急に寒くなってきたから、きのうは鶏つみれのうどんすきにした。
鍋はつみれにすると、また味がグンと引き立つのである。
台風が通過してから急に冷えるようになってきて、カーデガンの下に着るTシャツも、長袖に衣替え。それでもまだ、少し寒いくらいである。
となれば、食べるものはもう一択、「鍋」だろう。それに「熱燗」とくれば、言うことない。
きのうは鶏肉が食べたかった。食べたくなる順番が、ぼくの場合、「豚肉 ⇒ 魚 ⇒ 鶏肉」とローテーションになっていて、きのうは「鶏肉の日」だったからだ。
鶏肉は、そのまま鍋に入れても、もちろんうまい。しかしこれを「つみれ」にすると、さらに味が引き立つわけだ。
つみれは、要は「ハンバーグ」で、ひき肉と香味野菜、それにつなぎの片栗などに、うすく味を付けたもの。食べ応えがやわらかで、鍋に入れると、一気に上品な趣となる。
作るのは、大した手間はかからない。気分を替えたいと思った場合はおすすめだ。
つみれ鍋には、やはり白菜。やわらかなつみれと、じんわりと汁を吸った白菜は、「黄金の取り合わせ」と言ってもいい。
それからしいたけ。鶏肉には、きのこの中ではしいたけが合うと思う。
豆腐にするか、油あげにするかでちょっと迷った。でも汁を吸わせたいのなら、油あげに軍配が上がるだろう。
あとはうどんを入れて、「うどんすき」にすることにした。
さらにシメに雑炊をすれば、腹持ちも申し分ない。
最後に一つ、迷ったのは、「汁に味を付けるかどうか」だ。
汁は昆布だしと酒だけにして、食べるときに味ポン酢を付けるのも、もちろんうまい。ただそれだと、冷めるとあまりおいしくないから、煮ながら食べる必要がある。
しかしきのうは、台所で終いまで作ったものをテーブルに持ち出したい気分だった。
となれば汁には、味を付けた方がいい。味付けすると、冷めるにつれて材料に味がしみ込み、むしろおいしくなるからだ。
肉の汁にしょうゆ味を付ける場合、だしは昆布だけでなく、削りぶしを使う必要がある。
そうでないと、どうしても、間の抜けた味になるのである。
鍋にザルを据え、
- 水・3カップ半
- だし昆布・5センチ角くらい
- 削りぶし・ミニパック3袋分
を入れて中火にかける。
煮立ったら弱火にし、5分くらい、アクを取りながら煮る。
5分経ったらザルを取り出し、お玉などでだし殻をよく絞る。絞っただし殻は、一味に味ポン酢でもかけ、その場で酒の肴にする。
ここに、
- 酒・大さじ3
- みりん・小さじ3
- 淡口しょうゆ・大さじ3
で味を付けておく。
これはちょうど、「関西風うどんだし」の按配だ。
だしを取りながら、つみれも作る。
つみれは「香味野菜」を入れるのがポイントだ。
ショウガとねぎ、または玉ねぎを基本として、その他に、ゴボウ、ニンジン、ピーマン、セロリ、しいたけ、などなどのうち、どれか1つでいいから加えると、味はグンとよくなる。
きのうはしいたけを入れた。
器に、
- 鶏ひき肉・200g
- ショウガ・2cm大くらいのみじん切り
- 青ねぎ・1~2本のみじん切り
- しいたけ・大きさにより、1~3枚のみじん切り
- 酒・小さじ1
- 淡口しょうゆ・小さじ1
- 砂糖・小さじ1
- みそ・小さじ2分の1
- 塩・小さじ4分の1
- 溶き卵・2分の1個分(残りはその場で、しょうゆを入れて飲む)
- 片栗粉・大さじ1
を入れ、粘り気が出てくるまで、よくこねる。
こねたあと、少し寝かせておけば、味がなじむ。
鍋のだしを煮立て、タネをスプーンで食べやすい大きさにまとめ、入れていく。
つみれは10分煮れば、火が通ると思っていいから、ここで5分くらい煮る。
あとはここに、うどん、白菜の茎、油あげ、しいたけなど煮えにくいものから入れ、最後に白菜の葉を入れる。
全部に火が通ったら、卓上へ持ち出す。
薬味はきのうは、青ねぎ、一味、スダチを用意した。
また汁を吸ったうどんが、うまいわけだ。
シメは雑炊。
雑炊は、「サトウのごはん」的なものを使うと、ご飯を炊く手間が省ける。
だしにご飯を入れ、弱火で煮たら、溶き卵と青ねぎを入れ、火を止めて少し蒸らす。
やはりこちらも、一味を振り、スダチを絞る。
「たまらない」のは、言うまでもない話である。
酒は、熱燗。
「鍋に熱燗」は、「極楽」の一つであるのは、間違いがないだろう。
「北向きの部屋だから、冬は寒いよね。」
そうなんだよ。
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