スーパーで、牛肉がわりと安く出ていたから、ごぼうと炒めることにした。牛肉をごぼうとしょうゆ味で炒めるのは、完全に一つの定番だ。
そこに、たっぷりの青じそをふりかける。
これはちょっと変わっているといえると思うが、向田邦子のレシピで見たのである。青じその風味によって、牛肉とごぼうの味がまたグンと引き立つ。
僕の場合、ここにさらにニンニクと一味を加えるわけだが、これは好みというべきで、そのままでも十分うまい。
作り方のコツは、まず火をあまり強くしないこと。弱めの火でやった方が、ごぼうが焦げることもないし、肉も硬くなりにくい。
それからしょうゆなどの調味料は、肉が生のうちに加えること。火が通ってしまってからでは、味が入りにくくなるからだ。
フライパンに、サラダ油・大さじ1を入れて弱めの中火くらいにかけ、ニンニクを入れる場合は、ここでみじん切りにしたのを2~3分、じっくり炒める。
つづいて、泥をナイロンたわしでよく洗い落としてささがきにし、水に5分ほどつけておいたごぼう・1本を、3~4分、やわらかくなるまでさらに炒める。
火をいったん止めて、食べやすい大きさに切った牛うす切り肉・150グラムくらいを広げて入れる。
- 砂糖 大さじ1
- 酒 大さじ1
- しょうゆ 大さじ2
を上からかけて、ふたたび弱めの中火をつけ、2~3分、牛肉の色が変わるまで炒める。
皿に盛り、せん切りにした青じそ・1束をドカンとかけ、ニンニクを加えた場合は、たっぷりの一味をかける。
これは、ウマイ……。
肉に香りのある葉っぱを合わせるのは、焼き肉をエゴマの葉に包んで食べることからわかる通り、考えてみたら定番なのだ。
シャッキリとしながら味を吸ったごぼうも、またたまらない。
そしてこれは、言うまでもなく、酒に合う。
これほど酒に合ってしまうと、飲み過ぎないようにすることは、ある日この世から酒が消滅でもしないかぎり、無理だと思う。
「ちがうよ。」
そうだよな。