きのうの肴は、サンマお造りにサンマご飯。
旬も盛りのサンマ2尾で、「サンマ祭」なのである。
サンマの旬も、いまが盛りとなっている。
脂が乗りまくっているわけで、「いま食べずして、いつ食べるのか」という話だろう。
魚にしても、野菜にしても、旬の最盛期は意外にみじかく、2週間くらいなものだ。
「気が付いたら終わっていた」とならないよう、いまのうちに食べておいた方がいいのである。
きのうも近所の魚屋へ行ったら、たまたま特売日に当っていて、いつもは240円で売っているLサイズのサンマが、何と120円だった。
これはもちろん、2本買ってしまうだろう。
一つはお造り、もう一つは炊き込みご飯にすることにした。
「自炊隊」でもサンマはあれこれ投稿されていて、食べたいものは決まっていたのだ。
まずは炊き込みご飯から作る。
サンマを炊き込みご飯にするというと、
「臭みがあるのでは?」
と思う人もいると思う。しかしその心配は、全く不要だ。
サンマはまず、塩焼きにしてから使う。それにショウガをたっぷり刻み込む。
臭みの片鱗すらもなく、ホッコリとしたうまみのある、実においしいご飯になる。
自炊隊の人などは、さらにワタまで、一緒に炊き込んでしまう人もいた。
オイスターソースやナンプラーでエスニック風の味付をするもので、「やってみたい」と思ったけれど、今回は和風のうす味にしたかったから、それは涙を呑んで、見合わせることにした。
炊き込みご飯は、とにかく手軽に出来るのがいい。材料を鍋に入れれば、あとは火をつけ、途中で弱めて、最後に止めるだけの話だ。
要領がつかめないうちは、失敗もするとは思う。でも水加減も火加減も調味料の分量も、材料が多少変わってもほとんど同じことだから、慣れれば大して考えなくても自動的にできるようになる。
サンマは頭を落とし、腹を肛門まで割いて、ワタをかき出す。水洗いして水気を拭き取り、普通に塩焼きするのと同じくらい、塩を振る。
6等分くらいの筒切りにし、グリルなり焼き網なり、フライパンなりで軽く焦げ目がつくまで焼く。
一人用の土鍋に5センチ角くらいのだし昆布を敷き、研いで水をよく切った米を入れる。米は研いでから火にかけるまで、15分くらいはおくのがいいが、何だかんだやっている間に、15分くらいは経つものだ。
米の上に、まず2センチ大ほどのショウガの細切りを散らし、次にささがきにし、水にさらしたゴボウ2分の1本、細く刻んだ油あげ2分の1枚を重ねていく。
一番上に、焼いたサンマを並べる。
水1カップを入れ、酒とみりん、淡口しょうゆ大さじ1ずつを、下味を付けるのを兼ね、サンマの上からかける。
液体の量は、大さじ1が15ccだから245ccということで、だいたい米の1.2倍だ。
フタをして中火にかけ、湯気が勢いよく吹き出してきたら弱火にする。
10分炊き、火を止めて10分蒸らす。
フタを開けると、サンマとゴボウ、ショウガのいい香りがぷんとする。
たっぷりの青ねぎと、きのうはすだちを絞ったが、味ポン酢をちょろりと垂らすのでもいい。
「これがサンマか」と思うほどの、穏やかなうまみである。
それからお造り。
やはりサンマは、お造りは外せない。
お造りをするとなると、サンマを3枚におろすことが必要だ。
もちろんそれは、魚屋でもスーパーでも、頼めば問題なくやってくれる。でもサンマの3枚おろしは、ぜひ自分でやってみることを勧めたい。
魚料理は、自分で3枚におろせると、世界が大きく広がるのだ。お造りはもちろんのこと、酢じめ、なめろう、蒲焼きなどなど、自力でできることになる。
サンマは魚の中では3枚におろすのが最も簡単で、3枚おろしの練習にもふさわしい。
初めの2~3回は、失敗もするだろうが、そう難しいことでもないから、すぐに出来るようになる。
3枚おろしは、この動画を見るのが分かりやすい。
お造りにするためには、全てこのようにするので問題ない。
コツは、まずは包丁を簡易研ぎ器でよく研いでおくこと。研ぎさえすれば、家庭用の普通の包丁で3枚おろしは十分できる。
それから3枚におろしたサクを、最後によく洗うこと。血やワタなどが付いていると、臭みが出るからだ。
サンマのお造りは、まずはショウガに味ポン酢で食べるのが基本で、最低限それだけで、おいしく食べられる。
しかし薬味を添えるとさらにおいしくなるわけで、きのうは青ねぎとミョウガを刻み込み、すだちを絞った。
それから刺身のツマなのだが、これは普通は、極細に切った大根を使うだろう。
しかしこれは、「もやし」が非常にオススメなのだ。
サッとゆで、よく絞ったもやしを皿に敷き、上にサンマと薬味を並べて、味ポン酢をドボドボかける。
こうすると、サラダ感覚でとてもうまい。
脂の乗った、トロトロのサンマ。
これが世界で最もうまいものの一つであるのは間違いがないだろう。
あとは、塩もみナスのからし酢醤油。
5ミリ幅くらいに切って塩もみし、少しおいて水洗いしてよく絞ったナスを、からしと酢、淡口しょうゆで和え、削りぶしを盛る。
それにおとといのおでん。
味がしみまくっている。
酒は日本酒常温。
お造りには、やはり日本酒がいいのである。
「秋はうまいものばかりでタマラナイね!」
ほんとにな。
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