肉は吸物にするのもまたうまいのである(豚肉と小松菜の吸物)

豚肉と小松菜の吸物 豚肉

冷蔵庫に入っている小松菜を食べないといけなかったのだ。

どうやって食べるかを考えに考えたのだが、合わせる相手はどうしても、「豚肉」しか思い付かない。

それでとりあえず、肉屋で豚バラ薄切り肉を買ってみた。

三条会商店街・西の外れにある肉屋の「ヒロ」は、安いので有名で、国産の豚バラ肉が100グラム150円で売っている。

 

これをどうやって料理するかなのだが、定番なのは、何といっても「炒め物」になるだろう。

豚肉と小松菜の炒め物は、定番中の定番だ。卵を加えるのもうまいし、トロミを付けてご飯にかけるのもいい。

このトロミを付けた炒め物に、麻婆かカレーの味付けをするのもいいなと思った。

 

ところがそこまで考え、「あとは作るだけ」となったのに、腹が減らないのである。

このところよく食べていたせいなのか、ガッツリとした炒め物を食べられる気がしなかった。

 

せっかく考えたメニューだけれど、腹が「イラナイ」というのなら、仕方ない。

豚肉と小松菜の吸物

それで考え直したメニューが、「吸物」だ。

 

「豚肉を吸物に入れる」というと、意外に思う人もいるだろう。

みそ仕立ての豚汁ならともかく、コッテリした豚肉と、さっぱりとした吸物は、「対極」とも感じられる。

しかしこれが、実に合うのである。

だしにかつお節を強く利かせることにより、コッテリした豚肉を、何ともさっぱり、いかにもお腹に優しく、食べられるようになる。

 

これはもちろん、ぼくが考案したものではない。「肉吸い」と呼ばれる関西の食べ物だ。

関西だから、使うのは牛肉だが、要は「肉の吸物」だ。

誰だったか、関西の芸人が、うどん屋で「肉うどんのうどん抜き」を頼んだのが初めだそうで、居酒屋などでもわりとよくあるメニューである。

 

肉吸いは、肉にたっぷりのネギが基本だが、きのうはここに小松菜を入れることにした。

小松菜も、吸物の実には最高なものの一つだから、問題があるはずがない。

 

ポイントは、まず何よりも、「だしにかつお節を利かせる」こと。

それから汁を濁らせないために、豚肉も小松菜も、湯通し・下ゆでしてから使うようにする。

 

まずだしを取る。

豚肉と小松菜の吸物

たっぷり2杯分、3カップのだしを取るとして、水は3カップ半を鍋に入れる。

ここに10センチ長さくらいのだし昆布を入れ、中火にかけ、煮立ってきたら、フツフツと小さく煮立つくらいの弱火にする。

ここで10~20分かけ、昆布の香りがきちんと立ってくるまで煮出す。

 

そうしたら、かつお節、これはミニパック6袋分を入れ、そのまま弱火で2~3分煮出してザルで漉す。

できた3カップのだしに、

酒・大さじ3
みりん・小さじ3
淡口しょうゆ・大さじ3くらい(味を見ながら)

で味を付ける。

 

豚バラ(コマ)薄切り肉は食べやすい大きさに切り、一旦煮立て、火を止めた湯でしゃぶしゃぶとしてアクを落とす。

豚肉と小松菜の吸物

肉のアクは、別に臭くはないのだが、吸物の場合は汁を濁らせないためにこうするのである。

それから小松菜2分の1把をざく切りにし、塩を振った湯でサッとゆで、水に取って絞っておく。

あとはだしを小さく煮立てて、まず細切りにした油あげ2分の1枚、ばらしたシメジをサッと煮て、火を弱め、ほとんど煮立たないくらいにしてから、豚肉を2~3分、温める。

最後に小松菜を入れ、温まったら器によそう。

 

青ねぎと、一味をかける。

豚肉と小松菜の吸物

 

ホックリと癒される、何とも優しい味である。

豚肉と小松菜の吸物

 

ご飯物は、肉吸いには「卵かけご飯」が定番だ。

卵かけご飯

これがまた、いかにも合う。

 

白菜のおひたし。

白菜のおひたし

ざく切りにして塩ゆでし、水に取ってよく絞り、かつお節と味ポン酢で和える。

 

大根の皮とだし殻のじゃこ炒め。

大根の皮とだし殻のじゃこ炒め

 

酒は、冷や酒。

冷や酒

きのうは仕事のキリが早く付き、早くから飲み始めたら、結局いつもと同じ時間まで飲み、飲み過ぎることになってしまった。

 

「のんびりし過ぎなんだよね。」

チェブ夫

そうだよな。

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