこと。
SADLは有志が手弁当で活動していて、特定の政党などの背景を持たない。だからこそ彼らに呼びかけられて、普段は敵対することもある政党同士が手を結ぶのだ。
これはSADLが、大阪都構想反対のアクションで、初めて実現したことだ。それがこうして、さらに大きな流れになろうとしているのである。
アピールの途中では、何度か「コール」も行われる。
「集団的自衛権はいらない!」
「戦争法案・絶対はんたい!」
「安倍はやめろ!」
ラップの音楽がかけられ、旧来のものとは異なりアップテンポに進められるコールは、以前の政治運動にはちょっとアレルギーがあるおれなどでも合わせやすい。
聴衆も、熱心に話を聞き、コールを一緒に口にしていた。立ち去る人はあまりおらず、みな最後まで話しを聞いて行ったようだ。
アピールが終わり、帰途につく。しかしなんばは、素通りするのは難しかった。
何しろ、おもしろそうな飲食店があれこれとあるのである。
自由軒のカレーを食べ、、、
バーで一杯飲んで、帰宅した。
帰ってから、家でさらにつまみを作って5~6杯。
例のごとく飲み過ぎて、布団に入った。
今のところ、まだ平和な日常は保たれている。しかしこれは、おれたちのふるまい如何では失くなってしまうものだということは、肝に銘じなければいけないことだ。
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