SEALDsはやっぱりさすが。【1206銀座大行進】

1206銀座大行進 東京・京都・大阪などでの社会運動

1206銀座大行進

きのうはSEALDsが主催した、銀座の集会とデモに参加した。どんな状況にあっても、明るさと希望を失わないこの若者たちは、「さすが」だとあらためて思った。

 

 

きのうは夜、母方の親戚が集まる会が銀座であり、そこで今回の親の介護についての経緯を報告することになっていた。

親の介護は、とりあえずのことについては、一通りの始末ができたと思う。

 

東京について早々は、施設との手続きやら荷物を運んだりやらの雑用系。それから、親やケアマネさん、区役所の福祉課の人などとの話し合いがあれこれあった。

親とは離れて住んでいるから、日常的にはその人たちにお任せしないといけないが、ここぞというときには、やはり長男がでる必要がある。

親戚への報告は、その一連の最後になるもので、これを終え、京都に帰る予定にしていた。

 

というところに、何とちょうど、SEALDsがきのう、銀座でおこなう集会とデモの告知が、ツイッターで流れてきた。

「これは、行くしかない、、」

即座に決めた。

 

デモの時間と場所は、それが終わってから親戚との会にむかうのに理想的。神様が、

「君は、このデモに参加して帰りなさい」

そう言っているようにすら思えた。

 

なにしろ、おれはSEALDsのファンなのだ。

社会運動は、それぞれが主体的に参加するものであり、そこで「ファン」などというのはおかしいかもしれないが、本当なのだから仕方がない。

 

 

今の社会状況がここまで悪くなり、戦地へ派兵するという、30年前には考えもしなかったことが現実となりつつあるのは、おれたち上の世代がきちんとしてこなかったからだ。

 

太平洋戦争に敗戦し、焦土と化した国土を目の当たりにし、「とにかくまずは経済」と、親の世代が考えたのはわかる。おかげで日本の経済は急速に発展し、おれたち子供の世代は、多くの人が、それなりに豊かな生活を手に入れた。

しかしバブルが崩壊し、それまでの「イケイケどんどん」のやり方では、うまくいかなくなってきた。そのときに本当は、「何が間違っていたのか」を、おれたちの世代が考えるべきだった。

 

しかしそれをきちんとせぬまま、ズルズルと来てしまった結果、今では日本は、世界にまったく通用しない、古臭い考え方に固執するようになってしまった。

かつては日の昇る勢いだった日本企業も、製品の競争力が落ち、もう先の見通しがつかない原発に依存したり、社員を減らして非正規雇用者を増やしたりするしか、生き残る道がなくなっている。

そこに極右主義者たちが乗っかって、自分たちの利益のために、日本をまさに、奈落の底へたたき落とそうとしている。

 

そういう状況で、立ち上がったのが、SEALDsの若者たちだ。

 

若者たちは、上の世代がなかなか動かないのを見て、絶望したことだろう。社会の歪みで、一番の被害をうけるのは、若い世代の人たちだ。

でもそこで、「上の世代が悪い」と指弾するのではなく、「ならばおれたちがやる」と立ち上がったのが、SEALDsだ。いわば上の世代のケツ拭き役を、みずから買って出たのである。

こんなに申し訳ないことがあるだろうか。おれは、SEALDsがはじめて国会前でアピールしたときの動画を見て、情けなくて涙がでた。

 

しかもその若者たちが、あまりに「普通」なことにも、心を打たれた。

若者たちは、べつに運動を、やりたくてやっているわけではない。大学で勉強し、バイトをし、そして友達と遊ぶことに、たっぷり時間を使うべき人たちだ。

その若者たちが、そういう時間を削って、おれたちのケツを拭いている。

 

さらに、そのやり方が、あまりにもさわやか過ぎる。

損得を考えず、自分のありのままの想いや怒りをストレートにぶつけてくる。組織に頼ることはいっさいなく、むしろ既存の組織を自分たちが利用する。

 

そんな様子を見せられたら、ファンにならない方がおかしいだろう。

 

おれはそれから、SEALDsの集まりには、できる限り参加している。自分のケツを、他人にだけ拭かせるのは、人間としてありえない。

きのうも、神様までが、「行ってこい」と言うほどだ。

前の晩はあまり飲み過ぎないようにして、早起きし、早々にブログを更新して、予定の時間に銀座にでかけた。

 

 

まずは、日比谷野音での集会「KEEP CALM AND NO WAR」。

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収容人数3,000人の日比谷野音は、立ち見まででて、ギッシリと人で埋まっている。

