ゴーヤチャンプルを「沖縄の食べ物」と捉えれば、もちろん沖縄流の、醤油とカツオ節で味つけしたものが王道だ。ただしこれを「豚肉の炒め物」と捉えれば、味噌味が断然王道なのである。
きのうは豚肉とゴーヤ、豆腐が買ってあり、ゴーヤチャンプルにすることはほぼ決まっていた。あと考えどころは、「味つけ」だ。
ゴーヤチャンプルは沖縄発性の料理である。沖縄ではこの味つけを醤油とカツオ節でやるわけで、もちろんこれが、まずは王道なのは間違いない。
しかしゴーヤチャンプルを「豚肉の炒め物」ととらえた場合、また全くちがった世界が見えてくる。豚肉に合う味つけは、醤油とカツオ節以外にもいくらでもあるからだ。
中でも味噌味は、豚肉を使った料理の代表の一つが「豚汁」であることからも分かる通り、豚肉の味つけとして一つの王道なのである。
醤油が本来豚肉との相性があまり良くなく、豚肉と合わせるためにはカツオ節を加えるとか、酸味をつけるとか、何か一ひねりしないといけないのに対し、味噌はそのまま、普通に日本の味つけをするだけで、豚肉とバッチリ合う。
なので味噌味のゴーヤチャンプルも、「沖縄発祥」ということを忘れれば、「王道」と呼んで差し支えないものなのだ。
この時に使う味噌は、もちろん好きなのを使ったらいい。しかし最もうまいのは、「八丁味噌」なのである。
普通の味噌が麦や米の麹を使い、1年足らずで熟成されるのに対し、八丁味噌は大豆そのものを麹としていて、熟成に2年がかかる。そのためうま味が非常に強く、しかもこのうま味が、火を通してもなくならない。
普通の味噌だと、たとえば味噌汁をつくる際にも、最後に入れて、煮込まないようにしないと風味が飛ぶ。それに対して八丁味噌は、「煮込めば煮込むほど味がよくなる」といわれる。
煮込んだり炒めたりなど、火を通して使うのに適した味噌なのだ。
八丁味噌は、元々の豆味噌はちょっと硬すぎて使いにくい。「赤だし味噌」は、この豆味噌に普通の味噌をまぜ、使いやすいようにしたものだ。
赤だし味噌は本当に使い出があるから、常備しておくのはおすすめだ。
ゴーヤチャンプルを作る場合、豆腐はそのままではなく、あらかじめ焼いてから入れると味の吸い込みが良くなる。「それなら厚揚げを使ったらいい」と思う人がいれば、それはまさにその通りなのだが、焼いた豆腐は厚揚げとはまたちがい、サックリとした感じでうまい。
卵はあれば、生を上から割り落としたところだけれど、きのうは切らしていたから入れなかった。
ただし味噌味は醤油とちがい、味噌で十分コクがあるから、卵を入れるのはオプションだ。
フライパンにサラダ油・大さじ1を引いて中火にかけ、1~2センチの厚さに切った木綿豆腐・2分の1丁を焼く。
くっ付かないよう時々フライパンを動かしながら、表と裏をそれぞれ5分くらいずつ、こんがりと焼き色がつくまで焼いたら皿にとり出す。
豆腐を焼きながら、合わせ調味料を作っておく。
入れるのは、
- 味噌 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ1
- おろしショウガ 2センチ大くらい
豆腐が焼けたら、改めてフライパンにゴマ油・大さじ1を入れて中火にかけ、豚こま肉200グラムを箸でほぐしながら焼く。
1~2分焼き、肉がまだ赤いくらいのところで、タテ半分に割り、スプーンでわたをかき出して、3ミリ幅くらいの半月切りにしたゴーヤを入れ、さらに1~2分、肉の色が変わるまで炒める。
薄切り肉は火を通しすぎると硬くなるから、火は小さめ、加熱時間も短めにするのが肝心だ。
焼いた豆腐をもどし、合わせ調味料を入れて、2~3分炒めて火を止める。
皿に盛り、青ねぎと一味をかける。
これは、ウマイ、、、
味がしみた豆腐が、またたまらない。
あとは、とろろ昆布の味噌汁・梅干し入り。
サラダと、、、
農家のおばさんから買った古漬け。
酒は、冷や酒。
きのうは、野良猫の親子が家に上がり込んできたのである。
こういうことはそうちょくちょくはないのだが、あまりに雨がひどかったため、避難してきたものと見える。
雨に当たってずぶ濡れだから、部屋中ベチャベチャ。
でも追い出すのも可哀想で、そのまま居させてやることにした。
きのうおれは、誕生日だったのだ。一人で食事も何だから、飲みに出ようかとも思っていたが、野良猫が来たからちょうどよかった。
「居着かれても知らないよ。」
そうだよな。
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