【豚生姜焼き】ニンニクを入れると3億41倍うまい!

反和食レシピ

豚生姜焼きを作るのに、基本の調味料である「醤油、みりん、酒、ショウガ」だけでは「コクが足りない」と思う人は多いはず。なぜかと言えば、ひとことで言えば「ニンニクを使わないから」です。この記事では、「豚生姜焼きニンニク入り」の作り方を紹介します。

 

豚生姜焼きニンニク入りがおいしい理由

豚生姜焼きニンニク入りがおいしい理由は、相性が悪い「醤油と肉」を合わせるのに、ショウガだけでは役不足だからです。ニンニクを加えると、完全に味が調います。唐辛子とコショウを入れると、さらにウマイです。

醤油と肉を合わせるのにショウガだけでは役不足

醤油と肉は、基本的に合わないです。焼き魚なら、醤油だけかけて食べてもおいしいのに、例えばとんかつは、醤油だけかけてもおいしくないと、すぐにわかると思います。

とんかつは、塩だけかけて食べてもおいしいです。なので、とんかつに醤油をかけるとおいしくないのは、とんかつの味に問題があるのでなく、とんかつと醤油が合わないからです。

「だったら醤油はやめて、塩味にすればいいのに」と、当然思うわけですが、日本人は、醤油があまりに好きなため、何にでも醤油をかけなければ気が済まないというこなのでしょう。そのために、文明開化後、日本人が肉食をするにあたり、「相性が悪い醤油と肉をどうやって合わせるか」を追求する、苦闘の歴史が展開されてきたと思います。

「生卵」が最初の解

醤油と肉を合わせるために、強力であることがまず発見されたのは、「生卵」だったでしょう。日本の伝統的な調味料である醤油と砂糖に、生卵を加えると肉がおいしく食べられるのは、「すき焼き」が示す通りです。

生卵を使うやり方は、親子丼やカツ丼などは半熟卵でとじますので、今でも和食で肉を使う際には王道だと言えるでしょう。

その他にもさまざまなやり方

醤油と肉を合わせるために、そのほかにもいくつものやり方が考案されてきています。

とんかつの場合には、とんかつソースをかけますが、このとんかつソース、乱暴に言ってしまえば「醤油に甘みと酸味、辛みを加えたもの」です。酸味が醤油と肉を合わせるのは、とんかつにおろしポン酢をかけて食べるとうまいことからわかる通り。また辛みについては、とんかつは醤油だけではおいしくなくても、カラシ醤油で食べるとおいしいことからわかります。

あとは、魚介ダシ。醤油豚骨のラーメンは、昔は化学調味料をたっぷりと入れることで味を調えました。化学調味料は、昆布や魚から抽出されたうま味成分です。化学調味料の人気が低下してからは、醤油豚骨ラーメンは、煮干しなどの魚介ダシを加えることが一般的になっています。

ショウガでは役不足

以上のように、醤油と肉を合わせるための方法は、さまざまに考案されてきています。それでは、なぜ豚生姜焼きのコクが足りなくなるかと言えば、ひとことで言えば「醤油と肉を合わせるためにはショウガでは役不足だから」です。

ショウガでは役不足であるために、豚生姜焼きは、隠し味を加えることが一般的になっています。豚生姜焼きに加える隠し味は、ゴマ、味噌、バター、オイスターソース、ケチャップなどなど。どの豚生姜焼きのレシピを見ても、隠し味を使っていないものは「まずない」と言っていいほどです。

ニンニクを加えると完全に味が調う

さて、じつは、その「醤油と肉を合わせるための調味料」として、生卵とならんで最強なのが「ニンニク」です。「醤油と砂糖にニンニクを加えたもの」は、在日朝鮮人が発明した「焼肉のタレ」として知られています。焼肉のタレが、肉に最高に合うものの1つであることは、言うまでもないでしょう。なので、生姜焼きにも、ニンニクを加えると完全に味が調います。

醤油豚骨のラーメン店でも、ニンニクは好みで加えられるようになっているところが多いです。また、とんかつも、「ニンニクかつ」をラインナップしているとんかつ店も多いです。

肉をおもに食べる国や地域で、ニンニクを使わないところは、ほぼないのはないでしょうか。ニンニクは、肉をおいしく食べるための必須の調味料だと言えるでしょう。

なぜ豚生姜焼きにはニンニクを加えないのか?

