「食物繊維を取るならこれだ!」と大見得を切っては見たものの、実はレタスの食物繊維は、野菜の中でも最下位ともいえるほど少ないそうだ。
レタスといえば食物繊維のイメージがあり、健康食品でも「レタス○個分の食物繊維」と表示されたりするわけだが、これは「え~、そんなに食べられない!」と思わせるための、一種のトリックということのようである。
なので「食物繊維を取るならこれだ!」は、たとえレタス2分の1個分を使っていたにしても、誇大広告と言わざるを得ないのだが、このレタスと豚肉のマーボー丼が、うまいことは間違いない。
レタスは生で、サラダの具として使われることが多いわけで、もちろんそれを決して「まずい」とは言わないけれど、物事はどんなものでも、旬の勢いのある時より、盛りが過ぎたあたりの方が味わい深くなるものだ。
レタスも同じで、シャッキリ感を残しながらも少しやわらかくなって、しかもそこに、味がしみているというのが、またたまらない。
その味が、さっぱりしたレタスの場合、まずこってりしたものが合うわけで、豚肉は相性が最高のものの一つである。それから韓国料理でサンチュに焼肉と辛味噌を包んで食べることから分かるように、レタスなどの葉っぱ系は、辛いものとも相性がいい。
なのでこのレタスと豚肉のマーボー丼、食べる前から「うまい」と分かる、黄金の味なのである。
マーボー味は、まずは豆板醤をドバっと入れるのがポイントだが、それに負けず劣らず、豆板醤を多めの油でしっかり炒めるのが大切だ。唐辛子の辛味は水に溶けないから、油に溶かさないと味が引き立たないのである。
それからコクをつけるには、味噌がいい。マーボーは豚肉がベースになるから、醤油はあまり合わないのだ。
ニンニクは、いつもの通り使わない。その代わり、ショウガをたっぷり利かせてある。ただしニンニクが好きな人は、ショウガと一緒に入れてもらってかまわない。
隠し味として、砂糖とオイスターソースも使っている。
フライパンに、
- ゴマ油 大さじ3
- ショウガみじん切り 3センチ大
- 玉ねぎまたは長ねぎみじん切り 玉ねぎなら4分の1個、長ネギなら10センチ
- 豆板醤 小さじ3
を入れ、中火にかける。
2~3分じっくり炒めたら、豚こま肉200グラムを入れ、豚肉の色が変わるまで、さらに炒める。
合わせておいた調味料を入れる。
調味料は、
- 味噌 大さじ2
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- オイスターソース 小さじ1
1分ほど炒めて味をなじませ、水1カップを加え、味をみてレタスの水分が出てくるのを見越してすこし強めに塩加減し、2~3分煮る。
大さじ1ずつの片栗粉と水を合わせた水溶き片栗粉を、混ぜながら少しずつ加えてトロミをつける。
火加減を強火にし、大きめにちぎったレタス・2分の1個分を入れる。
ここからはスピード勝負だ。上下を大きく返しながら手早く炒め、レタスがしんなりしかかったあたりで火を止める。
火を止めてから、味をみてもう一度塩加減する。
ご飯をよそった皿に盛る。
レタスがまた、ご飯によく合うのである。
あとは、ワカメスープ。
煮干しだし2カップに、酒・大さじ2、みりんと淡口醤油・小さじ1ずつ、塩・少々で味をつけ、ワカメとちくわを煮てお椀によそい、青ねぎとひねり潰したゴマを振る。
キュウリのごま油和え。
すりこ木でたたき、ちぎって塩一つまみで揉み、20分くらい置いて水にさらし、よく水をふき取ったキュウリを、ちりめんじゃこと、ごま油・小さじ1、砂糖と淡口醤油・小さじ2分の1ずつ、おろしショウガ・1センチ大で和える。
それに、キムチ。
酒は、冷や酒。
きのうは食べ終わったら眠くなり、そのままソファで寝込んでしまった。
ソファで寝るのはそういつもある話でもないので、今朝になって調べてみたら、レタスには催眠効果もあるそうだ。
「ただ飲み過ぎただけでしょ。」
そうだよな。
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豚肉とレタスのチャーハンは、オイスターソースで味付けするのである。