たけのこは、キムチの味に合うはずだと思ったのだ。何しろ中華風のピリ辛味にとてもよく合うのだから、キムチに合わないわけがない。
それで実際作ってみたら、案の定、相性最高。簡単にできてバカウマだから、ぜひ作ってみた方がいいのではないかと思う。
たけのことキムチを合わせた料理は食べた覚えはないのだが、まちがいなく合うはずだと直感的に確信した。
まあ僕の直感など大してアテにはならないわけだが、実際作ってみるとクソうまく、土佐煮などより、よほどこっちの方がうまいと思った。
日本の煮物をキムチ味に変換すると、まずウマイ。肉じゃが然り。キムチ肉じゃがは実際に作ってみると、「何、マジこれ、信じられない!」と思うほどうまいはずだ。
それからサンマを煮たのも、キムチを入れた方がうまい。
まあこれは、日本人としては多少残念な気持ちになるのだが、日本は長年ニンニクが禁止されてきたわけだから、仕方ないのだ。コッテリとした味はニンニクを入れた方がうまいに決まっているわけで、これは観念してあきらめて、素直に学ぶしかない気がする。
それから今回、生の水菜を細かく刻み、たっぷりとかけたのだ。実はこの手は大阪十三・あらい商店から盗んだものだが、これがまたウマかった。
水菜は生でも食べられる。といっても日本の料理で、水菜を完全に生のまま使うことは少ない気がするのだが、温かい煮物に混ぜ込むと、シャキシャキとしながらちょっとしんなりとしたところが最高のアクセントになるのである。
日本で薬味として生で入れるのは、やはりネギ。でもキムチを入れればネギ系の味はすでにニンニクがあるわけで、それよりは水菜の方が、全体が爽やかになるのがいい。
作るのは、非常に簡単。時間も大してかからないし、初心者でも塩加減をまちがえたりなどさえしなければ、まず失敗はしないと思う。
キムチもそうそう大量に使うわけにもいかないから、ニンニクと豆板醤、それに酒・みりん・薄口醤油で味をおぎなう。
たけのこは最初から一緒に入れて、しばらく蒸し焼きにすることで、味を含ませるようにする。
フライパンに、
- ゴマ油 大さじ2
- ニンニク 1かけ (すり下ろす)
- 豆板醤 小さじ1
- 豚うす切り肉(きのうは肩ロース) 150グラム (食べやすい大きさに切る)
- キムチ 豚肉と見た目同量程度
- キムチの汁 あるだけ
- 水煮タケノコ 2分の1本 (5ミリ~1センチ厚さくらいのくし切りにする)
を入れて、フタをして弱火にかける。
時々混ぜながら10分くらい、じっくりと蒸し焼きにする。
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 薄口醤油 大さじ1
- 塩 少々 (味をみて)
- コショウ 1~2振り
を加え、弱めの中火くらいにして、煮汁を飛ばしながら炒め上げる。
塩を入れ過ぎないのがポイント。(実はきのうは入れすぎた)
1センチ幅くらいに細かく刻んだ水菜を、ドバっと乗せ、食べながら粗挽きコショウやパルメザンチーズをかける。
これは、マジでたまらんわ……。
「豚キムチは、たけのこのためにあるのではないか」と思うくらいの相性だ。
キムチの味がしみたたけのこは、460回くらい死ねる。
あとは、わかめスープ。
鍋に、
- 水 2+2分の1カップ (2杯分)
- 煮干し 1つまみ (頭とワタを取る)
- ニンニク 1かけ (押しつぶして薄皮をむく)
- 乾燥わかめ 2~3つまみ
を入れ、5~10分くらい煮て、
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ2
- 薄口醤油 大さじ1
- 塩 少々
- コショウ 1~2振り
で味をつけ、お椀によそってネギとひねり潰したゴマをかける。
このたけのこ豚キムチが死ぬほど酒に合うのは、言うまでもないことだ。
もういっそのこと「飲み過ぎは仕方ない」とあきらめるのが、ラクになる方法ではないかと思う。
「廃人になるよ。」
そうだよな。