きのうは、コチュジャンのぶり大根。これは、バカウマだ。
仕事など、できればしたくないのは言うまでもないことだ。おれの理想は、小原庄助。朝寝・朝酒・朝湯が大好きで、それで身上をつぶしたいものである。
しかしそういうわけにはいかないから、もちろん仕事はする。仕事は、ネットにあるコンテンツの、文章を書いている。
しかしこの仕事、できればしたくないわけなので、優先順位が下がりに下がってしまっている。
優先順位の第1位は、もちろん酒。酒は、人生の目的であるわけで、おれは酒を飲むために生きている。
それから睡眠。夜たっぷり寝るのはもちろんのこと、昼寝も怠らない。
それからこのブログ更新と、最近はデモや人種差別へのカウンターなどへも参加するようになっている。これらもけっこう、時間がとられる。
仕事は、それで余った時間でするわけで、仕事人間などから見たら、「無」に等しいと言えそうなほどなのだ。
だからもちろん、金はない。物欲はあまりないので、物を買ったりはそれほどしない。でもさまざまな支払いがあるわけで、それは滞りまくっている。
先日も、役所から連絡が来た。健康保険料が滞納されていて、これ以上支払わないと保険証を取り上げるとのことだ。
4年前だったか、確定申告で経費を計上し忘れたため、おととし、考えられないような高額な健康保険料を請求された。それがまだ、残っていたのだ。健康保険は、2年間支払をしないと保険証が取り上げられるものらしい。
だいたいおれは、病院などへは行かないのだ。保険証も、この2年間、まったく使っていない。
でも50を過ぎて、いつ大病をするかも分からないわけだから、保険証を失くしてしまうわけにはいかない。
それで役所で、2年前の分だけ払って、何とか保険証は維持できた。
一事が万事、この調子なのである。
もっとちゃんと仕事しろよと、我ながら思うわけだが、だらしない性格だから、仕方ないのだ。
そのだらしないおれも、めしを作ることにかけては熱心だ。きのうはぶりのアラがあったから、それを食べることにした。
ぶりの旬は、年明けごろから。でも今まさに、ぶりは脂をため込んでいる最中だから、そろそろ食べどきに入っている。
ぶりのあらといえば、やはりぶり大根。ぶりと大根は、食べ物のなかでも最高の相性の一つなのだ。
これをきのうは、韓国味で、コチュジャンを使うことにした。
しょうゆ味の、日本風のぶり大根が、もちろんうまいのはまちがいない。おれもこれまで、何度となく作っている。
しかしこのごろ、キムチやコチュジャンを使うようになってみて、正直いって、サンマやぶりなどの青魚に関しては韓国味のほうがうまいのではないかと思うのだ。
青魚には、独特のエグみがある。これをどう中和するかが、青魚を使った料理のキモとなる。
しょうゆだけでは、そのエグみを中和するには足りないから、日本では、サンマやいわしは山椒や梅と煮る。ぶり大根の場合なら、大根が、ぶりのえぐみを中和する役割を果たしている。
でもじつは、それだけではまだ、中和しきれていないのだ。だから日本は、「苦味を楽しむ」という、独特の文化が発展してきたのかとも思う。
ところがそれが、キムチやゴマ油、コチュジャン、にんにくなどを使うと、完璧に中和され、バランスのとれた味になる。
「魚臭さ」がなくなるから、魚を食べなれない人にとっては、こちらのほうがうまいのではなかろうか。
朝鮮半島から中国は、味つけの基本は、やはり「にんにく」。日本では、これが鎌倉時代に禁止されてしまったから、にんにく味は発展することができなかった。
だからそこは、朝鮮・中国に学びながら、素直に取り入れるのがいいのではないか。
最近は、そのように思うようになっている。
というわけで、コチュジャンのぶり大根、作り方は、基本は普通のぶり大根とおなじ。調味料が、ちょっと変わるだけという話だ。
ただし最後に、シメジやもやし、ニラなどを加えることにした。これはなくても問題ないが、入れればさらにうまいのはまちがいない。
ぶりアラは、熱湯にサッと浸してすぐにとり出し、洗ってヌメリや血のかたまりをとり除く。
鍋に、
- だし昆布 10センチくらい
- 細切りのショウガ 2センチ大分くらい
- 丸まんまのにんにく 1かけ
- 皮をつけたまま2~3センチ大の乱切りにした大根 ぶりと見た目同量か、それよりちょっと多いくらい
- 洗ったぶりアラ
- 水 ヒタヒタになるくらい(たぶん3カップ程度)
を入れ、あらかじめ混ぜ合わせておいた、
- コチュジャン 大さじ2
- 酒 大さじ2
- しょうゆ 大さじ2
を入れる。
コチュジャンは、YUKIなどスーパーで売っている日本製のものと、韓国製のものでは味がだいぶちがう。韓国製のは辛みが強く、さらに甘みが控えめになっている。
韓国製のを使うばあいは、砂糖を少し足したらいいと思う。
強火にかけ、煮立ってきたら中火にし、はじめに出てきたアクをサッと取って、落としブタをして30分くらい煮る。
30分で、煮汁が3分の1(1カップ)くらいになるまで煮詰めるようにする。
最後にシメジともやし、ニラを加え、ゴマ油・大さじ1をまわしかけ、サッと煮て火を止める。
コチュジャンのぶり大根の味のポイントは、最後に入れるゴマ油なのだ。だからこのゴマ油を入れるまで、味見をしても、「どうも味が決まらない」と感じることもあると思う。
でもそれは、ゴマ油を入れることで完全に決まるから、気にしなくていいのである。
味見は、とりあえず「塩気」のみを見るようにするのがいいと思う。
魚を崩さないように気をつけて、皿に盛る。
これはほんとに、バカウマだ。
あとは、わかめスープ。
頭とわたを取った煮干しと乾燥わかめを、30分くらい、わかめがトロトロになるまで煮て、酒と塩、淡口醤油それぞれ少々で味つけする。
それに、白めし。
酒は、栄川。
きのうも飲み過ぎてしまったのは、言うまでもないことだ。
こうしておれは、自分で自分の首を毎日、シメているわけである。
「そのうちぜったい路頭に迷うよ。」
そうだよな。
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