きのうはニラ入りの親子煮。これは癒し系なのに、パンチもありだ。
酒は飲み放題、タバコは吸いたいだけ吸っているのに、「健康に気を使っている」などというと、医者に言わせれば「バカか」という話である。
バカなのは重々承知で、子供のころから強情で、人の言うことを聞かないこの性格、死ぬまで治りそうにない。
できれば健康になど気を使いたくないのは、知れたこと。しかし50を過ぎると、そうは言っていられなくなる。
何より実感するのは「歯」で、これはとたんにガタが来る。食事のたびに、食後にていねいに歯をみがき、さらに歯間ブラシまでしないと、すぐに歯茎が炎症をおこす。
これは明らかに、人体の耐用年数は50年ということだ。実際ついこないだまでは、人間の平均寿命は50年だったのだ。
おれも早く、寿命が来たらいいのにと思うのである。
しかし寿命は、勝手に決められるものではないから、なんとか頑張って、健康に気を使っているわけだ。
その健康への気の使い方も、もちろん人の言うことは聞かない。栄養など、基本的に考えない。
とはいいつつブログでは、栄養のことをあれこれ書く。でもそれはあくまで後付けで、食べるものを考えるときには、栄養は一切考慮にいれない。
それではどうするかといえば、「食べたいものを食べる」ことに尽きるのだ。
自分の体は、そのときどきで必要な物をわかっているから、その声を聞き、忠実にそれに従えば、健康でいられるはずだという考えだ。
これは、なかなかいいと思っている。疲れていれば、肉が食べたくなり、肉がつづけば魚が食べたくなる。コッテリとしたものを食べれば、翌日は、アッサリとしたものが食べたくなる。
体は足りないものを補うために、日々指令を発していると思うのだ。
それでは酒やタバコはどうなのか、ということにはなる。体によくないのは、言うまでもないことだ。
しかしまあ、それは「ゴメンナサイ」ということだ。体には負担をかけるが、これはおれの頭が、「やりたい」と言うのだから、仕方がない。
ただしその分、お前の言うことは聞くから、と思っている。
そのくらい、甘えさせてもらっても、バチは当たらないはずだ。
さてそういうわけで、このところキムチ味だの、トマト味だの、脂っこい、パンチが利いたものが続いていたから、癒やされるものが食べたくなった。
となれば、親子煮だ。
和風のだしで、鶏肉と玉ねぎ、それにたっぷりの卵を煮た親子煮は、癒やし度満点であるのは言うまでもない。
しかし同時に、多少のパンチも欲しかった。
となれば、ニラ。
ニラと卵は、「ニラ玉」でおなじみの黄金のコンビなわけで、「ニラ入りの親子煮」は、「鶏肉のニラ玉」と言い換えてもいいのである。
煮汁のだしは、煮干しで取る。煮干しはだしを取るのが手軽だし、味的にも、煮物に使うのは問題ない。
ニラは、1把全部を入れる。入れる前は「多すぎるかな」とも思うのだが、ニラは火が通るとおどろくほどシュンとなるから、それでちょうどいいはずだ。
鍋に、
- 水 1+2分の1カップ
- 頭とわたを取った煮干し 1つまみ
を入れて中火にかけ、沸いてきたら、かるく煮立つくらいの弱火にし、アクがでたら取りながら10分煮出す。
これで、ちょっと煮詰まって1カップくらいの煮干しだしが取れるから、そこに、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ1
で味つけする。
弱火のまま、
- 食べやすい大きさに切った鶏(きのうはモモ)肉 200グラム
- くし切りにした玉ねぎ 2分の1個
を入れ、10分くらい煮る。
鶏肉は弱火でゆっくり煮るのが、味をしみさせ、硬くしないためのコツとなる。
中火にし、ざく切りのニラ1把を入れてひと煮立ちさせたら、溶き卵3個分をまわし入れる。
かるく煮立てて、そのあとはフタをして火を止め、蒸らし、好みの加減に仕上げる。
皿に盛り、一味をふる。
言わずと知れた、王道の味。
あとは、しじみの赤出し。
肝臓が、「食べてくれ」と言ったのだ。
しじみは、水1カップにたいして塩小さじ1くらいの塩水に、30分~1時間くらいつけて砂抜きし、そのあと殻を両手でこすり合わせるようにしてよく洗う。
しじみ100グラムにたいし、1カップくらいの水に入れ、酒少々をくわえて中火にかけ、殻がひらいたら火を止めて、赤出しみそを溶き入れる。
それに、白めし。
酒は、花春。
きのうはしじみの赤出しがあったから、「これは二日酔いしないな」と、気が大きくなった。
それで結局、いつもより余分に飲んでしまうことになったから、しじみを食べた意味がなかったのである。
「バカだよね。」
そうだよな。
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