サンマを買い、たたき丼にした。
「うまい、安い、早い!」といえば、これなのである。
◎絶賛・予約受付中!
スーパーの鮮魚売り場を覗いてみると、98円の特売サンマが一尾だけ残っていた。担当のお兄ちゃんに、
「これ生でイケますか?」
と聞くと、
「だいじょうぶです」
とのことである。
あまり腹が減っていなかったから軽いものが食べたかったし、何より、もう夜も遅いから、手早く出来るものを作りたかった。
となれば、「サンマのたたき丼」に決まりだろう。
サンマのたたき丼は、ご飯を炊いて、サンマをおろすだけである。
サンマをおろすのは、慣れないと時間もかかるだろうが、慣れれば5分もかからない。
原価はサンマの100円に、米やもろもろを入れても50円ほど。
それでいて、「死ぬか」と思うくらい、うまい。
世の中には「カネがないから」と、毎日牛丼ばかり食べている輩もいるそうだ。
魚のおろし方を知らないからとはいえ、全くかわいそうなことである。
サンマをおろすやり方は、YouTubeにアップされている。
簡易研ぎ器できちんと研げば、家にある包丁でまったく問題なくできる。
三枚におろしたサンマに、青ねぎとおろしたショウガをたっぷり加える。
みそを加え、「なめろう」にしようかと迷ったが、今回はしょうゆで行くことにした。
サンマと薬味を、包丁でザクザクと、ぶつに切る。
あまり細かくするよりも、ゴロゴロと身が残るようにした方が、食べ応えはいいだろう。
炊きたてのご飯に乗せ、しょうゆをかける。
まだまだ脂が乗ったサンマは、ご飯も酒も超速で進む。
それからおとといの角煮大根。
味がしみまくっていながら、相変わらず「プリプリ」という代物だ。
それにやはりおととい、角煮を作ったときに出た、大根の皮やだし殻のじゃこ炒め。
ゴマ油とちりめんじゃこで炒め、淡口しょうゆで味付けすると、「廃材」とは全く思えないほどうまい。
とろろ昆布の吸物。
水に浸し、よくしぼった焼き麸入り。
酒は、焼酎お湯割り。
夜遅かったため、いつも飲んでいる「月桂冠」を買えなかったのだ。
◆
さて猫なのだが、おとといは、チビにゃんはデカイのと、出くわすことはなかったようだ。
しかし、気になってはいるらしい。
エサを食べながらも、たびたび後ろを振り返り、デカイのがいないかどうかを確認する。
気になりながらも食べには来るから、こちらも生きるのに必死なのだろう。
今朝も、チビにゃんはエサを食べに来た。
何度か振り返って確認するも、デカイのはいないようだ。
しかしあらかた食べ終わり、改めて振り返ってみると、、、
デカイのが、塀の上に座っていた。
急にソワソワし始めるチビにゃん、、、
「ああよく食べた」とでもいう調子で伸びをして、何くわぬ顔で立ち去ろうとする。
それをデカイのが追いかけた。
チビにゃんは戦闘態勢で背中を丸め、
「エアーーオウ、エアーーオウ」
と、威嚇の声を発している。
チビにゃんと、無言で向き合うデカイの。
さらに距離を縮める、、、
ここでデカイのは無言のまま、口をパクパクさせる。
また距離を詰める。
そしてまた、口をパクパクさせる、、、
しばらくのあいだ、にらみ合いが続いたと思ったら、やおらデカイのは、チビにゃんから顔を離した。
一周まわり、チビにゃんのいるところより、さらに奥に座り込む。
解放され、ホッとした様子で帰ってくるチビにゃん。
反対側の塀に上り、逃げ出そうとする。
すると、またデカイのが追いかけた。
しばらくエアコン室外機の上で、くつろいだ様子をする。
逃げ出そうにも、そうも行かない様子のチビにゃん。
やがてデカイのは室外機から降り、出してあるエサを食べはじめた。
その隙にチビにゃんは、スッと姿を消していた。
延々30分以上にもわたって繰り広げられた、チビにゃんとデカイのの攻防劇。
ぼくは「どうなるのだろう、、、」と、固唾を飲みながら見守った。
デカイのは、チビにゃんを追いかけるわけだから、
「ここは俺の縄張りだ」
と主張しているのは確かだろう。
チビにゃんもそれは分かっていて、毎回ビクビクしながらエサを食べに来る。
でもデカイのは、チビにゃんを完全に追っ払おうとはしていない。
威嚇の声も発しないし、チビにゃんの眼前で口をパクパクさせてみたり、逃げ出そうとするチビにゃんのすぐ脇で、寛いで見せたりする。
いかにも、
「そう怖がるなよ」
と言っているようにも見えるのである。
これからチビにゃんとデカイのは、どう折り合いを付けていくのだろう?
「猫もけっこう考えている感じがするね。」
ほんとだな。
◎関連記事
サンマに別れを告げるとなると、やはり「なめろう」は食べておかなくてはいけないのである。