ゴーヤチャンプルの味つけは、沖縄式の醤油と削りぶしの他に、様々なやり方が考えられる。要はゴーヤと豚肉の炒め物なのだから、どんな味つけをしたっていいわけだ。
しかしその中で最強なのは、「キムチのゴーヤチャンプル」なのである。これは「作らない奴はバカ」と断言できるくらいウマイ。
おれはこれまで、ゴーヤチャンプルに関しては、考えられる限りありとあらゆる味つけを試してきているのである。
沖縄式の正調なやつはもちろんだし、削りぶしを生卵で置き換えたのも実にうまい。ピリ辛のみそ味もおいしいし、マーボー味も、これまたウマイ。
しかし、そのおれが言うのである。
最強なのは、キムチのゴーヤチャンプルーだ。
それはまず、ゴーヤチャンプルには欠かせない豚肉が、キムチとの相性がバツグンであることが理由の一つとしてあげられる。豚キムチはもちろんのこと、キムチチゲにしても、蒸し豚にしても、「キムチは豚肉のためにある」と言ってもいいほどだ。
それからキムチは、やはりゴーヤチャンプルには付きものの、豆腐と卵とも相性がいい。キムチチゲに豆腐が入るのは知れた話だし、キムチチャーハンには、半熟の目玉焼きを上に乗せるのがセオリーだ。
さらにキムチは、ゴーヤとの相性が、また飛び切りいいのだ。
これは代表料理を思い付くことはできないが、実際に食べてみれば分かる。ゴーヤのちょっと青臭い、苦味のある味を、キムチが実にうまく包み込み、うま味に昇華させてくれる。
つまりゴーヤチャンプルの全ての具材と、キムチは最強の相性なのだ。
これが「うまくない」のなら、世の中にはうまいものなど一つも存在しないことになるのである。
作り方は、要は豚キムチにゴーヤと豆腐、卵を加えるだけの話だ。もし豚キムチの作り方にこだわりがあるのなら、この先は読まずにそのやり方でやって、問題は全くない。
ゴーヤはそのまま一緒に炒めていいが、豆腐はあらかじめ焼き付けておいた方が、味がよく染みるはずだ。
卵は、豚キムチにはやはり「トロリ」としたのがよく、半熟の目玉焼きでもおいしいが、生卵をそのまま落とすのは、非常におすすめなのである。
まず1~2センチ厚さに切った木綿豆腐2分の1丁くらいを、サラダ油・大さじ1を引き、弱めの中火にかけたフライパンでじっくり焼く。
きつね色にこんがり焼けるまで、表と裏、それぞれ5分くらいがかかると思う。くっ付きやすいので、フライパンを揺すりながらやるようにする。
豆腐が焼けたら皿にとり出し、フライパンに改めて、
- ゴマ油 大さじ2
- 豚こま肉 200グラム
- 1~2週間おいて酸っぱくなったキムチ 200グラム
- キムチの汁 あるだけ
を、この順番で重ねていく。
弱めの中火にかけ、フタをして、5分くらい蒸し焼きにする。
蒸し焼きにすることで、キムチのうま味を十分引き出すわけである。
蒸し焼きしたら、
- とり出しておいた豆腐
- タテに割り、スプーンでわたをかき出し、3ミリ幅くらいの半月切りにしたゴーヤ 2分の1本を
加えて、さっと混ぜる。
調味料、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ1
- おろしたショウガ 1~2センチ大
- 塩 少々
で味つけし、4~5分くらいか、汁気がほとんどなくなるまで、ひき続き弱めの中火でじっくり炒め、味をしみさせる。
皿に盛り、生卵を割りおとす。
これはマジでうまいから、作らないのはほんとにバカだ。
ゴーヤチャンプルーには、もちろん白めし。
それにとろろ昆布と梅干しの吸物と、、、
サラダ。
酒は、冷や酒。
きのうもいつもの如く、寝る前の記憶が朦朧としているのである。飲み過ぎなのは、いうまでもないことだ。
飲み過ぎは、髪にもよくないと聞く。
たしかにおれも、生え際が着実に後退している。
しかしもう50を過ぎて、生え際が後退したからといって、べつに大した問題ではないのである。
「そのうちツルッパゲになるよ。」
そうだよな。