ぶりあらと大根のコチュジャン汁。ふつうはしょうゆで味つけするぶり大根は、じつはニンニクとコチュジャンを使ったほうが、絶対うまい。さらにきのうはこれを汁にしたわけで、うますぎてマジで死ぬ。
パンツを毎日とり替えるやつはバカだ。おれなんか、自慢じゃないが週に1ぺんだ。
友達で、スポーツクラブへ行くのに、替えのパンツを持っていくのを忘れたのだと。一度脱いだパンツはもう履けないから、パンツは履かず、ズボンだけ履いて家に帰ったというやつがいる。
こういうやつは、清潔信仰に汚染されているのである。
べつに一度脱いだパンツを履いても、何か問題が起こるわけではない。よっぽど小さな子供なら別として、それで病気になることもない。
なのに、一度脱いだパンツは履いてはいけないと、思い込んでいる。
パンツだって、毎日替えれば、その分洗濯しないといけない。必要のない自己満足のために、手間を増やしているわけだ。
それから旅行。パンツを毎日替えないといけないのなら、替えのパンツをたくさん持っていかなくてはいけない。その分、荷物は増えるわけだ。
おれなんか、一週間くらいの旅行なら、パンツなど持っていかない。だからどこへ行くのも、いつも使っているデイパックだけで十分だ。
このように、清潔信仰に冒されているやつは、自分で自分の首を絞めているのだ。
ただしパンツを替えないばあいの問題点は、人から「汚い」と思われることだ。女性などから、軽蔑した目で見られることもあると思う。
しかしそういう人の目にイチイチ左右されていては、ロクな人生は歩めないに決まっている。気にせず、自分の道をつらぬくのがオススメだ。
と、非常に大事な指摘をしたところで、きのう食べたのは、ぶりあらと大根のコチュジャン汁。
これが、死ぬほどうまかった。
ぶりも、いよいよ旬に突入した。これから2月の半ば頃まで、脂が乗りまくっている。
特におすすめなのは、やはり「あら」。
脂の乗りは、切り身よりはるかにいいのに、値段は安い。
このぶりあらを料理するなら、代表選手は、ぶり大根。「おなじ季節の海のものと山のものとは相性がいい」といわれるなかでも、このぶりと大根は、お互いがお互いのクセを補い合って、相性が最高だ。
ぶり大根は、もちろん普通はしょうゆで作る。
しかしこれは、まちがいなく、ニンニクを利かせたコチュジャンで作ったほうがうまい。
日本はもともと、しょうゆは淡口しかなかったし、料理はうす味で作っていたはず。だから魚も、うす味が合う鯛などの白身のものを使っていただろう。
ところが江戸時代に濃口醤油が発明され、それを砂糖と煮詰めることで、「こってり」とした味を作れるようになった。それにより、クセのあるぶりなど青魚も、こってり味でクセを相殺し、食べられるようになったのではないか。
しかしそれでも、青魚のクセは残っている。魚が好きな人にとっては、そのクセこそが魅力なわけだが、日本人でも魚を嫌う人はいる。
このクセが、ニンニクとコチュジャン、それにゴマ油を使うことで、完璧に取れるのだ。魚臭さは皆無になり、申し分なく整った味になる。
日本人が、なぜその味を出せなかったのかといえば、ニンニクが使えなかったからだ。鎌倉時代に、ニンニクの使用は公式には禁止された。
ニンニクが使えないなかでの精一杯が、あのしょうゆと砂糖のコッテリ味なのだ。だからこれは、日本人のせいではなく、日本の政治体制の問題であったといえる。
でも今は、ニンニクを使って誰に憚ることもない。
ぶり大根は、ニンニクをたっぷり使ったコチュジャン味でやる手なのだ。
コチュジャンは、韓国製より日本製の、甘みが強いものが使いやすい。スーパーで売っているのなら「YOUKI」のだし、本格的に使おうと思うのなら、豊田商店など在日コリアンの店で手に入れるのがおすすめだ。
さらにきのうは、このぶり大根を「汁」にした。コチュジャン味のあら汁というわけで、これがまたマジで死ぬ。
作り方は、ただ煮るだけだから、たいして難しいこともない。どうやって作っても、大きく失敗することはないと思う。
ぶりあら・1パックは、沸かして火を止めたお湯に、サッとひたしてすぐ取り出す。そのあと水で軽く洗う。
日本式にぶり大根を作るばあいは、臭みを残さないために、この湯通しやアク取りが大きなポイントになってくる。でもニンニクを使うばあいは、それで臭みが消えるから、あまり神経質にならなくていい。
鍋に、
- 湯通ししたぶりあら
- 1~2センチ厚さ程度に皮をつけたまま乱切りした大根 10センチ分くらい
- ニンニク 2~3かけ
- だし昆布 10センチくらい
- 水 4カップ
- 酒 2分の1カップ
を入れて中火にかけ、茶色いアクが出てきたら、サッと取る。(白いアクや脂は、うま味の元なので取らない)
- コチュジャン・大さじ4
- 豆板醤 小さじ2
を入れ、弱火でフタをして20分ほど、大根にスッと串が刺さるようになるまで煮る。
大根がやわらかくなったら、
- 淡口醤油 大さじ4(味を見ながら)
- コショウ 1ふり
を加え、手でちぎった(味をしみやすくするため)木綿豆腐・2分の1丁を入れて、さらに15分くらい、弱火で煮る。
最後に、
- ばらしたシメジ 1袋
- ざく切りにしたニラ 1把
を入れてサッと煮て、ゴマ油・大さじ1をまわしかけて、火を止める。
どんぶりに、並々とよそう、、
ぶりは脂が乗ってトロトロで、これはほんとにたまらない。
あとは、もちろん白めし。
酒は、焼酎水わり。
このコチュジャン汁が、また酒が進むのだ。
おかげできのうもまた飲み過ぎて、終盤の記憶がないのだが、記憶がなくなれば、パンツを替えていないことも忘れるから、ちょうどいいのだ。
「自慢じゃないよ。」
そうだよな。
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