豚肉と小松菜の炊き込みご飯で酒を飲んだ。
失敗は、成功の元なのである。
先日、ある飲み会でぼくのブログ読者の人と話す機会があった。
「高野さんは、新しい料理を色々うまく作っていて、すごいですね。私も自分で考えて作ることが多いけど、思っていたのとちょっと違うものになることが多くて、、、」
とのことだった。
しかし実は、それはぼくも同じである。
ちょっとした失敗はしょっちゅうで、ただしそれを、わざわざブログに書かないだけだ。
新しいことに挑戦する際は、事前にすべてを見通すことは不可能だ。どうしても、自分がそれまで知っていることの中から、新しい結果を類推し、予想することになる。
でもその「予想」が、いつも当たるわけではないのは、言うまでもないだろう。
どうしたって、予想と結果が食い違うことは起こってしまうことになる。
しかしその「失敗」こそは、貴重な体験なのである。
予想と結果の食い違いから、自分のそれまでの考えを「修正」することが可能になる。
さらにはその失敗が、思いもよらぬ、「いい結果」を生むこともある。
自分がそれまで知らなかった「新しい味」を、発見することもあるのである。
作った料理を家族などに食べさせるのなら、失敗し、あまりおいしくない料理は「申し訳ない」ことにもなるだろう。
でも一人暮らしの場合なら、自分一人がちょっと我慢すればいいだけだ。
ブログ読者も、別にぼくの料理を食べさせるわけではない。
だからちゃんとおいしくできるように、ブログのレシピは修正して、載せるようにしているのである。
失敗を恐れると、料理は決して上手くならないと、ぼくは思う。
といっても、経験を重ねるうち、「まったく食べられない」というような、大きな失敗はしなくなるから、心配しないで大丈夫だ。
きのうは初めて、豚肉の炊き込みご飯を作ってみた。
ちょっと失敗はあったのだが、まずまずおいしいものになった。
「豚肉の炊き込みご飯」は、これまで食べたことも、作ったこともなかった。だから、「新しいものに違いない」と思ったのだが、何のことはない、ネットを検索してみたら、何百種類とレシピが出てきた。
大きく分けると、
- そのまま炊き込む
- 炒め煮をして、その煮汁ごと入れる
の2つのやり方があるようだった。
これはまずは、よりシンプルと思われる、「そのまま炊き込む」方法で、作ってみることにした。
迷ったのは、「小松菜を入れるかどうか」だ。葉物野菜を炊き込みご飯に入れていいものかどうか、よく分からなかった。
でもネットのレシピを見てみたら、小松菜を入れたものも多かった。
ご飯が炊けるには時間がかかり、そのあいだに小松菜の歯応えはなくなるが、やわらかくなった小松菜も、それはそれで、悪くない。
ただしこれは、「大失敗」といえるのだが、「油あげ」を忘れたのだ。
用意していたのに、土壇場になって忘れたから、これは「予想と結果が食い違った」のではなく、単なる「うっかり」という話である。
しかし油あげは、絶対にあった方がいい。
これを見て、作ってみようと思う人は、ぜひ入れてもらいたい。
一人用の土鍋にだし昆布を敷き、研いで水を切った米1カップを入れる。
そこに、
- 水1カップ
- 2センチ大くらいのショウガ細切り
- ささがきにし、水にさらしたゴボウ1本
- 細く刻んだ油あげ2分の1枚
- 酒とみりん、淡口しょうゆ各大さじ1、オイスターソース小さじ1、塩小さじ4分の1をもみ込んだ豚コマ肉200gを漬け汁ごと
- ざく切りにした小松菜2分の1把
を順に重ねていき、フタを閉め、中火にかける。
湯気が勢いよく出てきたら、弱火にし、10分炊く。
そのあと火を止め、10分蒸らす。
フタを開け、かき混ぜる。
プーンと小松菜の香りがする。
茶碗によそい、ひねり潰したゴマを振る。
豚肉と小松菜は、いうまでもなく、ご飯によく合うのである。
あとはアサリの赤だし。
貝類は、ふつうの味噌より、赤だしみそ(八丁みそ)がやはりうまい。
アサリは海水くらいの塩水に30分くらい浸して砂を出し、両手でガシガシ擦りながら、よく水洗いする。
鍋にだし昆布、アサリ、アサリが200gなら、200ccの水を入れて中火にかけ、アクを取りながら、アサリの殻が開くのを待つ。
殻が開いたら火を止め、味を見ながら赤だしみそを溶き入れる。
食べる前に温めなおし、お椀によそって青ねぎをかける。
玉ねぎの塩もみ。
玉ねぎは、塩もみすると、甘みが出て、食べ応えも「ツルリ」となって、とてもうまい。
ひとつまみの塩で揉み、5分ほど置いたら水洗いして、よく絞る。
削りぶしと味ポン酢をかけて食べる。
それに冷蔵庫に入っていた、万願寺の炊いたん。
酒は焼酎水割り。
連日連夜、飲み過ぎているのである。
「飲みながら料理するから間違うんだよ。」
そうなんだよな。
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