「豚みそ炒め丼」をガッツリ食べた。
豚肉には「みそ味」がうまいのである。
豚バラの薄切り肉が買ってあり、晩飯はこれで何か作るつもりにしていた。野菜は、大根やらほうれん草やらキャベツやら、色々ある。
最近は、買い物の時点で献立を決めてしまうことは、あまりない。「食べたい」と思える食材を適当に買い込み、食前酒を飲みながら、何を作るか考える。
だいたい昼に献立を決めておいても、食べる直前に変わることが多いのだ。
「食べたいもの」は、腹の具合によって変わる。腹の具合は、昼と夜とでちがってくるのは当然のことだ。
だったら献立は、食べる直前に考えるのが、いちばんムダがないだろう。
献立を考えながら、自炊写真を投稿するフェイスブックグループ「自炊隊」を眺めていた。
自炊隊を見る以前には、豚肉は「大根と煮ようか」と何となく思っていた。
ところが自炊隊を見ていると、まずガッツリとした豚ショウガ焼きが出てくる。次に豚のてり焼きをキャベツに乗せたのが出てくる。
さらにキャベツを、蒸した料理が出てくる、、、
見ているうちに、それらを食べたくなるわけだ。
ここに至り、献立はほぼ決まった。
「ガッツリとした豚肉の炒め物を、蒸したキャベツの上に乗せた丼にしよう、、、」
このように自炊隊は、自炊写真を投稿し、自炊の励みにするためだけにあるのではない。
人の自炊写真を見ることで、献立を決めるためにも役に立つ。
「自炊隊に登録すると、自分も投稿しなくちゃいけないのでは?」
と思い、登録をためらっている人もいるかもしれない。
しかし、そんなことはない。自炊隊に登録している多くの人は、もっぱら人の写真を見ることに徹している。
迷っている人は、ぜひ登録してもらいたい。
もちろん登録・使用は「無料」である。
さて「ガッツリとした豚肉の炒め物」だが、これはまずは「ショウガ焼き」が定番だろう。ショウガ焼きがうまいことに、反対するつもりは毛頭ない。
しかし「しょうゆと豚肉」は、相性があまり良くない。シンプルに「酒、みりん、砂糖、しょうゆ、それにショウガ」とやってしまうと、どうもひと味足りなくなる。
それでぼくは、よくショウガ焼きに「オイスターソース」を少し入れる。魚介のだしは、しょうゆと豚肉を合わせるのには最強だ。
「バター」を隠し味に使ったショウガ焼きも、食べたことがある。バターとしょうゆは、やはり強力な取合せなわけだから、これも実にうまかった。
しかし豚肉に味を付けるのに、最もシンプルにやるのなら、最強なのは
「みそ」
なのだ。これは「豚汁」が、豚肉料理の王道であることからも分かるだろう。
豚肉料理にみそを使えば、隠し味は必要ない。
和風調味料を素直に使えば、足りないところのない味になる。
きのうはこれに、豆板醤を少し加えた。「ピリ辛のみそ味」が、またうまい。
それから最後に、酢を少し加える。これでクドさが和らぎ、一気にさわやかな味になる。
キャベツは、きのうは8分の1個、しかしこれは、4分の1個くらいはあってもよかった。ざく切りにして鍋に入れ、ほんの少々の塩をふりかけて軽く揉み、酒を少し振りかけて、弱いめの中火にかける。
キャベツはやはり、「蒸す」のがうまい。うまみが溶け出してしまわないから、ほっこりと甘くなる。
10分くらい蒸し焼きにし、やわらかくなったら、丼によそったご飯の上に敷いておく。
フライパンにゴマ油を引いて中火にかけ、食べやすい大きさに切った豚バラ薄切り肉(コマ肉でももちろん良い)を炒める。
肉の色が変わったら、
うす切りの玉ねぎ 2分の1個
ばらしたシメジ 少々
を入れて、サッと炒める。
よく溶き伸ばしておいた、
みそ 大さじ2(みそは何でもいいけれど、赤出しみそ(八丁味噌)だと特にうまい)
砂糖 大さじ2
酒 大さじ2
みりん 大さじ2
おろしたショウガ 2センチ大分くらい
豆板醤 小さじ1
を入れる。
強火にし、1分ほど、全体を返しながら炒めたら、酢・大さじ2分の1くらいを加え、ひと混ぜして火を止める。
蒸したキャベツの上に盛り、青ねぎをかける。
コッテリとしたみそ味とほっこりキャベツが、またよく合うのである。
あとは、とろろ昆布の吸物。
ほうれん草のおひたし(+ちりめんじゃこ、味ポン酢)。
キムチ(+ゴマ油・淡口しょうゆ)の冷奴
酒は、熱燗。
料理を食べながら飲む酒には、やはり熱燗が一番うまい。
ちなみにちびニャン、昨夜もケンカを吹っかけていた。
相手は「デカイの」、ちびニャンの母親だ。
ちびニャンは、母親だと分かっていないようなのだが、デカイのは「自分の子供だ」と、どうやら分かっているらしい。ちびニャンに挑発されても、やり返すことはない。
ちびニャンの近くで静かに座り、ちびニャンのことをジッと見ている。
さらにちびニャンが立ち去ろうとすると、その後を付いていく。付いてこられると威嚇するちびニャンだが、デカイのは意に介さない。
少し離れて、ちびニャンを追いかけるのである。
「ちびニャンと仲良くしたいのかな。」
そうかもな。
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