きのうは、フライパンで作るブリの照焼。
大根おろしを添えるとウマイのだ。
肉と魚を交互に食べたくなるわけで、きのうは魚の日だったのである。魚屋へ行くと、ブリの切り身を売っていた。
ブリは冬の魚だから、旬はとうに終わっている。終わっているが、食べたければ、食べてもいいのだ。
魚は旬が「特にうまい」という話であって、ブリは養殖されて年中売られているのだし、旬でないものが決して不味いわけではないのは言うまでもないことだ。
ただし、料理法にはそれなりに気を使わなくてはいけない。
旬の、トロトロに脂が乗ったブリの切り身は、塩焼きにするのがバツグンだ。魚は何でも、本当においしいやつは、あまり濃い味をつけ過ぎない方がうまい。
でもきのうのブリは、腹身の部分を買ったとはいえ、そこまで脂は乗っていないのである。
であれば、照焼きにするわけだ。
ブリは、脂が乗っていないとモッソリとしがちな魚だ。照焼きのこってりとしたタレは、それを和らげてくれるわけである。
ブリの照焼きは、フライパンで作るのが簡単だ。焼き網は、脂が落ちてモウモウと煙が出るからやめた方がいいと思う。
漬け込んでから焼くやり方もあるけれど、それだと焦げやすい。生のまま焼き、後からタレを絡めるのが、失敗の少ないやり方だ。
フライパンにサラダ油少々を引いて中火にかけ、よく熱してから、ブリの切り身を、皿に盛るとき上になる方を下にして置く。
フタをして、4~5分くらい焼く。
途中で、魚の中から水が出てきて「ジューッ」と音がすると思う。その音が収まった頃ひっくり返せば、ちょうどいい加減の焼き色がついているはずである。
こうしてフタをして焼くと、中まで火が通るとともに、皮もきちんとこんがり焼ける。わざわざ皮を鍋底に押し付けたりする必要はないのである。
裏面は、フタを外して2~3分、やはり焼き色がつくまで焼き、ここでたまった油を一旦捨てる。ブリをフライ返しで抑えながら、フライパンを流しの上で傾けてもいいし、ペーパータオルでふき取ってもいい。
そうしたら、火加減を弱火にして、タレを入れる。
タレは、
- 酒 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 醤油 大さじ1
スプーンでタレをすくい、ブリにかけながら煮詰めていく。
好きな加減に煮詰まったところで、火を止める。
きのうは一味と粉山椒をかけた。
それから忘れてはいけないのは、ちょっと強めに絞った大根おろしだ。
「塩焼きならともかく、照焼きに大根おろしはおかしい」と思う人もいると思う。でも、そんなことは絶対ない。
ブリと大根は、最高に相性がいいのである。
照焼きであっても、大根おろしを添えるのが正解だ。
あとは、ゴボウの赤出し。
煮干のだしに、酒少々と八丁赤だし味噌で味をつけ、ささがきにして水にさらしたゴボウと油あげを10分くらい煮て、最後にシメジと落とした卵をサッと煮る。
トマトサラダ。
ドレッシングは、オリーブオイル2にレモン汁1、塩コショウ。
それに、わさび醤油の冷奴。
酒は、冷や酒。
シメは、豆ごはん。
研いだ米とサヤから出したえんどう豆をやや多めの水に30分くらい浸し、酒と塩少々を加えてふつうに炊く。
きのうも、酒はうまかった。
おれはうまい酒さえ飲めるなら、あとは何もいらないのだ。
「酒もいいけど仕事もね。」
そうだよな。
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