うどんは鍋一つでわりと簡単に作れるものだが、特にあさりを使ったやつは簡単だ。何しろあさりを入れるだけで、滋味ぶかい天然のうまみがつくわけで、ほかにだしを使う必要がない。
このあさりに豚肉が合うのは知っていたのだけれど、今回さらに、生のトマトを合わせてみた。
そうしたら、まじでヤバイものになり、2万回ほど死んだ。
作るのは、あさりの砂出しをする時間を除き、手早い人ならたぶん10分、どんなにノロマだったとしても、30分はかからない。
悪いことは言わないから、作ってみた方がいいのではないかと思う。
味つけは、酒とみりん、薄口醤油の通常のうどんダシに、すり下ろしたニンニクを入れるとうまいのだ。これは在日コリアンであるあらい商店の大将に教えてもらった。
たっぷりの一味か、韓国唐辛子をかけるのがポイントで、あさりや豚肉の味がいっそう引き立つ。
ただしニンニクが嫌いだったり、ニオイが気になったりする場合には、トマトの酸味が利いているから、入れなくてもそれなりにうまいはずだ。
入れる具は、あさりと豚肉、トマトのほかには、きのうは油あげと青ねぎとした。青ねぎは、手に入りにくければ白ねぎでもかまわないし、ニラでもいい。
作り方は、ただ鍋に順番に具を入れていくだけ。ポイントは、あさり、豚肉、トマト、ねぎとも、「煮すぎないこと」だ。
- あさり 200グラム
は、
- 水 2分の1カップ
- 塩 小さじ2分の1
くらいの塩水に、30分~1時間くらいひたして砂出しする。
そのあと水を4~5回替えながら、両手で殻をガシガシとこすってよく洗い、臭みのもととなる殻の汚れを落としておく。
鍋に、
- 水 2カップ
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ2
- 薄口醤油 大さじ1+2分の1 (あさりの塩気があるので少なめにしておく)
- ニンニク 1かけ (すり下ろす)
を入れて煮立て、
- 油あげ 2分の1枚 (1センチ幅くらいに切る)
を弱火で2~3分煮る。
- ゆでうどん 1人前
- 豚コマ肉 50グラムくらい (食べやすい大きさに切る)
- 洗ったあさり
を入れ、弱めの中火であさりの殻が開くまで煮る。
(白ねぎを使う場合は、ここで入れる)
弱めの中火のまま、
- トマト 2分の1個 (1センチ厚さくらいのくし切りにする)
- 青ねぎ 3分の1把 (斜め切り)
を入れ、ふたたび煮立ってきたら火を止めて、味をみて塩加減する。
器によそい、一味か韓国粗びき唐辛子をたっぷりかける。
これは、たまらない……。
あさりとトマト、それにニンニクは、「ボンゴレロッソ」でおなじみの、名トリオなのだった。
滋味ぶかいあさりのだしに、トマトのさわやかな酸味がつき、1口すするごとに1000回死ぬのは確実だ。
しかもこの汁が、酒のためにあるような味なのだ。
完全に無抵抗になり、飲み続けてしまうことになるから、二日酔いは避けられない。
「抵抗しなよ。」
そうだよな。