豚肉とカブの吸物/豚肉を吸物にするとメチャクチャうまいのである

豚肉とカブの吸物 豚肉

きのうの晩飯は、豚肉とカブの吸物。

豚肉とカブの吸物

豚肉を吸物にすると、メチャクチャうまいのである。

 

 

豚の薄切り肉は、安くてうまく、スタミナも抜群だから、自炊人にはありがたい食材だ。ビタミンB1が豊富に含まれるとのこと、これが40を過ぎてくると抜がたく蓄積する「疲れ」を、スッキリと取ってくれる。

他の肉とはちがい、豚肉は脂肪も栄養豊富で、太りにくいのだそうだ。沖縄の人が長寿なのは、豚肉をたくさん食べるからとも聞く。

 

豚薄切り肉の食べ方は、まずは「炒め物」。それに異存があろうはずはない。

それから冬場は、「汁物」にするのがうまい。「豚汁」や「粕汁」などは、定番中の定番だろう。

 

しかし実は豚肉は、「吸物」もうまいのである。

これは意外に思う人も多いだろうから、ぼくは、声を大にして言いたい。

 

まず関東の人は、吸物を食べる習慣があまりないだろう。自然、豚肉の吸物もあまり食べないにちがいない。

関西には「肉吸い」、肉の吸物が、定番料理の一つとしてある。ただし関西では、肉は牛肉、豚肉はあまり使わない。だから関西でも、豚肉の吸物はあまり食べないのではないだろうか。

つまり「豚の吸物」は、全国的に「盲点」になっているのではないかと思えるのだ。

 

豚肉の吸物の、何がうまいかといえば、まずは、

「コッテリしながらサッパリしている」

ところ。「しゃぶしゃぶ」の感覚だ。

コッテリしたものをコッテリ食べる、「すき焼き」の感覚も、もちろんいいに決まっている。しかしそれを、あえてアッサリ食べるしゃぶしゃぶも、捨てがたいのは知れた話だ。

 

それから豚の吸物は、「青菜」に合う。

冬は青菜がおいしい季節。青菜と豚肉の相性がいいのも、言うまでもないだろう。

しかし青菜は、豚肉と合わせて汁物にしようとすると、豚汁や粕汁ではイマイチだ。豚汁や粕汁は、やはり根菜を使うのがいい。

 

ところがこれを吸物にすると、「究極」とも思えるほどうまいのである。

豚肉とほうれん草の「常夜鍋」と、ほぼおなじような考え方だ。

青菜が吸物のサッパリ感をさらに増し、それとコッテリ豚肉との対比が「たまらない」という話になる。

 

きのうはこの青菜として、カブを使った。

豚肉とカブの吸物

カブは、実は根菜だが、葉と茎も使うから、これは青菜のうちである。

カブの実も、コッテリとしたものとよく合う。豚肉とは、黄金の取り合わせの一つだろう。

 

豚肉の吸物を作るには、和風だしをきちんと使うことがポイントだ。豚肉のだしだけでは、しょうゆに合わない。

それから青菜に、小松菜やほうれん草、そしてこのカブの葉などを使うときには、あらかじめ下ゆでし、豚肉も湯通ししておく。どちらも、かなりのアクが出るからだ。

 

和風だしは、ほんだしを使ってもいいが、昆布と削りぶしのだしを取れば、うまいのは決まっている。

豚肉とカブの吸物

3カップ半(吸物2杯分)の水に、10センチ長さくらいのだし昆布を入れる。

中火にかけ、フツフツと湧いてきたら弱火にし、煮立てないようにしながら10分くらい、昆布の風味が立ってくるまで煮出す。

 

ここにザルを入れ、削りぶし・ミニパック6袋分を入れる。

豚肉とカブの吸物

いったん火を強め、フツフツとしてきたらまた弱火にし、2~3分煮出す。

削りぶしの風味が立ったらザルを上げ、削りぶしをお玉でしぼり、昆布を取り出す。

 

だしを取っているあいだに、ざく切りにしたカブの葉と茎を下ゆでする。

豚肉とカブの吸物

水には塩一つまみを振り、2~3分煮てやわらかくなったら、水で冷やして絞っておく。

 

豚肉は湯通し。

豚肉とカブの吸物

水を煮立てて火を止めて、食べやすい大きさに切った豚肉をしゃぶしゃぶとして、湯を捨てる。

 

さて出来ただし、3カップくらいあると思うが、ここに、

  • 酒 大さじ3
  • みりん 小さじ3
  • 淡口しょうゆ 大さじ3

で味を付け、まず厚く皮をむいたカブの実と、細く刻んだ油あげを煮る。

豚肉とカブの吸物

煮時間は、5分くらい。カブは煮過ぎると溶けてしまうから、竹串で刺しながら煮加減を確認する。

 

カブがほぼやわらかくなったところで、豚肉と、それにしめじを入れる。

豚肉とカブの吸物

あまり煮立てないように弱火にし、2~3分煮る。

最後にカブの茎と葉を入れ、温まったら火を止める。

 

器によそい、青ねぎと一味をかける。

豚肉とカブの吸物

 

ほっくりと暖まり、寒い時期にはオススメの一品だ。

豚肉とカブの吸物

 

ご飯は白めし。

白めし

肉吸いには、卵かけご飯がよく合うのだが、白めしも、もちろんうまい。

 

あとは、だし殻と皮や茎の炒め物。

だし殻と皮や茎の炒め物

だし殻の、サバのあらと昆布、削りぶし、それにカブの皮、大根の茎を細く刻み、ゴマ油と赤唐辛子でじっくり炒め、同量の酒とみりん、淡口しょうゆで味をつける。

これが「マジ?」というくらいうまく、酒の肴にも、ご飯のおかずにもなる。

 

それから大根のサバ酢和え。

大根のサバ酢和え

しめサバを作るのに使った酢は、和え物などに使うとうまい。

大根は、細く刻んで塩もみし、しばらく置いたら水洗いしてよく絞り、やはりしめサバに使った昆布と合わせて、砂糖とサバ酢、ほんの少々の塩で和える。

 

酒は、熱燗。

酒は熱燗

寒くなったら、やはりこれ。

 

「豚肉もお店によって味がずいぶん違うよね。」

チェブ夫

そうなんだよ。

 




 

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