それではなぜ、日本では豚生姜焼きにニンニクを加えないのかといえば、理由は「日本人のつまらないプライド」だと思います。

日本人は、現代では、洋食やパスタ、カレー、中国・韓国料理などでニンニクを使うことに、抵抗がない人は多いでしょう。でも、こと「和食」となると、かたくななまでにニンニクを使いません。

生姜焼きの例でわかる通り、和食でも、ニンニクを加えた方がおいしいものは多いです。それをあえて使わないのは、「キムチ臭い(=ニンニク臭い)」が蔑称として使われる、日本人の差別意識に根ざしていると思います。

もちろん、誰でも好きなものを食べればいいです。であるとはいえ、僕はそんなつまらない、ニンニクを使わない豚生姜焼きには、蚊の涙ほどの魅力も感じません。

唐辛子とコショウ、オイスターソースを入れるとさらにウマイ

ちなみに、「醤油+砂糖(みりん)+ショウガ+ニンニク」に、さらに唐辛子(豆板醤)やコショウ、オイスターソースを加えると、うまいです。ニンニクは、スパイスと相性がよく、オイスターソースを入れるとコクが出るからです。

ただし、これは、和風ニンニクなしの豚生姜焼きの「隠し味」とはちがいます。和風豚生姜焼きの隠し味は、「それを加えなければまずい」ものであるのに対し、豚生姜焼きニンニク入りの唐辛子やコショウ、オイスターソースは、「なくてもいいけど、あればさらにおいしい」ものだからです。

豚生姜焼きニンニク入りを作るポイント

豚生姜焼きは、焼き方や、いっしょに入れる具材にも、多少の配慮が必要です。

豚肉にはかるく下味をつける

豚生姜焼きは、

  • 肉をタレに漬け込んでから焼く
  • 肉を焼いてからタレを加える

の、2つのやり方があります。好みですが、焼いてからタレを入れた方が、こんがりと仕上がっておいしいです。

ただし、肉を焼く場合にはすべからく、下味をつけなければなりません。火が通ってしまうと、肉には味が入らなくなるからです。なので、肉に塩こしょうと酒をもみ込んでから焼きます。

野菜は玉ねぎを入れないのも全然アリ!

豚生姜焼きには、玉ねぎを入れるのが定石です。これは、ニンニクと同類の玉ねぎを「ニンニクの代用品」として使うという、「何とかニンニクを使わなくて済むようにするため」のいじましい努力だとみなせます。

ニンニクを入れてしまえば、玉ねぎは、使っても使わなくても、味の根本に影響はなくなります。玉ねぎも入れるとおいしいですが、今回はたまたま玉ねぎを切らしていたので、野菜はオクラとしめじを入れました。

ショウガはせん切りでOK

豚生姜焼きでは、なぜかショウガは、すり下ろして入れることになっています。でも、わざわざ洗い物を増やしておろし金を使い、時間をかけてすり下ろす必要はないと思います。ショウガは、せん切りすれば十分です。

むしろ、せん切りのほうが、ショウガの味が局在することになりますので、「ガツン」としたインパクトがあっておいしいです。一般に和食で生姜を使う際には、薬味として使うのでない限り、せん切りにすると思うので、なぜ生姜焼きに限ってすり下ろすのか、よくわかりません。

豚生姜焼きニンニク入り レシピ

豚生姜焼きニンニク入りのレシピは、豚肉とショウガ、ニンニク、野菜を炒め、調味料を入れるだけですので、10分くらいで手軽にできます。簡単ですので、初心者でもまず失敗はせず、おいしくできると思います。

STEP1 肉と野菜を焼く

フライパンに、

  • ゴマ油 大さじ1
  • ニンニク 1かけ(せん切り)
  • ショウガ 2センチ大とたっぷり(せん切り)
  • 豆板醤 小さじ1
  • 豚こま肉 150グラムなど好きなだけ(塩こしょう、酒少々で下味をつけておく)

を入れて中火にかけ、1~2分、豚肉の色が変わってくるまでじっくり炒める。

つづいて、

  • オクラ 4~5本(先端とヘタを取って1センチ厚さくらいの斜め切りにする)
  • しめじ 4分の1袋くらい(石づきを落としてほぐす)

を入れ、30秒くらいサッと炒める

STEP2 調味料を入れる

  • 酒 大さじ2(紹興酒だとなおおいしいです)
  • みりん 大さじ1
  • 醤油 大さじ1
  • オイスターソース 小さじ1

を加え、1分ほど炒める。

煮詰まって汁気が少なくなってきたところで、器に盛り、粗挽きコショウをかける。

まとめ

この豚生姜焼きニンニク入り、ニンニクなしのものより、だいたい3億41倍はウマイです。

ご飯にかけて食べると最高ですよ!

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