きのうは「サンマの漬け丼」で酒を飲んだ。
「カネがないから」と牛丼ばかり食うような奴は、頭が悪いのである。
ぼくも決して、牛丼が嫌いではないのである。街にいて、半端な時間に小腹が空いてしまったときなど、300円ほどで時間もかけず、サックリと食べられる牛丼はありがたい。
しかし世の中には、「カネがないから」と、牛丼やらコンビニの弁当やらばかりを食べている輩がいることだろう。
ぼくはそういう奴は、「頭が悪い」としか思えない。
何しろこの「サンマの漬け丼」、
サンマは170円、米は1カップの大盛りだから、100円と計算し、その他もろもろを考慮に入れても、300円はかかっていない。牛丼と、変わらない値段である。
しかも申し訳ないが、牛丼の100倍はウマイ。
牛丼を毎日食うなら、こちらを毎日食べた方がいいのは決まっているだろう。
しかし、決まっていることが「わからない」のが、「頭が悪い」というものだ。
頭が悪い人たちは、どうぞ毎日、牛丼を食べてもらったらいいのである。
このサンマの漬け丼、何日か前にツイッターで見て、「食べたい」と思ったものだ。
⇒ https://twitter.com/babi156/status/520498143113138176
ツイッターやら、それから自炊隊やらで人の作った食事を見るのは、自分が何を作るか考える上で参考になることが多い。
サンマも、生のはお造り、なめろう、酢じめ、炊き込みご飯、それに煮たり焼いたりを一通りし、メニューは「もう出尽くしたか」と実は思っていた。
そこへこの「漬け」を見て、「それがあったか」と膝を打ったわけである。
漬け(ヅケ)は刺し身をしょうゆに漬け込んだもので、もちろんすぐに食べてもいいし、一晩くらい置いてもいい。しょうゆが臭みを消し、日持ちをさせる効果があるから、食べ残した刺し身などの活用法としてよく使われる。
しかし考えてみたら、サンマなど少しクセのある魚なら、初めから漬けにするのも「名案」といえるだろう。
酢じめほど時間がかからず、すぐに食べられるのもいい。
漬けにするには、サンマを三枚におろすことが必要だ。
しかしそれは、ぜひこの動画を見て、トライしてみてもらいたい。
サンマは大きさも手頃だし、肉質もわりとしっかりしていて、しかも値段が安いから、三枚おろしの入門とするのに打ってつけの魚なのだ。
もちろん、初めから上手くできるわけはないが、それほど難しいことでもないから、何度かやれば、きれいにできるようになる。
コツは、まずは簡易包丁研ぎ器で、包丁をよく研いでおくこと。
それからおろした身は、水でよく洗って付いた血などを洗い流し、そのあとよく水気を拭き取ることである。
それから魚をさばくと、「生ゴミの始末に困る」と思う人もいるかもしれない。
しかし魚の生ゴミは、ゴミの日まで「冷凍庫」に入れておけば、臭ったりすることもない。
おろしたサンマは、食べやすい大きさに切り、
- 同量のしょうゆとみりん
- ほんの少しの酒
- おろしたショウガ2センチ大くらい
のタレに漬け込む。
20~30分も漬ければ、もう十分だ。
どんぶりにご飯をよそい、青じそでも敷いて漬けを並べる。
漬け汁を上からかけ、ひねり潰したゴマでも振って、きざみ海苔を天盛すれば、出来上がり。
甘辛い味がしみた、脂がのってトロトロのサンマ、、、
ご飯も酒も、いくらでも進んでしまうことは請け合いだ。
それからきのうは、汁は小松菜の吸物。
青菜の吸物は「菜っぱ汁」と総称され、京都・家庭料理の一つである。
青菜はみそ汁にするのもいいが、吸物にするのも飛びきりうまい。
特に酒には、みそ汁より吸物の方が断然合う。
小松菜はざく切りにし、サッと塩ゆでして水に取り、絞っておく。
2カップ半の水に、5センチ角くらいのだし昆布とミニパック4袋分(=たっぷり)の削りぶしを入れ、中火にかけ、煮立ったら弱火にして1~2分煮て、ザルで漉す。
取れただしに、大さじ1くらいの淡口しょうゆを加えて味を付け、細く刻んだ油あげとばらしたシメジをさっと煮て、最後に下ゆでした小松菜を入れ、温まったら火を止める。
柚子の皮を小さく切って浮かべると、「料亭の味」になる。
このやり方は、小松菜以外、菜っぱなら何でも使える。
水菜や白菜、白菜菜(はくさいな)などの場合は、下ゆではしなくていい。
あとは、たたきキュウリの梅肉和え。
キュウリはすりこ木でたたいて千切り、塩もみしてしばらく置いて、水洗いする。
梅肉と、見た目同量の削りぶしをたたいたのと、さらに同量のみりん、ほんの少しの淡口しょうゆ、もし梅干しが辛ければ、砂糖少々で和える。
それに一味ポン酢の冷奴。
酒は、きのうからいよいよ熱燗。
これがまた、たまらないわけである。
「牛丼が好きな人もいると思うよ。」
たしかにな。
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サンマは弱火でコトコト煮るとうまいのである。(サンマ鞍馬煮)