会津の銘酒「花春」純米をお取り寄せした。これは月桂冠にもちょっと似た、「王道」といえる味だ。
福島・会津といえば、全国でも有数の酒どころ。うまい酒はごまんとある。
そのなかで「花春」は、郡山へ行ったときの印象でいえば、京都でいうと「月桂冠」のような位置づけではないかと思うのだ。
月桂冠は、いわずと知れた京都の酒。現在でこそ白鶴に抜かれたものの、かつては全国でトップシェアだったそうだ。
この月桂冠、京都でのイメージは、
「飲み屋の看板やちょうちんでいちばん名前を見かける酒」
だ。
トップシェアだったくらいだから、営業活動にも熱心なのだろう。その分、大衆的なイメージで、いまの地酒ブームからは、遅れをとっているかもしれない。
花春も、郡山の飲み屋街をまわったとき、看板に、いちばん名前を見かけた気がした。
それで、
「ああ、花春は、京都でいえば月桂冠だ」
と思ったわけだ。
先日、鶴橋のキムチをお取り寄せして、お取り寄せにちょっとハマった。それで今度は日本酒を、いろいろお取り寄せしてみようと思った。
その第一号として選んだのが、この花春。
「王道の味」だったからだ。
最近は日本酒というと、「淡麗辛口」が尊ばれているようだ。30年くらい前か、「甘口の酒が多いとお嘆きの貴兄へ」とのCMコピーが流行ってから、「日本酒といえば辛口」というイメージになったのではないか。
甘い酒がいいか、辛い酒がいいかは、もちろん好みの問題で、どちらがいいということはできない。
ただ、日本酒は「辛いのがいい」「スッキリとしたのがいい」と考える人が増えたのは、好みとは別の問題があるのではないかと思うのだ。
「日本酒ばなれ」が原因だと思うのである。
日本酒は、ほかの酒とは大きくちがう。何しろ米という穀物が原料で、それを蒸留もしないでそのまま飲む。
なのでほかの酒と比べると、強烈なコクがあり、これは飲み慣れない人にとっては「臭い」と感じられるはずだ。
この臭さが敬遠され、日本酒は人気がなくなったのではないかと思う。
そこで日本酒メーカーは、よりすっきりとした淡麗辛口路線にかじを切り、さらにそれを冷やして飲むなど、少しでも臭みを感じさせないように、工夫を凝らしてきている気がする。
しかし日本酒のこの臭み、なぜ感じるのかといえば、「飲み慣れないから」なのだ。
日本酒には、米に由来する多様な成分が含まれているだろう。たぶんそれに、体が慣れないといけないのだ。
飲みつづけ、酒に体が慣れてくると、それまで「臭み」と感じたものが、「うまみ」に変わる。
だから日本酒を飲み慣れた者にとっては、「臭い酒のほうがうまい」ことになる。
甘口の酒は、そういう意味で、「王道」といえるのだ。
月桂冠は、はんなりとした、いかにも京都らしい甘みがある。花春も、やはりそういう甘めの、酒飲みにとっては「王道の味」なのだ。
ただし花春は、月桂冠より、甘み、辛みの両方とも強い。
そのためやや「やんちゃ」な風情で、それがいかにも東北らしいと思うところだ。
今回お取り寄せしたのは、純米酒。純米酒で、価格は2,000円ほどだから、安い部類に入るだろう。
この花春純米、「第6回燗酒コンテスト」で金賞を受賞したとのこと。たしかにぬるめの燗につけると、いかにもウマそうなのだが、まだそれほど寒くないので、常温でしか飲んでいない。
お取り寄せした先は、「逸酒創伝」という酒問屋。
日本酒はもちろん、ビール、ワイン、洋酒、焼酎、膨大な品揃えがあって、けっこうスゴイ。
Amazonと楽天市場の両方にショップをもっていて、不思議なことに、価格がちがう。
Amazonのほうがやや価格が高いが、送料は安い(本州なら無料)から、それを含めて考えれば、Amazonで買ったほうが得だ。
「花春」純米 1.8L
価格 2,294円(税込)
送料 本州:無料、四国:200円、北海道・九州:500円、沖縄・離島:1500円
価格 2,060円(税込)
送料 関東地方:500円、その他本州:550円、四国:690円、北海道・九州:900円、沖縄:1500円