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冒頭に、サプライズ・ゲストとして石田純一が登壇した。

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石田純一は、9月の国会前抗議でも姿を見せ、スピーチした。するとその後、スポンサーなどからずいぶん叩かれ、キャンセルになった番組もあったという。

ところがきのうは、ふたたび登場。

「ずいぶん叩かれもしましたが、やはり何より、言論の自由が一番大事」

と、ズバリと正論を言ってみせた。

 

しかも、きのうもこの寒空にもかかわらず、素足に革靴。

石田純一、あらためて見直すとともに、それを呼んだSEALDsも、エライと思った。

 

SEALDsのこれからの目標は、言うまでもなく、来年7月におこなわれる参議院選挙。ここでいかに、自民党議員を落選させられるかが、最大の問いとなる。

そのためには、市民が大きく連携していくことが必要。

きのうは、労働組合を中心とした運動をまとめる人、

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それに反原発運動をまとめる人、

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なども登壇し、「連帯」を表明していた。

 

それからもちろん、政治家も。参議院選挙の一人区で自民党議員を落とすためには、野党は共闘して統一候補をたて、「反自民」の票が分散しないようにすることが必要だ。

きのうも、民主党の福山哲郎・参院議員や、

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共産党の志位和夫・委員長、

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などが登壇した。

 

民主党と共産党は、もともとは「犬猿の仲」ともいえる間柄。それがこうして、徐々にこうして共闘の体制をととのえつつあるのは、一重に、SEALDsを初めとする市民運動の力なのだ。

 

SEALDsの学生も、もちろん話す。

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一人の男子学生は、

「みなさんにとって、理想の社会とは何ですか?」

と問いかけるところから、話をはじめた。

 

彼にとって理想の社会とは、「出自や環境に関係なく、誰でもが自由に、自分らしい人生を送れる社会」。しかし現在は、たとえば収入が十分ではない家庭に育った者は、大学進学をはじめとし、多くのものをあきらめざるをえない状況が拡大している。それは絶対に許せないこと。

社会は、「理想と現実」とを行き来することにより、変えていくことができると思う。だからまず、自分にとっての「理想の社会」を考えることが大事ではないだろうか、、、

 

おれたちが最もまちがえたのは、「現実を乗り切ること」しか考えず、社会のことは「現実はそうなっているのだから仕方がない」とあきらめて、なおざりにしてきたことだと、たしかに思う。その結果、日本の社会はこんなにメチャクチャになってしまった。

この学生の話を聞いて、社会のことをきちんと考える大事さを、おれは改めて感じさせられた。

 

集会が終わったら、銀座をデモ。

1206銀座大行進

 

SEALDsのコールは、相変わらずアップテンポで心地よい。

 

通行人の反応も、とてもいい。

指をさしながら、「あ、あれシールズだよね」などと話している人を何人も見たし、歩道からデモに加わってくる人も、何人もいた。

 

1時間ほど銀座を行進、終着地点にさしかかったとき、突然、デモの前方を、ドブネズミ色のバスが横づけ、さえぎった。

1206銀座大行進

バスは安倍政権を支持する右翼団体のもの。据えつけた大音量の拡声器から、SEALDsを口ぎたなく罵っている。

 

弁護士や警察、それに年長の運動参加者たちは、そこへ駆けつけて対応する。

騒然とした雰囲気になったとき、SEALDsの若者たちがとった行動は、さすがだった。

シュンとしてしまうのではもちろんなく、かといって右翼の罵声に応酬するのでもなくて、それまで続けていたコールを、よりパワーアップして再開したのだ。

 

おかげであたりは、大盛り上がり。

「ミニライブ」とでもいう状態となり、完全に圧倒された右翼は、やがてその盛り上がりを横目で見ながら、スゴスゴと引き揚げていった。

 

SEALDsは、やはり掃き溜めに咲いた、一輪の花なのだ。どんな状況になっても、明るさと希望を失わない。

おれたち大人は、それをほんとに大事にしなければいけない。

その一輪の花を、大輪の花に育てていく責任は、おれたち大人にあると思う。

 

デモが終わったら、親戚との会合。

親戚との会合

叔父や叔母から、酒とごちそうをおごってもらった。

 

そのあとは、夜行バスで一路京都へ。

朝には無事、到着した。

 

 

じつは、東京で途中から、湯沸し器の種火をつけっ放しにしていないかどうか、心配だった。おれはよく、出かけるときに、火をつけっ放しにしてしまう。

家に入って確認すると、幸い、火はついていなかった。

しかし、換気扇がまわりっ放しだったから、まったくおれは、あきれた男だ。

 

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