【感想】7・18名古屋駅前ヘイトスピーチへのカウンター

7・15名古屋駅前ヘイトスピーチへのカウンター 東京・京都・大阪などでの社会運動

7・18名古屋駅前ヘイトスピーチへのカウンター

きのう7月18日に名古屋駅前で行われたヘイトスピーチへのカウンターに参加した。関東や関西から、カウンターが手薄な名古屋へ極糞レイシストが集結するというから、加勢に行かなくてはいけないと思ったのだ。20人のレイシストに対し、50~60人のカウンターが総力を上げて抗議した。

 

 

名古屋カウンターの人たちの話を聞くと、中部圏でのヘイトスピーチは月に1回くらい行われているとのこと。関西の場合だと、この1ヶ月を振り返っても、大阪・布施で2週間連続のヘイト街宣があり、そのさなかには、京都・西院での無告知街宣、さらにその後、神戸および滋賀・大津京でヘイト街宣があったから、それに比べれば、頻度としては低めなのだろう。

しかも中部のレイシスト(差別主義者)はわりとヘタレで、カウンターが行くとすぐに話題を変え、ヘイトスピーチよりは、むしろカウンターへの攻撃をしてくるとのこと。そのためこれまでは、20~30人のカウンターで十分制圧できていたようである。

 

しかしその状況に、関東や関西の極糞レイシスト共が目を付けたようだ。

関東や関西では、ヘイトスピーチがあれば100人単位のカウンターが集まるから、レイシストものびのびとヘイトスピーチを楽しめない。そこで最近は、福島やら、札幌やら、これまであまりヘイトスピーチが行われず、カウンターも手薄なところをヘイトスピーチの開催場所として選ぶようになっていて、中部もそのターゲットの一つになっているようなのだ。

5月の末には、在特会元会長・桜井(本名 高田)誠が参加するヘイトスピーチが名古屋の中心街で行われ、そしてきのうは、関東や関西から、重度のヘイト中毒患者となっているレイシスト数名が、名古屋駅前でのヘイト街宣に参加することになっていた。

 

中部がヘイト中毒患者の草刈り場になるのは困る。早い段階でたたき潰し、痛い目を見せないと、拡大してしまってからでは収束させるのが大変になる。

そこで5月の名古屋でのヘイトデモにも、関東と関西からも大勢のカウンターが集まった。

しかしきのうは、関東でも関西でも、戦争法案反対アピールの予定が立て込んでいたから、参加できるカウンターは限られるだろうと思われた。

 

おれは5月の名古屋は、行かないといけないと思っていたが、結局行けなかったのだ。

新幹線

そこで今度は、何としても行こうと思い、時間的に多少の無理はあったが、ブログの更新を終えてから新幹線に飛び乗った。

 

久しぶりに来る名古屋。

名古屋駅前

名古屋には、仕事の関係で2年ほど住んでいたことがある。会いたい友達もたくさんいるし、食べたいものも山ほどあるのに、それをこうしてクソ野郎どもの相手をしなければいけないとは、何とも残念なことである。

 

レイシストは、総勢20名ほど。

 

関西でよく顔を見かけるレイシストもいる。

 

それに対して、カウンターは総勢50~60名。

警官に規制されながら、トラメガで、プラカードで、そしてダンマクで抗議する。

 

おれもトラメガで、レイシストに対する罵倒と通行人に対する説明を、2時間にわたって交互に続けた。

7・15名古屋駅前ヘイトスピーチへのカウンター

 

 

本当は、このようなカウンターなど、しないで済めば、それに越したことはないのである。

日本も加盟する国際条約、「自由権規約」と「人種差別撤廃条約」により、「ヘイトスピーチを法律で禁止すること」がはっきりと求められている。日本もそれに従って、ヘイトスピーチ規制法を早く成立させてくれればいいだけで、実際多くの国は、ヘイトスピーチを法律で規制している。

 

日本政府は、国連人種差別撤廃委員会から数度にわたり、早期の法規制を求める勧告も受けている。しかし日本政府は、

「人種差別思想の流布に対し、正当な言論までも不当に萎縮させる危険を犯してまで処罰立法措置をとることを検討しなければならないほど、現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の煽動が行われる状況にあるとは考えていない」
(日本政府の人種差別撤廃委員会に対する第7回・第8回・第9回政府報告、2013年1月)

との理由で、それを保留し続けている。

 

上の「現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の煽動が行われる状況にあるとは考えていない」は、実情に即しているとは全くいえない。人種差別思想を流布し、人種差別を煽動するヘイトスピーチは、きのうも名古屋駅前で、そして全国で、日常的に行われている。

しかし政府が、それを「行われているとは考えていない」とするのは、ただ単に事実誤認であるのでなく、
「嘘をついて国際法上の義務を免れている」
ものであるようだ。
(神原元著『ヘイトスピーチに抗する人々』より)

 

ヘイトスピーチが日本で盛んに行われるようになったきっかけは、当時都知事だった石原慎太郎が、

「今日の東京を見ますと、不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪をですね、繰り返している。もはや東京における犯罪の形は過去と違ってきた。こういう状況をみましても、大きな災害が起きたときには大きな大きな騒擾(そうじょう)事件すらですね、想定されるそういう現況であります。こういうことに対処するためには、われわれ警察の力を持っても限りがある。ならばですね、そういう時に皆さんに出動ねあって、災害の救急だけではなしに、やはり治安の維持も一つ皆さんの大きな目的として遂行していただきたいということを期待しております」

との「三国人発言」を行ったことだと言われているそうだ。

これは憶測とデマに基づく、典型的なヘイトスピーチなわけで、
「政治家がこう言うのだから、そのくらいのことは言ってもいいんだ」
という空気を社会に熟成したという。

その後も自民党の政治家によるヘイトスピーチは断続的に続き、その延長上に安倍首相は、
「侵略という定義は、学会的にも国際的にも定まっていない」
と、植民地支配の違法性を否定したとも取られかねない発言をしている。(2013年4月23日、参院予算委員会)

自民党の、過去の戦争の過ちを否定しようとする歴史修正主義が、ヘイトスピーチの温床になっているわけである。

 

そのような日本の構造的な問題があるために、ヘイトスピーチはなかなかなくならない。

しかし法規制ができるのを待っていては、被害は拡大するばかりだから、ヘイトスピーチがあるたびに、カウンターはいちいちそこへ出かけて行って、抗議をするのだ。

 

カウンターを何とか終え、そのあとは慰労会。

カウンター慰労会

2時間におよぶ抗議で、皆クタクタだ。

 

慰労会が終わったら、さらにおれは、味噌カツを食べに行った。

味噌カツ

やはり名古屋へ来たら、名古屋めしを食べずに帰るわけにはいかない。

 

今回は、日帰りだった。

新幹線

しかし次回来るときは、できれば泊まりで、名古屋めしを食いまくりたいものである。

 

 

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カウンターを初めて体験したのである。
 

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