きのうは、戦争法案・強行採決に反対する、新横浜でのシットイン、そして、国会前での雨の中の抗議に参加した。市民が、自分たちが望む政策を実現していくために、これらの活動こそが重要だと、今おれは実感している。
安保法案の審議はまさに大詰め。きのうは新横浜で地方公聴会が開かれ、参議院議員はそのまま国会に戻って特別委員会で即日の強行採決、そして今日、本会議で採決されることが予定されていた。
新横浜での地方公聴会が決まるとすぐ、ツイッター上でカウンターの人たちから「シットイン」が提案された。
シットイン(座り込み)は、市民が暴力を使わずに(非暴力)、抵抗・抗議の姿勢をしめす(不服従)のに効果的な方法だとのこと、アメリカの黒人が人種差別の撤廃を目指した公民権運動でも、多く使われたのだそうだ。
日本でも、60年安保のころはシットインがされたと思うし、現在だと沖縄・辺野古での抗議で行われているようだ。
カウンターの人たちが初めにシットインをしたのは、2013年9月8日の新大久保だったらしい。差別主義者のデモが新大久保に入ってくるのを、多数のカウンターがその前で寝転ぶことによって阻止した。
シットインを、警官は排除しようとする。しかし大の大人が、体の力を抜いてグニャッと寝転んだのを運ぶには、手足それぞれを持たないといけないから、4人の警官が必要だ。またシットインする人も、排除されても隙を見て、すぐにシットインに復帰する。
そのためシットインを排除するには警官が何人いても手が足りず、市民は暴力を使うことなく、何かを妨害することができる。
この時の差別デモも、結局新大久保の韓国人街エリアに入れず、それ以来、新大久保では差別デモが行われなくなったようだ。
カウンターの人たちは、このシットインを一昨年、秘密保護法が強行採決されようとした時、および今回の安保法案も、衆院での強行採決時、どちらも地方公聴会の場で行ったのだそうだ。
地方公聴会へは、その会場まで国会議員が出向くことになる。その帰りをシットインで妨害すれば、国会に議員が戻って審議が始まるのを遅らせることができる。
審議の成り行きは、時々刻々変わっていくものだから、その開始を遅らせれば、審議に影響を与えられる可能性もあるわけだ。
新横浜で行われるというそのシットインに、おれは「行かなければいけない」と思った。
東京まで行くことは、金も時間もかかるから、今のおれにとってはけっこうキツイ。なので8月30日の国会前には参加して、あとは関西でのデモに参加しようと思っていた。
しかし、シットインは、警官とのうまいやり合いが必要とされるものだ。警官の隙を見て動いたり、またあまりやり過ぎて逮捕されないよう、気を使わないといけない。
おれは差別主義者へのカウンターに度々参加し、警官との間合いの取り方について、まったく経験がない人に比べれば、知っている。その経験を、今こそ活かすときだと思った。
ギリギリまで迷ったのだが、やはり行かないと後で後悔する気がして、夜行バスを予約した。
夜行バスなんでね。ボチボチ家出る。 pic.twitter.com/LT9VXKoM5I
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 15, 2015
バックにトラメガと、身の回りのものをちょっと入れて、家を出て、朝8時半に新宿到着。
朝飯は、晩飯につづいて「ニラ」、レバニラを食べることにした。
とりあえずガッツリいっとく。 pic.twitter.com/XenEd9aYTE
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
デモに参加するには、やはりスタミナが必要なのだ。
新宿は、朝からガッツリ、レバニラ決められる店があるんよね。
というわけで、いざ新横浜へ! pic.twitter.com/CDRi8wM9wy— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
新宿には、朝っぱらからがっつりレバニラを決められる店がある。
電車に乗って、新横浜。
新横浜。 pic.twitter.com/6Dxd51H12J
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
地方公聴会は、新横浜駅前のプリンスホテルで行われることになっている。
議員が到着するまでの1時間ほど、プリンスホテルのまわりを歩きまわった。入り口は数ヶ所あるが、警察の警備の様子を見ても、議員は正面玄関か、裏手の駐車場入口か、どちらかから入ってくると思われた。
議員が到着すると、やはり車は、裏手の駐車場入口から入っていった。カウンターの人たちは、帰りもここから出てくると判断したようだ。
公聴会が始まると、駐車場入口でコール開始。
#0916新横浜決戦 pic.twitter.com/MITE88fWqX
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
付近はもちろん、大勢の警官が警備している。
シットインに加わるつもりのカウンターの人たちは、コールには加わらず、そこから少し離れた脇道に待機していた。駐車場出入口前の道は一方通行だったから、車は駐車場を出ると、その脇道の前を通ることになる。
東京のカウンター勢については、おれはまだ、ツイッター上以外ではほとんど知らない。でもそれらしい人たちを脇道に見つけたので、おれもその後ろに一緒になって待機した。
脇道から、その先の交差点まで50メートルほどの距離がある。
まず先頭が脇道のところから飛び出し、さらにその後ろが連続的に出て行って、波状にシットインを仕掛ける計画のようだった。
公聴会が終わり、いよいよ議員の車が出てきた。先頭にいたカウンターの人たちが、警官の隙を突いて道に飛びだす。
