このところ、韓国味にハマりまくっているわけだ。
何しろウマイのだから、仕方がない。
基本的に、日本の煮物でも炒め物でも、キムチやコチュジャン、それにゴマ油を加えると、まったく違和感なくおいしい料理になる。いやむしろ、ぶり大根やこの肉じゃがなど、和風に作るよりおいしいくらいではないかと思う。
日本は、肉は奈良時代から2000年、ニンニクは鎌倉時代から1000年近くに渡り、食べるのを禁じられてきた。その中で、吸物を代表とするうす味の、日本独自の料理文化が花開いてきた。
しかしコッテリとした濃い味の料理、および肉を使った料理については、むしろ素直にニンニクを使った方がうまいということなのかもしれない。
何しろニンニクは、調味料の世界標準。ニンニクを使わずに料理するのは、世界広しといえども日本だけではないだろうか。
韓国は、言わずと知れた、ニンニクを料理に多用する文化。でありながら、調味料の体系などは、日本と共通するところも多い。
だから韓国のキムチやコチュジャンは、特にコッテリと味をつける場合に、日本料理の足りないところをうまく補ってくれるとも思えるのだ。
というわけで、きのうは肉じゃが。
もちろん、キムチ味。
「肉じゃがを食べようか」と思った瞬間、「これは韓国味がうまい」と思えた。
何しろ韓国にも、ブテチゲを初めとして、ジャガイモを辛く煮込んだ料理はたくさんある。
肉は、豚肉がうまいかとも思ったけれど、おととい豚肉だったから、きのうは牛肉。野菜は、ジャガイモにニンジン、玉ねぎで、まったく通常の肉じゃが通り。
キムチは、ゴマ油と炒めるとうまい。なので初めにキムチと肉、野菜を炒め、そのあと煮込むようにする。
それから肉じゃがには、たっぷりの煮汁でコトコトと煮るやり方と、少なめの煮汁を強めの火で煮詰めながら煮るやり方とがある。
どちらも好みの問題だが、おれはいつも煮汁は煮詰め、コッテリと仕上げるようにしている。
フライパンにゴマ油・大さじ1を引き、牛コマ肉・150グラム、その上に肉と見た目同量くらいのキムチをそれぞれ敷き詰め、キムチの汁・大さじ1ほどをかける。
これでまず5分くらい置いて肉に下味をつけ、それから弱火にかけて、5分くらい、じっくり炒める。
- 2~3センチ大のゴロゴロに切ったじゃがいも 小さめのを4個
- 2センチ大くらいの乱切りにしたニンジン 2分の1本
を入れ、さらに2~3分、野菜に油がまわるまで弱火で炒める。
玉ねぎは、ここで入れても悪くはないが、最後に入れてサッと熱を通し、しゃっきり感を残すようにすると、酢豚の玉ねぎ的になってうまい。
- 水 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- コチュジャン 小さじ1
- すり下ろしたショウガ 2センチ大
を入れて、中火で煮立てる。
フタをして、中火のまま10分煮る。
フタを開け、くし切りに切った玉ねぎ・1個を加える。
上下を返して炒めるようにし、玉ねぎにやや火が通ったところで火を止める。
皿に盛り、青ねぎとひねり潰したゴマをかける。
キムチの味にじゃがいもは、大変よく合うのである。
あとは、うす味のみそ汁。
うす味のみそ汁は、要は煮干しだしに酒と淡口醤油でまず味をつけ、その煮汁で材料を煮てから、最後にみそを溶き入れるもの。
みそ汁だと、最後までだしだけで煮るから材料に味がしみないが、これだときちんと、味がしみたのを楽しめる。
またうす味にすると、だしは煮干しで取れるから手軽でありながら、ちょっと吸物的な味わいを楽しめるのもいい。
鍋に水・2+2分の1カップと、頭とワタを取った煮干し・1つまみくらいを入れ、中火にかけて、沸いてきたら弱火にし、10分煮出す。
酒・大さじ1、淡口醤油・大さじ1を入れて、好きなもの(きのうは鶏肉、大根、ニンジン、ゴボウ、豆腐)を入れ、柔らかくなるまで煮て、最後にみそ・大さじ1~2を溶き入れる。
酒は、冷や酒。
シメは、ご飯。
今日も、酒と飯はうまかった。
それさえあれば、おれは進んでいけるのだ。
「ほんとは彼女も欲しいんでしょ。」
そうなんだよな。