ブリカマを塩焼きにした。
まだ出始めの今の時期でも、ホクホクのトロトロなのである。
夕方近くに魚屋へ行ったら、ブリのカマが一つだけ残っていた。
ブリのアラを今年見たのは、これがはじめて。理由ははっきりしている。
売り切れていたのだ。
だいたい、買い物に行くのが遅いのだ。
目ざとい年配の奥さんは、午前中に買い物に行く。だから一番おいしいものは、お昼には売り切れてしまう。
今なら出始めの、カキやブリ。しかもブリなら、圧倒的に、アラ。
夕方に買い物に行くノロマには、お目にかかれないのも当然だ。
実際の話、ブリはアラと切り身では、おなじ魚と思えないほど味がちがう。
切り身の、赤いやつ。あれはちょっと「モソモソ」している。
年配の人などは「それがいい」と言う人もいるそうだが、ぼくはあまり好きではない。
それより、ブリの真骨頂は、「脂」にこそあるだろう。ホクホクの、トロトロになったのが「たまらない」わけである。
ブリの脂を味わうなら、切り身なら白い腹身の部分、それから頭やカマなどの「アラ」を選ぶ必要がある。
買い物でアラを選んでおきさえすれば、あとは料理がどうであっても、「不味い」ということはない。
それからよくスーパーに、「天然」のブリが売っている。これにも注意が必要だ。
鯛ならば、養殖より天然が、間違いなくうまいけれど、ブリの場合、天然モノは「ピンきり」なのだ。
スーパーなどの天然ブリは、脂がない、カスカスのやつも少なくない。
だから「天然」だからといって、無闇にありがたがってはいけない。
ブリは、「部位」で選ぶのがオススメだ。
魚屋に一つだけ残っていたブリカマを、ぼくは人に取られないよう、急いで買った。
これをどう料理するかといえば、やはり「塩焼き」一択だろう。
「ブリを焼く」という場合、「てり焼き」が定番だ。もちろんこれも、決して不味いわけではない。
しかしてり焼きは、赤身のモソモソしたブリを、おいしく食べるためにあるのではないかという気が、ぼくはする。
脂の乗ったブリカマに、甘辛い味など必要ない。
むしろ塩焼きし、おろしポン酢で食べた方がさっぱりする。
塩を表裏にパラパラと振り、骨があるから、多少しっかり目に焼くようにする。
出始めのこの時期なのに、バッチリ脂が乗っている。
これから寒くなるにつれ、さらに脂が乗ってくるから、「死ぬしかない」という話である。
きのうはあとは、豆腐の赤だし。
ちりめんじゃこと、ゴマ油をだしにした。
鍋にゴマ油少々を入れて中火にかけ、一つまみのちりめんじゃこを、サッと炒める。
水を入れ、少し煮出してから酒少々と赤出しみそ(八丁味噌)を加え、油あげと豆腐、それにシメジを煮る。
ジャガイモのご飯。
ジャガイモは1センチ角くらいに切り、水加減は酒少々を含んでいつも通り、塩ほんの少々を加えて炊く。
柿のなます。
大根は皮を付けたまま、できる限り細く切り、塩揉みして10分くらいおいたら、水洗いしてよく絞る。
柿も皮を剥き、細く切る。
酢・大さじ3、砂糖・小さじ3、それに塩・ほんの少々で和える。
酒は、熱燗。
秋はうまいものばかりで、本当にたまらない。
「早起きすれば早く買い物へ行けるのに。」
そうだよな。
ちなみに今朝は、「黒いの」が来た。
黒いのは特に警戒心が強く、ぼくが覗いていると、エサのところまで近寄らない。
それで今朝は、エサを黒いのの近くに置いた。
するとようやく、黒いのがエサを食べているところを見れた。
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