#0916新横浜決戦 pic.twitter.com/JgsUvsCM1E
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
#0916新横浜決戦 pic.twitter.com/Hpc3AtkrZO
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
警官は、まさかシットインするとは予想していなかったようだ。虚を突かれ、懸命に排除しようとするが、後から後から人が出てきて追いつかない。
すぐに数十人という人たちが、路上に寝転ぶこととなった。
#0916新横浜決戦 pic.twitter.com/gvBGDMOPpW
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
おれは先頭グループの後ろに待機していたが、警官に阻まれて出られなかった。
そこで後ろに回って、最後尾に寝転んだ。
#0916新横浜決戦 pic.twitter.com/CVUop9BYlr
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
最後尾だったから、まっ先に排除のターゲットになるわけで、すぐに手と足を4人の警官に掴まれて、道端に連れられる。でも警官は、寝転んだ人を排除するので手一杯、沿道の人が道に出ないように規制ができない。
それでおれも、すぐにシットインの場へ出て行って、都合3回、寝転んでは排除されをくり返した。
警官はシットインした人たちをなんとか排除、道端に車がギリギリ通れる隙間を作り、そこから議員の車を通した。
その頃には、あらかじめシットインしようと思っていた人だけでなく、シットインしたのを見て加わった大勢の人がいた。
その大勢の人達が、議員の車を追いかけて、警官ともみ合いながら、前に出ては排除されをくり返す。
#0916新横浜決戦 pic.twitter.com/cxz79rr5xa
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
結局このシットインで、議員の車が出発するのを、1時間以上遅らせることができた。
しかしこのシットイン、ただ単に、国会での審議の開始時刻を遅らせるだけには留まらなかった。
民主党をはじめとする野党の議員に、「与党に徹底抗戦しなければならない」と、腹を決めさせたようなのだ。
新横浜公聴会での市民のシットインが、野党の徹底抗戦の後押しになった。 #報道ステーション
. pic.twitter.com/xpYdZmclHB— きづのぶお (@jucnag) September 16, 2015
報道ステーション。横浜でのシットインで、
民主党幹部「雰囲気は変わった。国民が求めていることをやる」民衆のシットインが、議員たちを鼓舞し、国会の流れを確実に動かした。 pic.twitter.com/IVPGDfcIwy
— 弁護士神原元 (@kambara7) September 16, 2015
岡田さんの好き/嫌いは置いておいて、
民主党代表にこう思わせることができたわけですよね。『私たちのうしろには、この7千万人、1億人がいる、その民意をしっかりと体現していくために、われわれ民主党、一致団結して努力しようじゃないか』http://t.co/WKx5eFwBTP
— 峰尾|クラファン挑戦中(1/30まで) (@MINEO____) September 16, 2015
ちなみにこのシットインをみて鴻池委員長は国会に戻っても収まらないくらい動揺し、野党の理事や委員は「国会内でも徹底抗戦だ!そうしないと今度は野党が市民に囲まれる」と本気で危機感を覚えたとのこと。 https://t.co/y4LEVlOgd8
— ピンク眼鏡ゴリラ (@yataragenki) September 17, 2015
「外でみんながこの雨の中頑張ってるから、自分たちはもっと頑張らないと」。
今日、何人もの野党議員から聞いた言葉です。— 雨宮処凛 (@karin_amamiya) September 16, 2015
野党は今、あらゆる方法を使い、審議の引き伸ばしを図っている。特別委員会ではたった今、あり得ない無法なやり方で強行採決されてしまったが、当初予定されていたきのうでの採決を、大きく遅らせることができた。
参院本会議の採決が明日以降に引き伸ばせれば、潮目が大きく変わる可能性があるとのこと。これからまだ、様々な紆余曲折の可能性があるようだ。
野党は今、安保法案の今国会での成立に反対する、6割の国民と連帯している。
それを作り出すのに至ったのは、他でもない、市民による運動の力なのだ。
きのうは新横浜でのシットインが終わってから、国会前へ向かった。
雨の中、SEALDsを初めとして多くの人が集まって、深夜まで抗議をつづけた。
「安倍はやめろ!」 pic.twitter.com/rQmTFGp7qq
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
安倍はやめろ! pic.twitter.com/8w1Q3lnBsq
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
— 高野 俊一 (@shunichitakano) September 16, 2015
デモは、決してムダではない。
これこそが、市民が自分たちが望む政策を実現していくために、最も重要なことなのだと、今おれは実感している。
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