豚肉に卵とタケノコを合わせ、うす味のトロミをつけた定番料理。この味つけに、干し椎茸とみりんを使うのは、病みつきになること請け合いなのだ。
豚肉に、やわらかな卵、歯ごたえのタケノコを合わせ、うす味のトロミをつけた定番料理。
うまいのは言わずと知れたことである。
この味つけに、このところ完全にハマっている「和的中華味」。もう10日は連続で食べている。
まず干し椎茸のだしがうまいのだ。多少のクセはあるものの、コクがあり、オイスターソースともよく合って、鶏がらスープよりうまいくらいだと思う。
だしは15分で取れるから、手間は全くかからない。値段も中国産なら「中」が1枚10円だから、試してみるのはおすすめだ。
それから「みりん」を入れている。分量は、ちょうど関西風うどんだしと同じくらい。
中華にはふつうは入れない甘みがほんのりと加わることで、日本人好みのやさしい味になる。
この干し椎茸とみりんの甘味のコンビネーションが絶妙で、病みつきになるのは請け合いなのだ。
この味つけは、今回のように炒め煮にしてもいいし、だしの量を増やして汁にしてもまたうまい。さらに辛みと酸味を強めると、ちがった風情も楽しめる。
材料も、わりとどんなのでも合うし、使い出は非常にある。飽きも来ず、和風のうす味と同様に、「基本の中華味」とできるのではないかと思う。
さて豚玉炒めタケノコ入りをつくるのは、まったく難しいことはない。炒め煮は、味を見ながらゆっくりと作れるから、失敗の少ない料理だと思う。
ポイントを上げるとすれば、「できるかぎり弱い火でやる」こと。
中華屋が強火を使うのは、味のためというよりも、少しでも速くつくって時間効率を上げるためではないかと思う。中華料理が商売として成功したのは、この時間効率の高さが大きな要因ではないだろうか。
でも家庭では、そこまで効率を考えることもない。
特にうす切り肉の場合には、火を通しすぎると硬くなる。弱火で炒め、弱火で煮ると、もっちりとやわらかく仕上がるのだ。
野菜を炒めるのも、火を通すためというより、味のついた油を絡ませることが目的だから、火は強い必要がない。
だしを加えて煮立たせるときや、トロミをつける際に中火が必要になるくらいなもので、あとは弱火か、弱めの中火くらいで十分だ。
それから卵は、初めに炒めておいて皿にとり出し、最後に加えるようにする。
彩りのニラも、火があっという間に通るから、炒めずに最後に加える。
まずは干し椎茸のだしを取る。
鍋に、
- 水 1+2分の1カップ(1カップのだしが取れる)
- 干し椎茸(中) 2枚
を入れ、フタをして中火にかけ、煮立ったら火を止めて、そのまま15分以上置く。
並行して卵を炒める。
フライパンにサラダ油・大さじ1を入れて中火で熱し、溶き卵・3個を入れる。あまり細かくかき混ぜず、じっくりと焼いて大きめにまとめる。
火が通ったら、皿にとり出す。
フライパンに、
- サラダ油 大さじ2
- ニンニクみじん切り 1~2かけ
- タネを出し、小さくちぎった赤唐辛子 1本
を入れて弱火にかけ、2~3分、ニンニクがきつね色になってくるまでじっくり熱し、味をひき出す。
一旦火を止め、豚うす切り肉(きのうは肩ロース)200グラムを広げて入れて、
- 塩 1つまみ(小さじ2分の1)
- コショウ 少々
をふりかける。
ふたたび弱火をつけ、4~5分くらい、特に脂身の部分が鍋肌に触れるよう、箸で抑えたりなどしながら、混ぜずに焼く。
豚肉に8割方火が通ったくらいのところで、
- 3ミリくらいの厚さに切った水煮タケノコ 2分の1
- 細く刻んだニンジン ちょっぴり(多いと赤っぽくなりすぎる)
- 汁気をしぼり、石づきの先端だけ落として1センチ幅くらいに切った干し椎茸
- とり出しておいた卵
を入れ、火を弱めの中火くらいにし、1~2分さらに炒める。
全体に油がなじんだら、
- 干し椎茸のもどし汁 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ2
- 淡口醤油 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- コショウ 1~2ふり
を入れ、煮立ったら弱火にし、5分くらい、ニンジンがやわらかくなるまで煮る。
味をみて、必要なら塩を加える。
中火にし、ざく切りのニラ・4分の1把を入れてひと混ぜして、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
の水溶き片栗粉を、スプーンで混ぜながら入れてトロミをつける。
- ゴマ油 小さじ1
- 酢 小さじ1
を加え、ひと混ぜして火を止める。
好みで粗挽きコショウをかけてもいい。
これはマジでたまらないっスよ。
あとは、わかめスープ。
鍋に、
- 水 2+2分の1カップ
- 頭とワタを取った煮干し 1~2つまみ
- つぶしたニンニク 1かけ
- 乾燥わかめ 2~3つまみ
を入れて5~10分煮て、
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 淡口醤油 大さじ1
- 塩 少々
- コショウ 1ふり
で味付けし、お椀によそって青ねぎとゴマをかける。
それに、白めし。
酒は、焼酎水わり。
きのうも飲み過ぎたのは、言うまでもないことだ。
これほど毎日飲み過ぎるということは、「酒は飲み過ぎるためにある」とも言えるわけで、それならば、飲み過ぎるのも仕方がないのだ。
「言えないよ。」
そうだよな。